
病気なのに遊んでる? うつ病休養中の"元気そう"に潜む誤解
「うつ病で休職中の○○さんが、旅行に行ってるのを見たよ」 「え、マジで? あいつ、仮病だったんじゃねーの ?」 ……もし、そんな会話が聞こえてきたら、ちょっと待ってください 。
もしかしたら、その人は「回復への道」を、一歩ずつ登っている最中なのかもしれません。今日は巷にあふれる誤解についてお話したいと思います。
※私は専門家ではありませんが、うつ病や双極性障害と共に生きてきた当事者として学んできたこと、感じてきたことをお話しします。正確な医療情報を知りたい場合は、医師や専門家にご相談いただくようお願いいたします。
調子の波は想像以上に大きいものです
うつ病や双極性障害があると、ある日は起き上がれないほど辛くても、次の日には少しだけ外に出られるように回復している……ということがよくあります。
・完全な“寝たきり状態”と“元気に外出できる状態”が一気に切り替わるわけではなく、徐々に変動しながら回復していきます
・できることが増えるタイミングで、外から見ると「活発に遊んでるようにしか見えない」となりがちです
・本人は「早くよくなりたい」という焦りから、無理をしていることも少なくありません
たとえば、普段は布団から出られなくても、薬や治療を重ねる中で「今日はちょっと気分が軽いかも」と感じる瞬間が訪れたりします。
そういう日を逃さず、少し出かけてみると「なんだ、元気に楽しそうに見えるじゃん!」と周囲から誤解されることもしばしばです。
また、本人にとっても病気になってしまったことは想定外。「良くなった気がする」と無理して遊びの予定を立ててしまい、そのために何日も寝込むこともあります。
「病気なのに遊ぶなんてずるい」という気持ち
「自分は必死に働いているのに、あの人は休んでいるくせに遊びに行っているなんて、なんだか腑に落ちない……!」
そんな怒りの声が聞こえてくることもあります。実際、ネットのコメント欄などでもよく見かけますよね。ここに潜むのは、「私だって大変なのに、あの人ばかりが得している」という思いかもしれません。
しかし、それ自体を我慢する必要はないと感じます。自分がつらいなら、そのつらさを周りに訴えることや、雇用環境を改善することが先決かもしれません。
・「私もキツイから助けがほしい」と声を上げることで、周囲のサポートが得られる場合があります
・無理をして働き続けるよりも、休むことで心身の負担を減らしながら、回復を図る選択肢も見えてきます
・収入面や生活がしんどい場合は、生活保護などの公的支援を検討することで、必要なサポートが得られるかもしれません
苦しんでいる人が、同じように苦しんでいる人と責め合うのは悲劇です。ほんの少しずつでも手を取り合えると、お互い生きやすくなるのではないでしょうか。
回復のグラデーションを見守ってほしい
うつ病も双極性障害も、よくなる過程が一直線ではありません。
・症状が重い日は誰にも会えないし、何も手につかない
・たまに意外なほど調子が良い日もあるけれど、それがまた続くとは限らない
・双極性障害の場合、躁状態で活発に動き回っているように見えても、後からしんどい期間が長く訪れることが多い
こうした浮き沈みの中で、外出したり遊んだりする日は、実は回復のためのトライアルかもしれません。もう少し長い目で見てあげると、「あの人、少しずつ頑張ってるんだな」「良くなってきたなら良かった」と感じやすくなるのではないでしょうか。
未来のために
ちょっとした寄り添いの気持ちで、お互いに分かり合えることがあります。自分がしんどいときも、周りに助けを求めてほしいですし、周りの人の回復を温かく見守る姿勢を持つことで、より穏やかな日常が訪れます。
どれだけつらいときでも、ほんの少しの優しさや理解があるだけで、過ごしやすさはずいぶん変わるものです。
人の苦しみは本人にしか分かりませんし、比べるものでもありません。でも「きっとあの人も苦しい中、頑張っているのかもな」という想像力が寛容な社会に繋がります。
休養中の方も、しんどいところで踏ん張っている方も、お互いに無理をしない範囲で気遣っていけるようになれば良いですね。
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