メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【確率論的座標系の再点検】単位元としてのリーマン球面と勾配の関係について

    以下の投稿内容の補足の様なもの。

    そもそも「勾配」とは何か?

    勾配は一般に「斜面や坂道の傾きのこと」「水平面に対する傾きの度合い、または水平方向の変化に対する水平面からの距離の比」などと表されますが、要するに斜面と水平面との角度がαである時の、その角度の正接(tangent=タンジェント)の値の事です。

    画像

    接ベクトル(Tangent Vector Space)空間を連続的に構成する微分幾何学(Differential Geometry)的思考様式の第一歩。

    ライプニッツは接線を、曲線上の無限に近い二点を通る直線として定義した。この様に曲線と接線が相接する点を接点 (英: point of tangency) と言い、曲線との接点において接線は曲線と「同じ方向へ」進む。その意味において接線は、接点における曲線の最適直線近似である。

    同様に、曲面の接平面は、接点においてその曲線に「触れるだけ」の平面である。このような意味での「接する」という概念は微分幾何学において最も基礎となる概念であり、接空間として大いに一般化される。

    上掲Wikipedia「接線」

    そもそも『微分積分』という強力な数学が400年位前に確立しました。それがどんどん応用されていき、時代が進んできたわけです。

    その中で幾何学についての理解も進み、微分積分を用いて図形の幾何学的な性質がわかるようになってきました。古典的な曲線論・曲面論は18世紀から19世紀にかけて形作られましたが、これは微分法を用いて曲線や曲面の形状についての議論がなされたことによります。

    有名な名前を挙げると、まずオイラー。オイラーは数学のありとあらゆる仕事をしていた人で、曲面の形状を把握するやり方を現在知られている形(例えば、法曲率に関するオイラーの定理)で残した人でもあります。

    その後にガウスが曲面論を著しましたが、その中に『Theorema egregium』(『驚異の定理』)が現れます。この定理は、ガウス曲率は第一基本形式によって決定されることを述べています。

    そして、リーマンはこの『驚異の定理』に基づいて、現在『リーマン幾何学』と言われる幾何学を提唱しました。オイラー、ガウス、リーマン、この3人の仕事をまずきちんと捉えることが、微分幾何学を理解する上で大切です。

    400年経った現在も魅力の褪せない内容を持っている『微分積分』が、数学の分野に限らず、物理をはじめとする様々な分野に応用されながら発展してきました。幾何学の世界にもその影響が及び、オイラーやガウスたちによる古典的な曲面論、そしてリーマンによる『リーマン幾何学』の提唱によって『微分幾何学』が誕生しました。

    上掲「微分幾何学の成り立ちを理解し、「まだ捉えきれていない何か」を探求し続けています。」

    何も難しく考え過ぎる必要はありません。三次元立体からは「平面図」「正面図」「側面図」の3個の射映が得られて、後には何も残りませんがこれにさらに複雑なパターンが存在するというだけの話。

    画像

    連続微分・連続積分を重ねても変わらない「変化量(傾き)1」は単位を持たない(単位の概念を超越した)無次元量(Dimensionless Quantity)。

    そもそもN次元直交座標系(Cartesian Coordinate System)概念自体がこの「1」が各(直交)評価軸に存在する事を前提として成立してるのです。

    上掲「等加速度運動の3公式」

    なお今回の投稿に登場するのは原則として「(微分や積分を駆使する解析学における基本中の基本)円弧(円軌道=等速円運動)に対する接ベクトル」のみですのでご安心おば。

    • 三角関数における微分と積分は以下の様な連続環を構成する。

    画像

    cos⁡(θ)微分循環{cos⁡(θ)‘=−sin⁡(θ)−sin⁡(θ)‘=−cos⁡(θ)−cos⁡(θ)‘=sin⁡(θ)sin⁡(θ)‘=cos⁡(θ),\cos(θ)微分循環\left\{ \begin{array}{ll} \cos(θ)^`=-\sin(θ) \\ -\sin(θ){}^`=-\cos(θ) \\ -\cos(θ)^`=\sin(θ) \\ \sin(θ){}^`=\cos(θ) \end{array}\right. ,

    sin⁡(θ)微分循環{sin⁡(θ)‘=cos⁡(θ)cos⁡(θ)‘=−sin⁡(θ)−sin⁡(θ)‘=−cos⁡(θ)−cos⁡(θ)‘=sin⁡(θ),\sin(θ)微分循環\left\{ \begin{array}{ll} \sin(θ){}^`=\cos(θ) \\ \cos(θ)^`=-\sin(θ) \\ -\sin(θ){}^`=-\cos(θ) \\ -\cos(θ){}^`=\sin(θ) \end{array}\right. ,

    cos⁡(θ)積分循環{∫cos⁡(θ)dθ=sin⁡(θ)+c∫sin⁡(θ)dθ=−cos⁡(θ)+c∫−cos⁡(θ)dθ=−sin⁡(θ)+c∫−sin⁡(θ)dθ=cos⁡(θ)+c,\cos(θ)積分循環\left\{ \begin{array}{ll} \int\cos(θ)dθ=\sin(θ)+c \\ \int\sin(θ)dθ=-\cos(θ)+c \\ \int-\cos(θ)dθ=-\sin(θ)+c \\ \int-\sin(θ)dθ=\cos(θ)+c \end{array}\right. ,

    sin⁡(θ)積分循環{∫sin⁡(θ)dθ=−cos⁡(θ)+c∫−cos⁡(θ)dθ=−sin⁡(θ)+c∫−sin⁡(θ)dθ=cos⁡(θ)+c∫cos⁡(θ)dθ=sin⁡(θ)+c,\sin(θ)積分循環\left\{ \begin{array}{ll} \int\sin(θ)dθ=-\cos(θ)+c \\ \int-\cos(θ)dθ=-\sin(θ)+c\\ \int-\sin(θ)dθ=\cos(θ)+c\\ \int\cos(θ)dθ=\sin(θ)+c \end{array}\right. ,

    • これは物理学でいうと「位置ベクトルと速度ベクトルが可換」の場合に該当する。

    画像
    画像
    • ご覧の様に線形代数的にいうと「回転行列で90度回転させた場合」に該当する。

    微分の回転行列[cos⁡(π2)−sin⁡(π2)sin⁡(π2)cos⁡(π2)]=[0−110]微分の回転行列\begin{bmatrix} \cos(\frac{π}{2}) & -\sin(\frac{π}{2}) \\ \sin(\frac{π}{2}) & \cos(\frac{π}{2}) \end{bmatrix}= \begin{bmatrix} 0 & -1 \\ 1 & 0 \end{bmatrix}

    積分の回転行列[cos⁡(π2)sin⁡(π2)−sin⁡(π2)cos⁡(π2)]=[01−10]積分の回転行列\begin{bmatrix} \cos(\frac{π}{2}) & \sin(\frac{π}{2}) \\ -\sin(\frac{π}{2}) & \cos(\frac{π}{2}) \end{bmatrix}= \begin{bmatrix} 0 & 1 \\ -1 & 0 \end{bmatrix}

    【補足】「ハミルトンの四元数」とは何か?

    「円盤/球面上においては距離ベクトルと速度ベクトルが可換」とは、例えば「赤道線の円周距離が40kmの小惑星上における時速10kmでのドライブ(2時間で半周、4時間で1周)」に該当する訳ですが、実は同じ対蹠に辿り着く方法が3通りあったりします。

    画像
    • i方向に真っ直ぐ2時間走り続ける(i2=−1i^2=-1)

    • i方向に1時間走ったらj方向に右折、もう1時間走ったらk方向に左折してあと1時間走る(i(+j)(+k)=−1i(+j)(+k)=-1)

    • i方向に1時間走ったらj方向に左折、もう1時間走ったらk方向に右折してあと1時間走る(i(−j)(−k)=−1i(-j)(-k)=-1)

    「最初に右折したら次は左折」「最初に左折したら次は右折」この全パターンを数式で網羅するとこうなります。

    i2=j2=k2=ijk=−1i^2=j^2=k^2=ijk=-1

    ij=k,jk=i,ki=jij=k,jk=i,ki=j

    ji=−k,kj=−i,ik=−jji=-k,kj=-i,ik=-j

    虚数ijkそれぞれの共役数±i,±j,±kを三次元座標系(±x,±y,±z)に対応させると自明の場合としてこうなる訳ですが、ここで1次元的発想からちゃんと抜け出さないと「(計算の順番を問わない)可換性が崩れた!!」と大騒ぎする羽目に。そして、この考え方こそがまさに「ハミルトンの四元数」概念の出発点となる訳です。

    リーマン球面と斉次座標系

    ところで数聖ガウス(Carolus Fridericus Gauss,1777年~1855年)は無限遠点を「任意の原点(観測原点)から放射線状に伸ばされる垂線(観測線)が全て接ベクトル(観測対象)と直行し、互いに平行となる地点」と規定しました。しかしながらこの特徴、「中心から下された任意の
垂線が全て円弧と直行する」円の性質と重なってきます。いわゆる極座標系と直交座標系の連続性を考える上でも欠かせない考え方…

    画像

    ここでtan(0)=0の場合とtan(π2)=∞~tan({\frac{π}{2}})=\tilde{∞}を一対の対蹠とする球面座標系をイメージしてみると(ステレオグラフ射影)、加法群(整数直線)と乗法群(指数関数)と円周群(複素平面)を単一の単位元として統合するリーマン球面が得られるのです。

    画像

    さらにタンジェントの概念を複素数で拡張したのがメビウス変換。

    画像

    この考え方では互いに可換な加法群と乗法群と円周群の任意の組み合わせが選べるので、それを利用して正比例と反比例の関係を以下の様に連続する形でイメージする事も可能だったりします。

    画像

    そしてこの様な考え方に合わせ、二次元直交座標系(x1,x2)(x_1,x_2)に(赤道面で1、対蹠それぞれで0と∞~\tilde{∞}となる)勾配x0x_0の概念を付加して(x1x0,x2x0)(\frac{x_1}{x_0},\frac{x_2}{x_0})と解釈したのが斉次座標系(Homogeneous Coordinates)(x0,x1,x2)(x_0,x_1,x_2)(ただしx0≠0x_0≠0)となる訳です。

    簡単にここまでの全体像を要約すると…

    • 水平角度θと垂直角度φの組み合わせで表される様な球表面上の座標系(半径を同じくする点集合)は、いずれもまず赤道線上の円弧をcos(θ)とsin(θ)で表す事から出発する。

    画像
    • なお、ここで用いた単位元概念は「複素数概念を導入した対数関数」のそれにも対応する。

    画像
    • 問題は垂直角度φをどう表すかで、リーマン球面や斉次座標系はtangent(φ)の概念を導入した。実はより直感的に「円上におけるcos(φ)~\tilde{cos(φ)}の長さで表す」方法もあるが、その位置が「北半球」か「南半球」かまた別の形で区別せねばならないという問題が発生する。

    画像
    • 一方、リーマン球面や斉次座標系はそもそもその歴史上「(平面上に無限に広がる)複素平面をどう無限円転と関連付けるか?」なる動機から出発しており、その関心の持ちかたは電磁気学における無限遠点概念とも重なってくるので次第に主流の座を勝ち取っていったという次第。

    四元数的回転とナブラ演算子における「勾配」

    上で既に「円/球面についての微分積分概念」をアフィン変換、すなわち線形代数的回転操作と対応させています。

    さらに近年は「ハミルトンの四元数」が宇宙船やドローンの制御だけでなくゲームプログラミングの世界でも復権を果たしましたが「フルスペック」ではない模様(式にθ2\frac{θ}{2}が登場する理由は鏡像反転の場合と同じ)…

    まず抑えておきたいのは、クォータニオンは回転のために存在する概念ではないということだ。複素平面の3次元拡張として生まれたものであり、それがたまたま回転表現に便利だった、ということ。実際、回転のために使用されるクォータニオンは単位クォータニオンであり、直交変換に特化した特別なクォータニオンだ。

    くどいようだけど、回転じゃないクォータニオンが普通なのであって、それを回転に使用するように特化しちゃおう、ということ。たいていの人にとって、普段計算機で使っているクォータニオンは回転に特化されているはずだ。(例えば効率のために計算アルゴリズムが簡略化されている)

    上掲「クォータニオンで回転を表現する定義にθ/2が使用される理由」

    A=(nxsin(θ2),nysin(θ2),nxsin(θ2),cos(θ2))A=(n_xsin(\frac{θ}{2}),n_ysin(\frac{θ}{2}),n_xsin(\frac{θ}{2}),cos(\frac{θ}{2}))

    • こういう「便利だから部分導入」アプローチは∇演算による勾配(∇f=grad f:四元数の傾き)、発散(∇・A=div A:四元数の内積部)、回転(∇xA=rot A:四元数の外積部)を求める計算にも出てきます。

    画像

    ①まずはナブラ演算を∇≡i∂∂x+j∂∂y+k∂∂z∇ \equiv i\frac{∂}{∂_x}+j\frac{∂}{∂_y}+k\frac{∂}{∂_z}あるいは∂x=∂∂x,∂y=∂∂y,∂z=∂∂z ∂_x=\frac{∂}{∂_x},∂_y=\frac{∂}{∂_y},∂_z=\frac{∂}{∂_z}と置いて∇≡i∂x+j∂y+k∂z∇ \equiv i∂_x+j∂_y+k∂_zと定義する。

    ②任意の空間座標r=(x,y,z)の関数Xの値域X(r)として定まる量を場(field)という。この時(スカラー量が空間座標rの関数として与えられる)スカラー場ψ(r)にナブラ演算子∇を作用させた結果としての(ベクトル量が空間座標rの関数として与えられる)ベクトル場α(r)=勾配(gradient)∇ψ=i∂xψ+j∂yψ+k∂zψ=i∂ψ∂x+j∂ψ∂y+k∂ψ∂z∇ψ=i∂_xψ+j∂_yψ+k∂_zψ=i\frac{∂ψ}{∂_x}+j\frac{∂ψ}{∂_y}+k\frac{∂ψ}{∂_z}

    ③ベクトル場α(r)に「内積の様に」作用させた結果としてのスカラー場ψ(r)=発散(devergence)∇・α=∂xαx+∂yαy+∂zαz=∂αx∂x+∂αy∂y+∂αz∂z∇・α=∂_xα_x+∂_yα_y+∂_zα_z=\frac{∂α_x}{∂_x}+\frac{∂α_y}{∂_y}+\frac{∂α_z}{∂_z}

    ④ベクトル場α(r)に「外積の様に」作用させた結果としてのベクトル場α(r)=回転(rotation)∇×α=i(∂yαz−∂zαy)+j(∂zαx−∂xαz)+k(∂xαy−∂yαx)=i(∂∂yαz−∂∂zαy)+j(∂∂zαx−∂∂xαz)+k(∂∂xαy−∂∂yαx)∇×α=i(∂_yα_z-∂_zα_y)+j(∂_zα_x-∂_xα_z)+k(∂_xα_y-∂_yα_x)=i(\frac{∂}{∂_y}α_z-\frac{∂}{∂_z}α_y)+j(\frac{∂}{∂_z}α_x-\frac{∂}{∂_x}α_z)+k(\frac{∂}{∂_x}α_y-\frac{∂}{∂_y}α_x)

    ⑤ちなみにスカラー場ψ(r)の勾配(grad.)∇ψの回転(rot.)∇×(∇ψ)=0(無次元量だからベクトル成分を持たない)、ベクトル場α(r)の回転(rot.)∇×αの発散∇・(∇×α)=0(互いに直交してるから内積0)、スカラー場ψ(r)の勾配(grad.)∇ψの発散(dev.)∇・(∇ψ)はラプラス演算子(ラプラシアン)∇2≡∇・∇=(∂2∂x2+∂2∂y2+∂2∂z2)∇^2 \equiv ∇・∇=(\frac{∂^2}{∂_x^2}+\frac{∂^2}{∂_y^2}+\frac{∂^2}{∂_z^2})を用いて∇2ψ∇^2ψ、ベクトル場α(r)の回転∇×αの回転∇×(∇×α)=∇(∇・α)−∇2α∇×(∇×α)=∇(∇・α)- ∇^2α、そしてラプラシアンはスカラー微分演算子なのでこれをベクトル場α(r)に作用させると成分それぞれに働いて∇2α=i(∇2αx)+j(∇2αy)+k(∇2αz)∇^2α=i(∇^2α_x)+j(∇^2α_y)+k(∇^2α_z)となる。もはや数学というより物理演算の世界?

    まとめると…

    画像

    勾配(Grad)についての直感的イメージ

    (答えがスカラー量となる)スカラー関数を渡され、無次元量ベクトル(比率)を出力します。上掲の四元数同士の掛け算における「実数部」? そしてこのベクトル量にはどんな意味が? まずは一次元の場合について。

    画像

    上のグラフの関数が山の断面だったとすると,山の頂上方向を向くベクトルが勾配ということになり,その傾きが急であればあるほどベクトルの大きさは大きくなります。

     上掲「ベクトル解析:勾配と発散と回転」

    次いで二次元の場合。

    画像

    (山の地形などは緯度と経度という2つの変数を決めれば標高が決まることから,よく2変数関数の例として用いられます)。

    この図のように,最大値をとる場所(山で例えれば山頂)があったときに,ある場所(𝑥0,𝑦0)における勾配ベクトルは図のように定まります。言葉で書くなら,

    ●向きは最大傾斜方向
    ●各成分の大きさは各方向の「傾き」

    となります。最大傾斜方向とは,その場所から少し動こうとしたときにもっとも曲面の傾きが急な方向という意味です。つまり,この勾配は高校数学で習った微分=傾きという考え方を2次元以上の場合に拡張している訳です。

    上掲「ベクトル解析:勾配と発散と回転」

    • 「地図でいうと等高線が一番詰まってる方角が勾配の向き」なる表現もしばしば見掛ける。

    等高線が疎になっている箇所はそこが緩斜面であることを、密になっている箇所は急斜面であることを示している。等高線では表せない箇所は崖の記号で表される。高い方から見て、等高線が凸状に描かれている箇所は尾根を、凹状に描かれている箇所は谷を示す。

    上掲Wikipedia「等高線」
    • 三次元ラプラス分布で考えると話は単純化される。①「最大値を取る点(標高が最も高い地図上の場所)=円の中心」なので勾配の方向が自明の場合として一意に定まる。②極座標系で考えられるから「水平面上のベクトル=半径」と考えられる。

    画像


    三次元座標系における勾配概念は、こうした考え方の延長線上に現れるという訳ですね。「カンブリア爆発期(5億4200万年前~5億3000万年前)に授かった視覚と視覚情報を処理する脊髄の末裔で考える」我々人類が立脚する三次元直交座標系上にはもはや図示不可能な世界へと突入…

    発散(Divergence)についての直感的イメージ

    ベクトル量を渡されてそのベクトルの内積(スカラー量)を出力します。上掲の四元数同士の掛け算における「対角成分」。このスカラー量にはどんな意味が?

    画像
    • ∇・A⃗>0∇・\vec{A}>0ならA⃗\vec{A}が湧き出る所がある。

    • ∇・A⃗>0∇・\vec{A}>0ならA⃗\vec{A}を吸い込む所がある。

    • ∇・A⃗=0∇・\vec{A}=0ならならA⃗\vec{A}の出入りは一定⇒保存。

    ベクトル場を何かの流れだと意識すると,発散はあるエリアから外に向かって出ていく量を表していることがわかりますね。

    上掲「ベクトル解析:勾配と発散と回転」

    ここで2次元の場合の内積の計算方法を思い出してみましょう。

    画像
    • θ=π2θ=\frac{π}{2}の時、すなわちa⃗\vec{a}とb⃗\vec{b}が直交する時、内積は0→これが「保存」

    • θ=0θ=0の時、すなわちa⃗\vec{a}とb⃗\vec{b}が完全に同方向を向いている時、内積は∣a∣∣b∣|a||b|→これが「湧き出し」

    • θ=πθ=πの時、すなわちa⃗\vec{a}とb⃗\vec{b}が完全に正反対を向いている時、内積は−∣a∣∣b∣-|a||b|→これが「吸い込み」

    こうして全体像を俯瞰してみると「内積なるもの」がある種の単位元の様に見えてきますね。

    回転(Rotation)についての直感的イメージ

    ベクトル量を渡されてそのベクトルの外積(ベクトル量)を出力します。上掲の四元数同士の掛け算における「非対角成分」。このベクトル量にはどんな意味が? まずは「回転してないベクトル場」について見てみましょう。

    画像

    (1) A⃗\vec{A}=(𝑦,𝑥)…回転を計算してみると[∇・A⃗]z=∂x∂x−∂y∂y=1−1=0[∇・\vec{A}]_z=\frac{∂x}{∂x}-\frac{∂y}{∂y}=1-1=0
    (2)A⃗\vec{A} =(sin𝑥,cos𝑦)…𝑥成分が𝑥だけの関数,𝑦成分が𝑦だけの関数なので偏微分がゼロ=回転はなし。回転で出てくる偏微分は𝑥成分の𝑦微分など異なる文字同士の微分でなければならない。
    (3) A⃗\vec{A}=(2𝑥,𝑦)…(2)と同様の理由でゼロに。
    (4) A⃗\vec{A}=(2,1)…定数ベクトル関数なので至る所同じ値となり微分がゼロとなる=回転はなし。

    この(1)~(4)のベクトル場はどれも回転を持ちません。特に(1)と(2)なんかは向きが曲がっていますから回転しているように見えますが,計算上ベクトル場の回転はゼロになります。𝑧成分はゼロなので描いていません。

    上掲「ベクトル解析:勾配と発散と回転」

    それでは「回転している場」とは?

    画像

    (1) A⃗\vec{A} =(−𝑦,𝑥)

    (2) A⃗\vec{A} =(−𝑦𝑒^𝑟,𝑥𝑒^𝑟)(𝑟=𝑥2+𝑦2\sqrt{𝑥^2+𝑦^2})

    (3) A⃗\vec{A} =(sin𝑦,cos𝑥)

    (4) A⃗\vec{A} =(0,2𝑥)

    (1)~(3)は見た目がぐるぐる回って見えますね。このようなベクトル場は回転を持ちます。(4)は一見回転が無いようにも思えますが,右半分が上方向に,左半分が下方向に行くことで反時計回りの回転が生まれています。なお(1)と(4)の回転は計算結果がともに2。ベクトル場自体は異なってもその「回転の度合い」は同じと言えます。また,

    ●回転が正…反時計回り
    ●回転が負…時計回り

    にベクトル場が回転します。高校数学のときから反時計回りを正とすることが常だと思いますが,回転でも同様の定義の仕方となります。

    上掲「ベクトル解析:勾配と発散と回転」

    なお(2)のベクトル場(−𝑦𝑒𝑥2+𝑦2,𝑥𝑒𝑥2+𝑦2)(−𝑦𝑒^{\sqrt{𝑥^2+𝑦^2}},𝑥𝑒^{\sqrt{𝑥^2+𝑦^2}})の場合が気になってChatGPTに投げてグラフ化してみました。

    画像
    • 初手はx=0,y=0で原点(0,0)。

    • x=y=±1の時、絶対値2\sqrt{2}のベクトルが4本。以降は原点の周りを反時計回りに回転しながら、外側に行くほど急激に大きくなっていく。

    ついでに(3)(sin𝑦,cos𝑥)の場合も見てみましょう。

    画像
    • ベクトルの向きがxとyに応じて周期的に変化し、全体が波打つような模様を描く。

    「勾配」概念なるもの、こういう風にも拡張されるという話。
    そんな感じで以下続報…

     
     
    名乗るほどでもないインターネットと路上の観察者。

    あなたへのおすすめ