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今夜、どうしたら眠れる?                眠れないときに試してほしい「5つの小さな習慣」



「朝の光が大切」
「運動をしましょう」
「スマートフォンを控えましょう」

どれも間違いではありません。

でも、本当に眠れずに困っている人が知りたいのは、

「では、今夜は具体的にどうしたらいいの?」

ということではないでしょうか。

薬局で睡眠について相談を受けるとき、私は「何時間眠れましたか」だけでなく、夕方以降の過ごし方、昼寝、飲酒、布団に入る時刻、夜中に目覚めた後の行動まで確認します。

眠れない原因は、夜だけにあるとは限らないからです。

今夜から試せる順番を、できるだけ分かりやすくまとめます。

①  朝は、眠れなくても同じ時刻に起きる

少し意外かもしれませんが、夜の眠りを整える第一歩は「朝」にあります。

昨夜あまり眠れなかったからと昼近くまで寝ていると、その日の夜に必要な眠気がたまりにくくなります。

まずは毎朝、ほぼ同じ時刻に起きる。
休日も、大きくずらさない。

起きたらカーテンを開け、窓際で朝の光を浴びます。曇りの日でも、室内照明より屋外のほうが明るいため意味があります。

朝の光が目に入ると、体内時計が朝に合わせ直され、夜に自然な眠気が起こる準備が始まります。

眠れなかった朝ほど、布団の中で一日を始めない。

顔を洗って、温かいものを飲み、少しでも朝食をとる。

それが、次の夜を変える最初の一歩です。

②  昼寝は、遅い時間まで引き延ばさない

眠れなかった翌日は、当然眠くなります。

昼寝をしてはいけないわけではありません。つらいときは、午後の早い時間に15~20分ほど休むと、頭がすっきりすることがあります。

ただし、夕方に長く眠ってしまうと、せっかくたまった眠気をそこで使ってしまいます。

夕食後、ソファでうとうとする。
テレビを見ながら1時間眠る。

その後で布団に入っても眠れないのは、身体がおかしくなったからではありません。眠気を先に使ってしまった可能性があります。

眠気は、一日かけて少しずつたまるものです。

夜まで眠気を残しておく。

この考え方を知っているだけでも、過ごし方が変わります。

③  眠る1〜2時間前から、家の中を「夜」にする

身体は、急に眠りへ切り替わることができません。

眠る前まで明るい部屋でテレビを見て、スマートフォンで次々と情報を読み、時間になったから電気を消す。

それでは、身体は横になっていても、脳はまだ昼間の続きです。

就寝の1~2時間前になったら、少しずつ「今日を終える準備」を始めます。

照明を一段暗くする。
スマートフォンを顔の近くで見続けない。
明日の予定や心配事は紙に書いて、いったん閉じる。
入浴は、熱い湯で長時間ではなく、心地よい温度で身体を温める。

「何時に眠るか」より、「何時から静かに過ごすか」を決めるほうが実行しやすいものです。

例えば、23時に床へ入るなら、21時30分からは仕事や難しい考え事を終える。

毎晩同じ音楽を流す。
同じ香りのハンドクリームを使う。
同じ本を数ページ読む。

身体に「この後は眠る時間ですよ」と知らせる、自分だけの合図をつくります。

特別な道具は必要ありません。

毎晩、同じ小さな行動を繰り返すことが大切です。

④眠くなってから布団に入る

「明日は早いから」と、眠くないのに早く布団へ入っていませんか。

眠れない人ほど、睡眠時間を確保しようとして長く寝床にいる傾向があります。

しかし、布団の中で眠れずに考え事をする時間が長くなると、脳は布団を「眠る場所」ではなく、「焦る場所」と覚えてしまいます。

時計の時刻だけで床に入らず、

あくびが出る。
まぶたが重い。
同じ文章を何度も読み返す。

そんな眠気の合図が出てから布団へ入ります。

そして、布団に入ったら、眠ろうと力を入れないこと。

息を吸うことより、ゆっくり吐くことを意識します。

「眠らなければ」ではなく、
「横になって身体を休ませよう」

それで十分です。

睡眠は、自分で捕まえにいくものではありません。

身体が眠れる状態になったとき、あとからついてくるものです。

⑤  眠れないままつらくなったら、一度布団を出る

ここが、いちばん知っておいてほしいことです。

眠れないからといって、何時間も布団の中で頑張る必要はありません。

しばらく横になっても眠気が来ず、焦りや苛立ちが強くなってきたら、一度布団を出ます。

ただし、明るい照明はつけません。
時計を何度も確認しません。
スマートフォンでニュースやSNSを見続けません。

暗めの部屋で、静かなことをします。

難しくない本を読む。
穏やかな音声を聴く。
温かいノンカフェイン飲料を少量飲む。
椅子に座って、ゆっくり息を吐く。

眠気が戻ってきたら、布団へ戻ります。

まだ眠れなければ、また同じようにします。

「布団を出たら、ますます眠れなくなるのでは」と心配になるかもしれません。

けれど目的は、布団を“眠れずに苦しむ場所”にしないことです。

布団に入る。
眠れずにつらくなる。
いったん離れる。
眠気が来たら戻る。

この繰り返しによって、身体は少しずつ「布団に入ると眠る」という感覚を取り戻していきます。

今夜のために、これだけ覚えてください

今夜、全部を完璧に行う必要はありません。

まずは次の流れだけで十分です。

朝同じ時刻に起きる。
夕方のうたた寝を避ける。
眠る前は照明と情報を減らす。
眠くなってから布団に入る。
眠れずにつらくなったら、一度布団をでる。

そして、夜中に時計を見ても、残り時間を計算しないでください。

「あと4時間しかない」と考えると、その瞬間から睡眠が課題になります。

時計は伏せておきましょう。

何時か分からなくても、朝はちゃんと来ます。

カフェインとお酒にも、落とし穴があります

夕方以降は、コーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、栄養ドリンクにも注意します。

カフェインの影響には個人差があり、敏感な方では就寝の5~6時間前から控えたほうがよいとされています。

寝酒にも注意が必要です。

お酒を飲むと早く眠れることがありますが、睡眠の後半が浅くなり、夜中に目覚めやすくなります。

「寝つきはよいのに、2時や3時に必ず目が覚める」という方は、夕食後の飲酒が関係していないか、一度記録してみてください。

眠るために飲酒している場合は、お酒を睡眠薬の代わりにせず、医師や薬剤師へ相談してください。

それでも眠れないときは、努力不足ではありません

これらを試しても眠れないことはあります。

強いいびきや呼吸停止。
脚のむずむず感。
痛み、動悸、息苦しさ、頻尿。
更年期症状。
強い不安や気分の落ち込み。

別の原因が眠りを妨げている場合、生活習慣だけで解決しないことがあります。

不眠が長く続く、日中の仕事や運転に支障がある、眠ることが怖くなっている。

そのようなときは、我慢を続けず医療機関へ相談してください。

睡眠薬を服用している方は、自己判断で増量、減量、中止をしないでください。

眠れない夜まで、頑張らなくていい

50代まで生きてきた身体には、その人にしか分からない疲れがあります。

仕事の疲れだけではありません。

家族を心配した疲れ。
言いたいことを飲み込んだ疲れ。
自分のことを後回しにしてきた疲れ。

昼間は平気な顔をしていても、夜になって心がほどけたとき、それらが一度に浮かんでくることがあります。

そんな夜にまで、

「早く眠りなさい」
「明日も頑張りなさい」

と、自分を追い立てなくてよいのです。

眠れないときは、こう言ってあげてください。

「今日は、ここまででいい」
「眠れなくても、休むことはできる」
「明日のことは、明日の私に任せよう」

眠りを完璧にすることが目的ではありません。

明日のあなたが、少しでも穏やかに一日を始められること。

それが、眠りを整える本当の目的です。

今夜、この記事を思い出していただけたら、まず時計を伏せてください。

そして、ゆっくり息を吐いてください。

眠れなくても、自分を責めない。

そこから、あなたの眠り直しは始まります。

焦らず、比べす、あなたのリズムで。

YAP Bloom
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。不眠が続く場合や日常生活に支障がある場合は、医師・薬剤師などへご相談ください。

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参考資料
・厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2023年、2024年9月18日一部修正)
・厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」(2025年6月1日更新)
・日本睡眠学会「睡眠障害の治療」(閲覧日:2026年8月16日)
・国立精神・神経医療研究センターほか「不眠症に対する認知行動療法の有効な要素を解明」(2024年1月18日)


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