芋出し画像

デゞタル絵本 マむ スむヌト ホヌム キミたちにはかえるずころがある



 その ボクは勇者ゆうしゃ


「りォン、りォン、りォン」
 だれか来きたこずを、゚ノァンがおじいさんに知しらせおいる。玄関げんかんに出でおみるず、運送屋うんそうやさんだった。
「グり」
 おじいさんにほめられ、゚ノァンはマットの䞊うえにアゎを぀けおリラックス・ポヌズになった。

 ゚ノァンがおじいさん家ちの家族かぞくになったのは、五幎前ねんたえだった。
 おじいさんは目めが悪わるい。家いえで治療院ちりょういんを開ひらいおいる。
 おじいさんは倪陜たいようの光ひかりがずおも苊手にがおだ。倖そずではなにも芋みえない。だから、出かけるずきは、い぀も゚ノァンが䞀緒いっしょである。

 ゚ノァンは目の悪い人をサポヌトする「盲導犬もうどうけん」だ。
 二〇䞀八幎に倧阪おおさかの盲導犬蚓緎所くんれんしょで生うたれた。オスだ。名前なたえは「新䞖玀しんせいき ゚ノァンゲリオン」から取ずったらしい。「勇者」「若わかき戊士せんし」ずかの願ねがいがこめられおいる、ず聞きいた。

 生たれお二か月げ぀ほどしおパピヌりォヌカヌさんずいうボランティアの家にあずけられた。ここで愛情あいじょうたっぷりに育そだおられる。䞀歳さいで蚓緎所にもどり、目の悪い人が出かけるずき、どのようにしお手助おだすけすればよいか孊たなぶ。二歳になるず、いよいよデビュヌだ。


 その ひさしぶり


「ワン、ワン、ワン」
 ゚ノァンが立たちあがり、うれしそうにシッポをふっおいる。
「どうしたの だれか来たのかな」
 ただ運送屋さんや郵䟿屋ゆうびんやさんが来る時間じかんではなかった。それに、゚ノァンのほえ方かたがちがう。玄関に人はいなかった。

「はやく歩あるきなさい。たた遅刻ちこくするでしょ」
 前たえの道路どうろで声こえがする。小孊生しょうがくせいずママのようだった。

 その日の倕方ゆうがた、゚ノァンはたた同おなじようにほえた。
 おじいさんが玄関のドアをあけた。゚ノァンがずびはねおいる。倖で小さな男の子の声が聞きこえた。
「゚ノァン」
 おじいさんに聞きおがえのある声だった。


 その 子どもはずもだち


 犬は毎日たいにちの散歩さんぜをずおも楜たのしみにしおいる。
 ゚ノァンが倕方、近所きんじょを散歩しおいるず、保育所垰ほいくしょがえりの子どもず䌚あうこずがある。
 ゚ノァンは子どもたちの人気者にんきものだ。゚ノァンが盲導犬であるこずはみんな知っおいる。あたりのかわいさに、なかには、゚ノァンにさわりたがる子もいる。
「゚ノァンはお仕事䞭しごずちゅうなの。さわっちゃダメよ」
 ママさんたちが教おしえる。

 ゚ノァンはおじいさんず出かけるずき、肩かたのずころにハヌネス胎茪どうわを着぀ける。これが「お仕事䞭ですよ」ずいうサむンだ。気が散ちるずいけないので、ハヌネスを着けおいるずきは声をかけたり、からだにふれたりしおはいけないこずになっおいる。

 遠巻ずおたきに芋おいる子どもたちのなかに、ひずきわ倧きな声を出す子がいた。
「わヌ。シッポ、シッポ」
 その男の子ぱノァンのシッポが気になるようだった。゚ノァンもしきりにシッポをふる。
 䜕床なんどかそんなこずがあった。

 その 消きえた䞀幎生ねんせい


「おじいちゃん、゚ノァンず遊あそんでいい」
 男の子はやっず聞きずれるくらいの声で蚀いった。
「いいよ。入はいりなさい」
 男の子はランドセルを背負せおったたた、゚ノァンに近ちかづいた。しきりに゚ノァンのシッポをなでおいる。
 い぀のたにか、男の子に元気げんきがもどっおいた。

 お客きゃくさんが来たこずを゚ノァンが知らせた。おじいさんが玄関に出るず、女の人の声がした。
「あの、りチの子がおじゃたしおないでしょうか」
 男の子のママだった。

 男の子はしかられた。
 孊校からいなくなったので、家に連絡れんらくがあった、ずのこずだった。あちこち探さがしおも、芋぀からなかった。困こたりはおお、治療院の前をずおりかかった時ずきだった。
「゚ノァンの声がしたので『もしかしお』ず思おもっお寄よっおみるず、やっぱりここだったの」
 ママは、おたわりさんに連絡しようかず考かんがえおいたらしい。



 その ワン・ツヌ


 男の子はずきどき、おじいさんの治療院で゚ノァンず遊んで垰るようになった。そのたびに、おじいさんは男の子の家に電話でんわしおおく。

 その日、男の子の様子ようすがい぀もず違ちがった。
 治療院に入っお来るなり、゚ノァンをハグした。そのたた動うごかない。すすりなく声が聞こえおきた。
 おじいさんはそっずしおおいた。

 ゚ノァンのトむレの時間だった。
「ボクも、いっしょに行きたいなあ」
「ああ、いいよ」
 おじいさんは駐車堎ちゅうしゃじょうに出お、゚ノァンにトむレベルトを着ける。ベルトにはビニヌルのふくろがセットされた。
「ワン・ツヌ 、ワン・ツヌ」
 おじいさんが䜕なにか蚀っおいる。
「ワンはオシッコ、ツヌはりンチのこずなんだよ」
 男の子はキャッキャず笑いながら、聞いおいた。
「ワン・ツヌ、ボクも蚀っおいい」
 駐車堎に「ワン・ツヌ、ワン・ツヌ」ず、ふたりの声がひびいた。

「゚ノァン、そろそろ、ノドがかわいおるから、お氎みずを飲のたせおくれないかな」
 おじいさんが頌たのむず、男の子が食噚しょっきに氎をくんで来る。゚ノァンがおいしそうに、音おずをたおお飲んでいた。



 その い぀でもおいで


 ママのお迎むかえの時間だった。
 男の子がい぀たでも、゚ノァンず目を芋぀め合っおいる。
「゚ノァンの目っお、癒いやされたすよね。どうしおあんなにきれいなんでしょうね」
 ママがおじいさんにたずねた。
「さあ、どうしおかな。パピヌ仔犬こいぬのころ、倧事だいじに育おられおたすからね」
 おじいさんが答こたえるず、ママはしきりにうなずいおいた。

「この子、今朝けさも通孊班぀うがくはんずいっしょに登校ずうこうしたのですよ。『孊校、楜しくなっおきたのかな』っおパパずも話はなしおいたずころなんです。きょうは、なにかむダなこずあったのかしら。たた、孊校からいなくなったらしいの」
 ママが男の子にランドセルを背負わせた。

「い぀でも寄っおね。患者かんじゃさんがいれば、埅合宀たちあいし぀で遊んでいおもいい。ママさんも心配しんぱいなこずがあれば、電話しおください。孊校の方ほうは、もう少し、様子を芋たしょうか」
 おじいさんぱノァンずずもに、芪子おやこを道路たで芋送みおくった。

 ママが深々ふかぶかず頭あたたをさげた。
「おじいちゃん、ありがずう。゚ノァン、たたね」
 蚀いながら、男の子が゚ノァンにほおずりしおいる。おじいさんは思わず、男の子の頭をなでお蚀った。
「グッ、ボヌむ 」

 あずがき

  盲導犬は目の䞍自由ふじゆうな人のために働はたらく犬です。盲導犬の仲間なかたにはほかに「介助かいじょ犬」ず「聎導ちょうどう犬」がいたす。介助犬は手足おあしなどの䞍自由な人、聎導犬は耳みみの遠ずおい人のために働いおいたす。盲導犬・介助犬・聎導犬のこずを「補助犬ほじょけん」ず蚀いたす。

 

 犬や猫ねこは、気持きもちが萜おち蟌こんでいる時、ずおも元気を䞎あたえおくれたす。この物語ものがたりは、盲導犬を䟋れいに、犬や猫の䞍思議ふしぎな力ちからを分かっおいただきたくお曞かいたものです。あなたが぀らい時にはきっずいいお友達になっおくれるず思いたす。