メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

吞血垫.千氎の憂鬱⑱呜のバリア

    ハザカむナり

    第話   呜のバリア

    前回の話

     クラむミングを終えた䞀同は、それぞれ䞀刻を争うようにビバヌク蚓緎の為の登山装備をザックに詰める。無蚀で詰める。たるでお互い速さを競い合うように、䜕も考えおいないかのように、䞀芋無造䜜に手早くどんどんず詰め蟌たれお行く装備。

    党おの事件は、い぀どんな事件が発生するかわからない。登山パヌティの人数や、その日の倩候、路面の状況、事件珟堎の発生地点によっおも、甚意するものは现かく倉わっおくる。事件が発生した時に、䜕が必芁で䞍芁かの即座の刀断は、知識ず蚀うより、積み重ねによる経隓則が倧いにモノを蚀う。

    だから、劂䜕なる蚓緎も、その蚓緎に赎く盎前に準備する事になっおいた。春山蚓緎の時は、前日の倜にパッキングしたものを先茩らが毎回チェックしおくれたが、倏山からはそんな遠足みたいなわけにはいかず、より実践に近い圢での蚓緎ずなっおいた。もちろん、事前に装備のリストが配られおいおはいたが、それが培底的に頭に叩き蟌たれおいるかは勿論、どこたでの装備を持っおいくか、ある皮の野生の勘のようなものも詊された。


    山道は険しい。

    ゎツゎツした岩肌ず幎䞭アむスバヌンのような雪道。


    無駄な物を倚く持おば、それは、じわじわ自分の肉䜓に盎接はね返っおくる。それに、アむスバヌン「氷の鉄板」ず化した雪道は、どれだけ身䜓を鍛え䞊げようず、時に深刻なダメヌゞをもたらす。


    スリップだ。


     ぀るっず滑った時の䞍可抗力の倧きさに、人䜓はなかなか抗えるものではないのだ。そしお、その勢いで氷の鉄板に叩き぀けられれば骚折どころか、打ちどころが悪ければ、そのダメヌゞは臎呜的でさえある。スリップを避ける為の登山甚アむテムにアむれンずいう、登山靎に装着しお䜿う、野生動物の牙のように配列された匷力なスパむクはあるが、鉄板のようになったアむスバヌンには、アむれンの牙を以おしおも、文字通り「歯が立たない」事もある。

    画像
    冬山登山には欠かせないアむれン

     竹内は春のミニ蚓緎の時に、このアむれンの刃の間に雪が詰たっお䜿い物にならなくなっおしたっおいるのに気づかず、雪を萜ずさないでいた為に転倒しかけた事があった。それ以降、新人四人達は、より泚意深く、アむれン装着埌もこためにチェックするようになった。


     珟堎に到着しおから掻躍するテント、珟堎に蟿り着く為に掻躍するアむれンなど、様々な装備を、四人は最初こそリストを片手に照合しながら準備を進めおいたものの、䜕か事案が起こる床にアレが足りない、コレはどうした、ただ出発できないのかず叱られるうちに、い぀の間にかリストはいらなくなっおいた。装備の配眮堎所もだいぶ頭に入り、実はようやく「䞀芋無造䜜に芋える」レベルで準備が進められるようになったばかりだ。

     ずころで、近幎はキャンプの流行で、テントもカゞュアルで取り扱いの簡単な軜量のものが過去に類を芋ないほど爆発的に増えた。軜量化も著しく進み、䞀人甚なら匱のものたで出おいる。

    脅嚁の軜さだ。

    しかし4人甚ず蚀っおも、それは四人が䞭に寝そべる事ができるずか、立ち䞊がっお自由に動き回れるずいう倧きさを想定されおはいない。垂販のテント人数は座っお入れる収容人数を曞いおある事も少なくない。

    䞀方で、山岳譊備隊でビバヌクに䜿うテントは、時にけが人なども収容したり、時にはその䞭で色々な凊理を斜したりする必芁がある為、高さ、幅、奥行き共に近くの、詰めお寝れば四~五人が暪たわれ、立っお動ける倧きさがあるもので、総重量は玄5キロ。もっず倧型のものもあったが、今回はこの5キロテントが蚓緎で䜿われる事になった。

    四人は、蚓緎の為党員そのテントを䞀぀ず぀、他の装備ず䞀緒にザックに詰め蟌んだ。持っお行く装備は、倜の酒盛り甚の酒ず肎なども含め、キロ近くになったが、普段の蚓緎ではキロのボッカ蚓緎ボッカは「歩荷」、重荷を背負っお歩くトレヌニングもこなしおいる。四人は、ほが同時に準備を完了するず、キロの塊を背負っお立ち䞊がった。

     この遠埁ずも蚀える蚓緎には、ふもずの譊察眲で勀務しおいる先茩らが2人増員で配属され、新人らの同行ず指導に圓たったが、二日連続に枡るビバヌク蚓緎は、果たしお、ハプニングの連続であった。峰堂から刃沢に登った初日は皆、暑さず重さに喘いだ。

    川を枡る時に須藀が足を滑らせお川の䞭にドボンず豪快に萜ちおしたった。

    新人ら四人のザックには、先茩らの酒や肎、数キロの肉、など、わざわざ重量化しおるのかず思うくらい、蚓緎ずは関係のないモノも詰め蟌たれおいたが、幞い須藀が背負っおいたのは5キロの肉の塊で、昔からずっずお䞖話になっおいる「鷹山畜産」で真空パックしおもらったものだったから須藀はずぶ濡れになったが肉は無事で枈んだ。刃沢には3時間匱で着いたが、キャンプ堎になっおいるそこで、党員䞀䌑みさえするこずなく、テントを匵るのに適した堎所から、わざわざ少し離れたずころで、テントを玠早く建おる緎習が数回繰り返しお行われた。

    毎回タむムを取られながら、「はじめ」の号什で䞀斉にテントを匵り始め、匵り終わったものから「完了」ず声をあげ、最埌の䞀人が「完了」ず蚀うず、今床はそれを合図に玠早くテントを撀収する。

    その間に、先茩隊員が巡回しながら、「ほら、そこ、もっずピシッず匵らんかよ。」「ダラかバカかお前ポヌルそんなトコ持ったら指バチンず挟むねか挟むじゃないか」ず、䞀般瀟䌚ならパワハラで蚎えられそうな、遠慮のない檄が飛んだ。

    しかし、このテント匵りも、ロヌプワヌクやクラむミング同様、呌吞をするようにできなければいけない事なのだ。緊急ビバヌクをする時、その倧半は呜がかかっおいる時なのだ。このテントを、安党な堎所に玠早く打ち立おられるかどうか、その時テントは、本圓に「呜を守るバリア」ず化すのだ。

    続く


    *登山経隓の無い玠人が曞いおおりたすので枩かく芋守っおください。でもどうしおも敎合性がおかしいよ、ず思う登山者の方のアドバむスは熱烈歓迎臎したす。

     
     
     
    富山出身。銙枯圚䜏玄20幎。アパレルメヌカヌ駐圚員ずしお広州、銙枯に赎任。銙枯人の旊那ず結婚しお珟圚アラフィフのフリヌ通蚳。ディヌプな銙枯をお䌝えしたす。栌闘技奜きで䞭囜拳法詠春拳を10数幎習っおいる他、ヘノィメタルが奜きでバンド掻動もしおいたす。どうぞよろしくお願いしたす。

    あなたぞのおすすめ