
境界線の灯り
「自分を大切にしよう」
その言葉が 街にあふれている
傷ついた心を守るための
優しいお守りだったはずなのに
いつの間にか 誰かを傷つけるための
身勝手な盾に変わってはいないか
悲しい居直りが 正しさの顔をして歩く
「これが私だから」と 刃を振り回し
「私を大事にしてくれない」と 誰かを責める
だけど 忘れてはいないか
その手にあるものは 自己愛ではなく
ただの「八つ当たり」という名の加害だと
「自身を大事にする事と
他者を軽んじたり害を与える事は
決して 同じではない」
溢れ出る涙を そっと拭うこと
心の痛みに じっと耳を澄ますこと
それは 自分を癒すための内なる祈り
けれど その痛みを外へと投げつけ
周りの景色を めちゃくちゃに汚すことは
大切なものを 雑に扱っているのと同じこと
個人の感情を大切に扱う事と
感情を垂れ流す事は
決して 同じではない
自分を愛せる人だけが
他者を想い推し量ることができる
それは 誰の足も踏みにじらない
静かで 確かな自律の光
心の檻をひらいて
ただ感情をぶちまける子供のままでいるな
本当の調和は
自分を統べる その気高さのなかにしかない