
パーティーはいつか終わる《2》【#創作大賞2025】
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最終出勤を終えて、青羽さんから事前に伝えられていた住所に到着した私は、先ほどから何度も辺りを見回している。
〈あの、集合場所の住所間違っていませんか〉
不安を覚えた私は、念のため青羽さんに確認の連絡を送る。するとすぐに青羽さんから返信が来た。
〈いえ。再確認しましたが、間違いありません〉
〈この『ブッダ シブヤ クラブ』というお店で間違いないでしょうか〉
〈はい、それです! お手数ですが、受付でお名前をお伝えください〉
私はスマホから一旦顔を上げて、目の前の店を改めて確認する。雑居ビルが立ち並ぶ大通りから一本入った裏道に突如として現れる、巨大な黒いキューブ型の建物。エントランスの真上に掲げられた『Buddha Shibuya CLUB』というロゴが真っ赤なライトで煌々と縁取られていて異様な存在感を放っている。エントランスのガラス扉には『DJ』や『ラッパー』という単語が目立つ大きなポスターやフライヤーが一面に貼られていて、真っ暗な店内からはズンズンと重低音が聞こえていた。
これまでの人生で一度も足を踏み入れたことがない私でも、ここが店名にあるとおりの”クラブ”という類の店だと分かった。けれども、青羽さんが今日私を誘った理由も、そしてよりにもよってクラブをチョイスした理由も、私には全く分からない。
会社の昼休み。退職の挨拶も兼ねて菓子折りを部署の人たちに手渡しで回っていた時に、青羽さんとぎこちない会話をしたことを思い出す。