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「理解する」ずは、どういうこずか

    やたもず

    䌁業における研究マネゞメントの考察
    䌁業における研究郚門のマネゞメントに぀いお考えたこずを敎理しおいたす。

    前回、知の創造プロセスの䞭で、䜓系化された「知識」を玍埗するこずで、「理解」になるず説明したした。では、人はどのような堎合に「理解した」ず思うのでしょうか

    今回は、「理解」段階に぀いお考えおいきたいず思いたす。調べおみるず、「理解」は哲孊でよく研究されおいたした。

    「理解」ずは

    我々が或る物事を知っおいるず蚀いうるのは、我々がその物事の第䞀の原因を認識しおいるず信じるずきのこずだからである
    出兞. アリストテレス 「圢而䞊孊 侊 (Japanese Edition)」 第䞀巻第䞉章

    たず、アリストテレスは、「理解しおいる」「知っおいる」ずは、「物事の第䞀の原因を認識しおいるず信じおいるこず」だず蚀っおいたす䞊蚘匕甚は、蚳者の補足です。すなわち、「理解」ずは「原因はこれだ」ずいう「信念」の䞀皮です。

    次に、物事を経隓しおいる経隓家ず物事を知っおいる知者知恵を持぀者の比范を行っおいたす。ただし、”経隓が人間に生じるのは蚘憶から「圢而䞊孊」第䞀巻第二章”で、”孊問や技術は経隓を介しお人間にもたらされる「圢而䞊孊」第䞀巻第二章”こずが前提になっおいたす。

    経隓家の方は、物事のそうあるずいうこず〔事実〕を知っおおりはするが、それのなにゆえにそうあるかに぀いおは知っおいない。しかるに他の方は、このなにゆえにを、すなわちそれの原因を、認知しおいる。
    出兞アリストテレス「圢而䞊孊 侊 (Japanese Edition)」第䞀巻第二章

    䟋えば、倧工の棟梁ず手䞋の職人を比范するず、手䞋の職人は倧工の䜜業を経隓しおいる経隓家ですが、棟梁は倚くの䜜業で構成される仕事党䜓の原因を知っおいるので知者ずなりたす。すなわち、棟梁は仕事を「理解」しおいるこずになりたす。

    では、人を「知恵゜フィアがある」ず認識するのはどういうずきでしょうか。これの特城に぀いお、アリストテレスが分類しおいたすので、玹介しおおこうず思いたす。
     可胜な限り党おの物事を認識しおいる
     人間には容易に知れないような物事を知る胜力がある
     いっそう倚く正確である
     いっそうよく物事の原因を教えられる
     効果に関わらず、知る自䜓が望たしいこずいっそう倚く知っおいる
     王者的な孊をいっそう倚く知っおいる

    ここから、アリストテレスは、「知恵゜フィア」は、以䞋のような特城を持぀ず蚀っおいたす。
     普遍的である
     普遍的な物事は、感芚から最も遠く、最も困難である
     より少ない原理から出発しおいる
     第䞀の諞原因を理論的に説明できる
     最も可認識的なもの第䞀の原因を察象ずする
     物事が䜕を目的ずしおなされるべきかを知っおいる

    私は、これを、「理解」ずいう「信念」を持぀には、「普遍的であるこず」「より少ない原理で説明できるこず」「第䞀の原因を理論的に説明できるこず」「目的が䜕かを知っおいるこず」のどれか、あるいは党おを満たすこずが必芁ず解釈したした。

    アリストテレスの四原因

    アリストテレスは、ピタゎラスや垫のプラトンを含む過去の哲孊者が考えた原因を、4぀の原因にたずめおいたす。

    質料因
    これは、アリストテレス以前の哲孊者の倚くが考えおいた原因で、玠材や構成芁玠のこずです。アリストテレス以前の哲孊者たちは、火ヘラクレむトス等や氎タレス、空気アナクシメネスなど、土゚ンペドクレス、数ピタゎラス䞀掟などを生成も消滅もしない構成芁玠ず考え、これを原因ず考えおいたした。

    すべおの存圚のそのように存圚するのは、それからであり、それらすべおはそれから生成し来り、その終りにはたたそれにたで消滅し行くずころのそれ、こうしたそれを、かれらは、すべおの存圚の構成芁玠〔元玠〕でありもずのもの〔原理〕であるず蚀っおいる。
    出兞アリストテレス「圢而䞊孊 侊 (Japanese Edition)」第䞀巻第䞉章  

    たしかに、䟋えばスマヌトフォンをパヌツに分解しお、基板やバッテリヌやカメラずいった構成芁玠を芋お「こういう構成郚品でできおいるんだなぁ」ず玍埗するこずは、人によっおはありそうです。

    始動因䜜甚因
    質料因は静的な原因であり、玠材が存圚するだけでは物事になり埗ないこずは、アリストテレス以前の哲孊者も気付いおおり、玠材が別のものに転化する原因も必芁だず考える哲孊者もいたそうです。

    かれらがここたで進んでくるず、事態それ自らがかれらに道をひらき、新たな問題の探求にかれらを駆りたおた。すなわち、たずえすべおの生成や消滅が或る䞀぀のものたたは䞀぀より倚くのものからであるこずは圓然であるずしおも、それがなにによっおおこるか、なにがその原因であるかは別の問題である。
    出兞アリストテレス「圢而䞊孊 侊 (Japanese Edition)」第䞀巻第䞉章

    たしかに、䟋えば、カレヌラむスの材料スパむス、野菜、肉、米が存圚するだけでは、カレヌラむスはできたせん。材料をカレヌラむスにしようずする人始動因が調理するずいう行為䜜甚因も原因ず考えられたす。

    圢盞因
    圢盞因は䞀番理解が難しいです。圢盞因は、プラトンのむデアに察応する原因ですが、むデア論は培底的に批刀し、次のように定矩されおいたす。

    我々の䞻匵では、そのうちの䞀぀は、物事の実䜓でありなにであるか〔本質〕である。けだし、そのものがなにのゆえにそうあるかは結局それの〔なにであるかを蚀い衚わす〕説明方匏に垰せられ、そしおそのなにのゆえにず問い求められおいる圓のなには窮極においおはそれの原因であり原理であるからである。
    出兞アリストテレス「圢而䞊孊 侊 (Japanese Edition)」第䞀巻第䞉章

    ぀たり、圢盞因ずは本質のこずです。では、本質ずは䜕かずいうず、次のように説明されおいたす。

    ・本質なるものはただそれの説明方匏がそれの定矩であるものにのみ存するものである。第䞃巻第四章
    ・〔それの説明方匏がそれの定矩であるのは〕その説明方匏が或る第䞀のものを説明しおいる堎合である。第䞃巻第四章
    ・第䞀ずいうのにも倚くの意味があるしかしそれにもかかわらず、そのすべおの意味で実䜓は第䞀である。第䞃巻第二章
    出兞アリストテレス「圢而䞊孊 侊 (Japanese Edition)」

    そしお、実䜓本質を含むずは「䜕であるか」であり、「どのようにあるか」性質や「どれくらいあるか」量ではない、ずも説明されおいたす。぀たり、それを圢容する蚀葉は、附垯的な属性であっお本質ではないず説明されおいたす。簡単に蚀うず、「Aは、Aである」ずしか蚀えない事物のこずでしょうか。

    䟋えば、私たちは他人の顔を顔ずしお認識できたすが、それが写真であっおも、絵であっおも、壁のシミであっおも、自然に䜜られた目のような陰のある石であっおも、絵文字・・であっおも顔ず認識できたす。これは、玠材によらず、私たちが顔のむメヌゞ本質、圢盞を持っおいるから、ずいうこずなのではないでしょうか。カレヌラむスの材料があっおも、調理するには「カレヌラむスはこういうものだ」ずいうむメヌゞ本質、圢盞が必芁です。

    では、圢盞因により理解したず信じられる堎合ずは、どのような堎合でしょうか。䞊蚘の䟋からするず、頭の䞭に統合されたむメヌゞ本質、圢盞が出来䞊がるこずだず思いたす。頭の䞭のモダモダずした霧が晎れるような感芚ではないかず掚枬できたす。

    私自身は、孊生時代に勉匷をする䞭で、急に数孊が理解できるようになったり、急に量子力孊が理解できるようになったりした経隓がありたす。このずき、「数孊のずはこういうもの」や「量子力孊ずはこういうもの」ずいう統合むメヌゞが出来䞊がったのかも知れたせん。

    目的因
    始動因が開始の原因であったのに察し、目的因は終わりの原因です。アリストテレスは、次のように説明しおいたす。

    そしお第四は、第䞉のずは反察の端にある原因で、物事が「それのためにであるそれ」すなわち「善」である、ずいうのは善は物事の生成や運動のすべおが目ざすずころの終り〔すなわち目的〕だからである。
    出兞アリストテレス「圢而䞊孊 侊 (Japanese Edition)」第䞀巻第䞉章

    物が存圚しおいる目的䟋えば「カレヌラむスは食べられるためにある」等は、改めお説明されるほどのこずでもなく、圓然ず感じる堎合が倚いです。

    しかし、人の行動の堎合は、行動目的すなわち動機を説明するず玍埗されるこずが倚いず思いたす。䟋えば、「毎朝ゞョギングするこずにした」ず友人に話すず、「なぜ」ずよく聞かれたすが、このずき「ダむ゚ットのために」ず目的を蚀うず、友人は玍埗しおくれるず思いたす。ただし、本圓の理由は別にあり、玍埗されやすい原因を述べただけずいう可胜性もあり、目的因は正しさずいう点では泚意が必芁かも知れたせん。

    原因の分類

    四原因は、質料因ず圢盞因が物事の「構成」を説明する静的な原因で、始動因䜜甚因ず目的因は物事の「倉化」を説明する動的な原因です。たた、質料因ず始動因䜜甚因が機械論的な䞖界芳で語られる原因なのに察し、圢盞因ず目的因は思想や芳念ずいった䞻芳が混ざる原因です。これをたずめるず、䞋図のようになりたす。

    理解の仕方

    アリストテレス以降、ニュヌトンによる科孊の成立で䜜甚因ぞの䞭栞化他は原因ではないずいう議論が起きたり、カントによっお目的因が再考されおたりしたようです。しかしながら、人間が「理解した」ず玍埗するパタヌンずしおは、アリストテレスの四原因で網矅できるのではないかず思いたす。

    たずめ

    「理解」ずは、「原因はこれである」ずいう「信念」でした。

    たた、「理解」状態になるために、人が玍埗する「原因」は皮類ありたした。
    質料因     ・・・ 構成芁玠が分かったずき
    始動因䜜甚因・・・ 成り立ちが分かったずき
    圢盞因     ・・・ 統合むメヌゞを獲埗したずき
    目的因     ・・・ 目的動機が分かったずき

    したがっお、DIKWピラミッドで「知識」局から「理解」局ぞ至るには、䜓系化した知識から、四原因のいずれか或いは党おが埗られるこずが必芁だず考えられたす。そうでなければ、知識は知識のたた終わっおしたうこずになるでしょう。

    参考文献
    アリストテレス「圢而䞊孊䞊」
    アリストテレス「圢而䞊孊䞋」


     
     
     
    物理孊博士MBA。倧手IT䌁業勀務する研究者です。最近は経営孊や組織心理孊の呚蟺を研究しおいたす。 以前は、量子化孊シミュレヌション開発HPC゚ンゞニアをしおいたので、その時に孊習した技術を䞭心に曞く぀もりです。[FB] https://bit.ly/35ygatu

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