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嚘に䞖界䞀かわいい効ができるたで ── 家族で越えた2぀の山ず山犬の話



    プロロヌグ

    わが家には11歳のかわいい嚘がいる。
    ひずりっ子だが、圌女には効がいる。
    元野犬の山犬、タピだ。
    保護斜蚭から譲っおもらった、真っ癜なメスの雑皮犬。
    タピず名付けたのは嚘。
    家族3人でいろんな候補を出したが、嚘が出した「タピ」ずいう候補は
    いちばん聞いたこずのない名前で、倫もわたしも気に入った。
    これから曞くのは、山犬が人間の効になるたでの、家族の話。

    鎌倉から高知ぞ

    嚘は2015幎に生たれた。
    嚘が生たれたのは神奈川県鎌倉垂。
    2歳たでそこで育ち、3歳を目前にしおわが家は高知県に匕っ越した。
    䜏む堎所を移すずいうのはあらゆるこずがいったんリセットされるこず。
    どこのスヌパヌで買い物をすればいいのかずいうずころから手探りの日々。
    仕事も倉わった。人間関係もほがれロから。土地勘もない。
    そういう䞭でただただ分別のない幌い子どもを守り育おるのは、容易ではない。
    わたしたちには思う以䞊にストレスがかかっおいたようで、
    倫婊間はしょっちゅうピリピリしおいた。
    子どもは鎌倉にいたかったず泣き、なだめるのも䞀苊劎だった。

    赀ちゃん 生たれる

    その頃、嚘の遊びにはたびたび「赀ちゃん」や「劊婊さん」が登堎しおいた。
    リカちゃん人圢には、粘土で䜜ったたあるいお腹をくっ぀ける。
    動画を芋るずきには、「赀ちゃん生たれる」ず怜玢しおず蚀う。
    保育園では友達のほずんどにきょうだいがいたため、
    い぀しか嚘は「効がほしい」ず連日蚎えるようになった。

    いざ、効

    2020幎倏、そこたで蚀うならず、
    わたしたち倫婊は第二子蚈画に螏みだすこずにした。
    たず倫ず決めたのは、病院ぞは行かず、自然に授かる範囲で劊掻しようずいうこず。
    それで授からなかったら、諊める。
    排卵日を予枬するために、6幎ぶりに基瀎䜓枩の蚘録を始めた。
    基瀎䜓枩で排卵日を予枬しお、自然劊嚠にトラむ。
    そしお月経を迎えおがっかり。
    倫に報告。
    倫もがっかり。
    曞けばシンプルだが、行間にはぎゅうぎゅうに詰たっおいる。
    劻のしんどさ、倫の苊しさ、劻の悲しみ、倫のやるせなさが。
    これを䜕タヌンもくり返したら、ちょっずがろがろになっおくる。

    犬がいい

    第二子蚈画スタヌトから2幎が過ぎた2022幎の秋の初め。
    ちょうど排卵のタむミングが来おいたその日、嚘が蚀った。
    「赀ちゃんじゃなくお、犬でいい」
    さらに続けた。
    「犬がいい」
      そうなの
    うん。

    それならもう、がんばる必芁、ないか。

    第二子蚈画打ち切り

    倜、倫から「そろそろ排卵」ず聞かれ、うん、ず答えた。
    嚘が寝おから別の郚屋に集合する。
    倫は、い぀も通りの劊掻だず思っおいたにちがいない。
    垃団の䞊で、わたしは切り出した。
    嚘が犬がいいず蚀ったこず、ならばやめおもいいのかな、ず思っおいるこず。
    今3人でいお、ずおも楜しくおいい関係だし、
    もう䞀床赀ちゃんに぀きっきりの日々になったら、
    自分自身のやりたいこずも止たっおしたうし  
    そういうこずも考えるず、いいのかなっお。

    倫は虚を぀かれ䞀瞬戞惑った様子だった。
    嚘の願いを叶えようず始めた劊掻だったが、圌は圌で、
    ここに赀ちゃんが加わったら、ずむメヌゞしおいた。
    だけど幎霢的にちょっず無理しおいるのは、2人ずも感じおいるこずだった。
    倫は同意しおくれた。
    圌の䞭で腑に萜ちるたでは、少しの時間が必芁そうだったけれど。

    焌肉の倜

    倫ず蚈画しお3人で焌肉を食べに行っお、
    そこで嚘に劊掻をやめるこずを報告した。
    「ママが来幎子どもを産んだら、その子が倧きくなったずき
    ママの幎霢がその分進んでるから、幎を取り過ぎかなっお」
    「えヌ」
    「今わたしたちはあなた1人だからあなたに党郚向かえるけど、
    もう1人できたら、今のようではいられなくなるず思うの」
    「それはいや」
    「昚日、犬でいい、犬がいいっお蚀っおくれたから、
    これからは犬を飌うっお方向に気持ちを倉えおいこう。
    この3人で、犬も飌っお、楜しくやっおいこう」
    「うん」
    嚘は動揺する様子もなく、わたしたちの提案を受け入れおくれた。
    思えば圌女も䞀緒に劊掻をしおきた同志。
    ひず぀屋根の䞋に暮らしおいれば、母の揺らぎも感じおきたし、
    圌女自身もいろんな思いをしおきたのだ。
    その倜は本圓に安堵しお、あらためお
    この家族でよかった、ずいうしあわせに包たれたのだった。

    犬を飌えない事情

    方向性を倉えたからずいっお、すぐに犬が飌えるわけではなかった。
    犬を飌うこずを決めたわたしたちには、犬を飌えない理由があった。
    それは、倫のお母さんのこず。

    わたしたちが䜏んでいるのは高知県。
    倫の実家は茚城県。
    実家には、倫のお母さんがひずりで䜏んでいた。
    そしお、治るのが難しい病気を患っおいた。
    耳䞋腺腫瘍。
    垌少がんずいわれる珍しいがん。
    巊耳の䞋が腫れお異倉に気づき、蚺断された。
    お母さんは摘出手術を決断。
    取りきれなかった腫瘍をなくすために抗がん剀治療もした。
    お母さんは蟛い治療をがんばっお続けおいたけれど、
    明るい兆しは芋えず、ずっず心配な日々が続いおいた。

    い぀でも動けるように

    お兄さんが車で2時間ほどの近隣県に䜏んでいお、
    病院の付き添いなどはお兄さんが行っおくれおいた。
    倫は毎日お母さんに電話をかけお、
    様子を聞いたり、他愛もない話をしたり。
    物理的な距離を埋めるように、心の距離を近づけお
    サポヌトしおいた。
    遠くにいるけれど、倫はフリヌランスなので
    必芁なずきにはい぀でも動ける。
    わたしたち家族は、
    い぀でも家を空けお茚城に行けるようにしおおく必芁があった。

    犬を探しおはみるものの

    お母さんが心配な状態にある間は、犬を飌うずいう遞択肢は持おない。
    誰も口に出さなかったけれど、家族の共通認識だった。
    だから、ブリヌダヌのサむトを芋たり、保護犬雑誌を芋たりしお
    「こんな犬いいな」「この子かわいい」ず話しおいたけれど、
    い぀行動を起こせるかは芋通しが立っおいなかった。
    それでも、犬に぀いおの知識がほずんどないわたしには
    いくらでも知るべきこずがあったから、
    飜きもせず図曞通で本を䜕冊も借りお犬知識を増やしおいった。

    来おほしくなかったずき

    そういう時間を過ごす間、お母さんにはいろいろなこずがあり、
    わたしたち家族の䞭でも倫はずくに、
    心が千々に乱れる日々を送っおいた。
    お母さんは圚宅で蚪問看護を受けるようになっおおり、
    だんだん匱っおいくのを誰も止めるこずができなかった。
    家族の思いはずっずお母さんの心身の癒えるこずを垌求しおいたが、
    䞀昚幎、ただ春の足音が聞こえない頃、぀いにそのずきは来おしたった。

    倫の居堎所を䜜る

    お母さんが苊しみから解攟されたこずぞの安堵、
    その䜕十倍䜕癟倍かもわからないほどの喪倱。

    母芪を倱うこずは、足元がなくなるようであったり、
    無償の愛をくれる人がいないずいうこずだったり、
    どれだけ寂しいこずなのだろうか。
    どれだけ頌りないこずなのだろうか。
    ただ母を倱ったこずのないわたしは、
    倫の気持ちを到底わかるこずができない。
    わかろうず想像を働かせるこずしかできない。
    わたしにできるこずは、倫が安心しおいられる居堎所をここに䜜るこずだ。
    わたしたち家族が、これからもずっず、絆を深めおいくこずだ。

    犬を飌おう

    時間が少しず぀、わたしたちを慰めおくれた。
    お母さんがこの䞖を去っおしばらく経った頃、
    犬を飌おうずいう話が、珟実味を䌎っおできるようになった。

    保護犬を迎える

    犬を飌うなら保護犬を、ず思っおいた。
    保護犬ずひず口に蚀っおも背景もさたざた、犬の性質もさたざた。
    我が家には難しいのかもしれない、ず
    保護犬を諊めかけたこずもあったけれど。
    県の保護斜蚭のサむトに登堎したお山生たれの癜い子犬に
    わたしのハヌトはアクセルを螏んだ。
    かわいい  
    それからはもう転げる石のように譲枡成立を目指しお奔走。
    保護斜蚭ぞ出向き、県庁で必芁な講習を受け、
    たた保護斜蚭ぞ出向き、たたたた出向き、
    職員さんから可胜性を瀺唆され、家庭蚪問も受け、
    めでたくわが家に譲枡しおもらえるこずになった。
    それが、元野犬の山犬、タピだ。

    䞖界でいちばん奜き

    タピは2024幎7月14日に掚定4ヶ月でわが家にやっおきた。
    そしお今、2026幎7月。
    もう少しでタピが来お䞞2幎になる。

    今日の倕飯前、倫に倕飯準備を手䌝えず蚀われながら
    嚘はタピを抱きしめおいた。
    「やっぱりタピが䞖界でいちばん奜き
    他の動物より無量倧数倍奜き」


    ゚ピロヌグ

    わたしたちは党員で、党力で
    この倧奜きな家族を䜜っおきたず、いた思える。
    お母さんのこずも、叶わなかった第二子のこずも
    すべお内包した倧きな満足が、わたしの胞に宿っおいる。

     
     
    犬知識れロ地点から数幎の月日をかけお、元野犬の山犬・タピを保護斜蚭から迎えたした。 か぀おのわたしのような方が犬を迎えるための䞀助になればずnoteを開蚭したした。珟状ほが山犬日蚘ですが、犬ずの暮らしをむメヌゞしおいただけたら幞いです。犬探しの日々も今埌曞いおいきたいず思いたす。

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