
恋人の家でだけ、ちゃんと眠れる
どこにいても「何かしないと」
白状すると、私は休みの日に、自分のアパートで一日過ごしたことがない。
社会人になって2年、一度もない。
理由を考えてみたら、うちのアパートは会社から徒歩3分だった。
私はここを「会社のための寮」として使っている。
だから休みの日にいると、休んでいる気がしない。体は家にあるのに、心はずっと出勤前みたいな姿勢のままだ。
じゃあ実家ならと思うけど、実家は実家で息が詰まる。何かしないと。手伝わないと。ちゃんとした娘でいないと。そう思い始めると、眠りが浅くなる。
気づけば私は、どこにいても「何かしないと」と思っていた。
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起こされない朝
恋人の家に行くのだって、正直、腰は重い。準備をして、荷物をまとめて、移動して。行くまでは大変だ。
でも着いてしまえば、あの家には不思議な自由がある。
どんなに寝ても、起こされない。
皿も洗わなくても怒られない。ちゃんとしなくていい。
先日、体調を崩しかけていたのに、そこで眠ったら嘘みたいに回復した。荷物を持っただけで息が切れていた体が、だ。薬を飲んだわけでも、特別なことをしたわけでもない。ただ、安心して眠っただけ。
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疲れじゃなくて、警戒だった
それで分かったことがある。
私の眠りを浅くしていたのは、疲れじゃなくて警戒だったんだと思う。
「何かしないと」と思っている間、体はずっと薄く緊張している。実家でも、自分のアパートでも、会社でも。スイッチを完全には切れないまま横になるから、何時間寝ても回復しきらない。
恋人の家では、そのスイッチが切れる。誰にも起こされず、何も求められず、ただ眠っていい場所。私に必要だったのは睡眠時間じゃなくて、**警戒を解いて眠れる場所**だった。
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回復できる場所を、自分の手に

ただ、ここで終わらせたくない。
恋人の家が回復の場所なのは、ありがたくて、ちょっと危うい。だってそれは、他人の家だから。私の回復が、誰かの家にしかないのは心もとない。
だから次の目標は、**自分の生活の中に「何もしなくていい場所」を作ること**だと思っている。徒歩3分の寮みたいな部屋を、少しでも「会社から切り離された私の家」に変えること。もしくは、月に1日、家でも実家でもない場所で眠ること。
「何かしないと」を脱ぐ練習を、私はまだ始めたばかりだ。
でもとりあえず、今週もよく眠れた。それだけで、月曜の私は少しだけ強い。
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