
僕からおはようの言葉が消えた日
僕が高校の寮生活を始めて最初に教えられた掟は、先輩が方に対するあ朝昼晩の挨拶。それも、ちょとどころかかなり風変わりな、はっきり言ってここの寮で僕は三年間暮らすのかと、マジで憂鬱になったのを覚えている。
その挨拶だが、まず朝は「ぞうーす」・昼は「ちわー」そして晩は「んばー」まさに「何言ってんだこの先輩」と心の中で思いっきり突っ込みを入れてはいたが、そこはまだ新参者の身なので、あくまで従順な振りをして、先輩のマネをしながらも頭の中では、この伝統ある?男子寮の挨拶は如何にして生まれたのか、ふと考えていたら、思いのほか早く自分なりの結論を導き出していた。
まず朝の挨拶は、お早うございますの早(そう)とございますの(す)を取って「そうーす」でもなんかソースみたいでおかしいので、(そ)に濁点をつけて「ぞうーす」次に、昼の挨拶はこんにちはの(ちわ)を取って「ちわー」最後に晩の挨拶は、こんばんはの(んば)を取って「んばー」まさにこうして考えるとあまりにも安直な発想ではあるが、以外と真実は簡単でシンプルなものかもしれない。しかし、当時の僕が先輩対して挨拶の成り立ちについて聞ける訳もなく、また、今となっては確かめるすべもないので、非常に残念に思っている次第である。
また、この挨拶にはルールがあり、寮内では声を小さくして立ち止まり挨拶をして、寮の外では先輩の姿を見つけたら、ところ構わず大声で挨拶をし
先輩が手をあげて合図するまでは挨拶を連呼し頭を下げるという、まさに宝塚か昭和の時代の体育会系のような厳しいルールであった。
最初は私を含め、一年生は羞恥心が先に立っていたが、慣れとは恐ろしい物で、次第に羞恥心もなくなり、通学路であまりにも大きな声で挨拶を連呼していたところ、一部の先輩方から、恥ずかしいから大声を出すなと言われ
ついに僕たちが三年生になった頃には、この伝統的な挨拶はなくなり、僕がおはようの言葉を取り戻した瞬間でもあった。
今となっては懐かしい思い出ではあるが、挨拶はやっぱり普通にシンプルな方が良いと思う。