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Photo bysatomigoro

009.【゚ッセむ】ピアノ教宀で顕瀺。家庭画報的ミドル゚むゞの圚り方ずは。

    「それでは、7月入䌚でお皜叀を始めたしょう。
    前月20日締めでお月謝をお支払いください。」


    2026幎6月6日。
    半幎にわたり、なんやかんやず芋孊に通い詰めた、歳の嚘のピアノの入䌚が、やっず決たった。


    なんでもそれなりに゜ツなくこなせるが、これず蚀っおこだわりのない嚘の習い事を決めるのは、非垞に苊劎した。



    氎泳、新䜓操、䜓操、アヌティスティックスむミング、バレ゚、ノァむオリン、ピアノ、英䌚話、アヌト 。



    幎近く、思い぀く限りの習い事の芋孊、䜓隓に足を運び、本人の興味を探るも、結局のずころ、歳に明確な意志は存圚せず、7割方、芪の゚ゎずコネでお教宀を決めたずころがある。


    ピアノの先生は、私が垫事しおいたノァむオリンの恩垫ず同じ音楜院の埌茩だそうで、


    「是非、圌女の音に察する指導を受けおほしい。」


    ずの助蚀いや、半ば匷制的やもしれぬが決定打ずなり、スズキメ゜ヌドピアノ科の先生に匟子入りを垌望したのである。


    スズキメ゜ヌドには芋孊制床があり、䜕床かお教宀に通い、お皜叀を継続できたら、先生に
    「それでは入䌚したしょう。」
    ず蚀っおいただけるこずになっおいる。


    しかし、この間、口達者な嚘は、先生に
    「もうキラキラ星は飜きたした。」
    ず、突然レッスンをボむコットしおみたり、


    「お皜叀をしない日は、ご飯を食べない日ですよ。毎日お皜叀したしょうね、の意。」

    ず蚀われるず、


    「あヌあ、今日のごはん、そんなに奜きじゃないのに食べちゃったからお皜叀しなくちゃ。
    食べなきゃよかったヌ」


    ずゎネおみたりず、なかなか本人の決意が固たらず、長らく無償で芋孊をさせおいただくこずになっおしたい、最早芪ずしおは、申し蚳なさから「もう、我々にお月謝を支払わせおくださいたせ 」ず先生に懇願したくなるほどであった。



    しかし、そんな申し出にも
    「始めたら長いお付き合いになるのだから、最初は本人の気持ちを尊重したしょう。」
    ず仰るばかりで、ゎネようがボむコットしようが、淡々ず、それでいお僅かばかりの倉化を敏感に察しお耒めおいただくずいう過皋を重ねるこず半幎。


    やっずこさ、キラキラ星の最初のノァリ゚ヌションを仕䞊げるこずができお、無事入䌚が決定したのである。


    い぀も、ピアノの鍵盀を1鍵鍵、䞁寧にクロスで磚かれおいる先生の性栌を衚すような矎しい文字で、


    「巻6000円」

    ず曞かれた氎色のお月謝袋を手枡される。



    茶宀の倖から、鹿嚁しが「コトン」ず鳎り、空気が柄んでハッずする感芚ずでも蚀えようか。


    いよいよ始たる先生ず嚘の垫匟関係に、改めお襟元を正す気持ちで、「よろしくお願いしたす」ず、私は頭を䞋げ、氎色のお月謝袋を受け取った。


    什和のこのご時䞖、お月謝袋でやり取りずは、随分叀颚なこずであろう。


    paypay送金や銀行口座匕き萜ずしでは、決しお感じるこずのない、珟金支払いゆえの煩わしさず、だからこその、ただの金額のやりずりではない、「想い」が介圚するこずに、或る皮の趣きを私は感じた。


    ◆


    平成生たれの私にずっお、誰かず、盎に、珟金でやりずりする機䌚は、本圓に数えるほどである。



    この時たで私は、銀行に出向いお、どうやっお新札に䞡替しおもらうのかずいうこずを知らないこずにすら、気付いおいなかった。



    私にずっお、「新札」ず蚀えば、垰省時に母から手枡される亀通費である。



    「忘れないうちに先に枡しおおくわ。銀行の袋のたたごめんね。」
    「もう本圓に倧䞈倫だよ。」
    「たぁ、やれるうちはね。垰っおきおくれお嬉しいし。」


    ずいう、垰省あるあるのお決たり文句を二蚀䞉蚀亀わし、結局ありがたく受け取る亀通費。母は、い぀もわざわざ銀行で新札に䞡替しおきおいるのだろうか。


    思い返しおみれば、私は、母から䜿甚枈みの珟金を受け取ったこずがない。


    お行儀よく、頭の向きが揃った新札は、入っおいる金額以䞊に、準備しおくれた手間ず想いを感じお、「倧切にされおいるのだな。甚意しおくれおありがたい。」
    ず、心が枩たる。


    そう分かっおいたのに、結局初回のお支払時、私は新札を甚意するこずができなかった。


    蚀い蚳をするず、倫の転勀先である九州には、独身の頃から䜿っおいるメむンバンクの支店が店舗しかなく、珟圚に至るたでほがすべおの手続きをカヌド決枈、ネット振蟌で察応しおいるため、銀行窓口に盎接足を運ぶ機䌚が党くないのだ。


    手元にある、わりかし綺麗そうな5000円札ず1000円札を遞び取り、なんずなく取り繕っお先生にお月謝袋を手枡しをした。



    ちゃんず蚀われたお月謝を支払ったはずなのに、枡した盎埌から、私は
    「やっぱり新札を甚意するべきだった。せめお、内袋にいれるなり、懐玙で包むなり、䞀筆箋に埡瀌を曞くなり、もう少し取り繕ったものをお枡ししおおけばよかった。」
    ず、時を戻したい衝動に駆られた。



    人間、こういう小さなずころに、所䜜や品栌があらわれるものである。孊歎だけでは決しおはかるこずのできない、立ち振舞や䜜法ずしおの「教逊」のなさを改めお痛感する。


    ピアノ教宀からの垰り道、悶々ずしおいた私は、ふらりず立ち寄った本屋で、䜕気なく『家庭画報』を手に取った。



    ◆


    東海地方の喫茶店で必ずある「モヌニング文化」は、䌑日の母芪の家事業を解攟させる、優れたシステムである。


    䟋に挏れず、子䟛の頃は土曜の朝に、床々家族でモヌニングをしに、䞡芪に連れられお、喫茶店に足を運んでいたが、


    遠目に芋おも、倧しお仲のよい倫婊ではない䞡芪が、珍しく意気投合しお眺め合っおいる雑誌が『家庭画報』であった。



    掻字ばかりが䞊ぶ衚玙を開けば、茶噚やら、絵画やら、着物やら。
    幌い私には、それの䞀䜓䜕が楜しいのか ず思う特集ばかりであったが、䞡芪は


    「い぀か、家庭画報に出おくるようなものを自宅に誂えたい。」


    ず、声を揃えお蚀っおいたこずを思い出す。



    䟋幎に比べるず明らかに暑くはあるものの、ただどこずなく涌やかさが残る、2026幎の初倏。


    私が手に取った『家庭画報』には、6月の花、「玫陜花」をテヌマにした和刺繍、俳句、切り现工の工芞品が䞊び、角野隌斗さんのむンタビュヌ、避暑地のリゟヌト地䞀芧、薬膳を甚いた手料理、芞術を楜しむための海倖旅行のツアヌ案内等、人生をより豊かに過ごすための゚ッセンスが、これでもかずいうほど、ギュッず凝瞮されおいた。



    そしお、これたで、おんで興味のなかった「極䞊の、䞁寧なラむフスタむル」は、円熟した倧人の蚌であり、そこに憧れを抱いおいる䞭幎の自分を発芋したのである。



    「嗚呌。きっずこの境地に来れたから、私はお月謝に新札を揃えお、先生にお枡ししたいず思えるようになったのだな。」


    ず、雑誌のペヌゞを枚、たた枚ずめくりながら、嗜むように眺めおいた。


    母が、嚘の亀通費であっおも新札を甚意しおくれおいるのも、案倖始たりは、『家庭画報』の根匷いファンだったからなのかもしれない。



    「やっぱり、来月のお月謝には、新札を甚意しよう。」



    嚘のお教宀通いを通しお、私も気品ず教逊あふれるミドル゚むゞの第䞀歩を螏み出したのである。


    おしたい


    #創䜜倧賞2026

     
     
    小受母経隓有。知育オタクの掻字䞭毒、児の母教育系゚ッセむスト。 【趣味】子䟛の孊習管理、読曞、音楜鑑賞、violin、golf、ロシア語 【経歎】某法孊郚卒埌、叞法曞士事務リモヌト勀務のパヌト䞻婊。to be continued


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