黄金の傘60(最終話)
新たな戌の月。
ソベデは降伏して
ゲテンとの間に
不戦の契りを交わした。
ゲテンの粋により
銀山は両国の権益となった。
キイナは
ソベデから独立した。
代わりに
ゲテンとの二国間条約を結んだ。
バジ将軍が取り計らったその中身は
キイナからゲテンへ
新鮮な魚介を届けることだけ。
民に行き渡る量を。
可能な限りに。
ただし。
ゲザドモフグを除いて。
チゴは。
すっかり大きくなって。
独りでに歩き始めている。
お二人の子だから。
きっと強く。
逞しく育つことだろう。
クヨは。
忙しい日々に追われている。
チゴにせがまれ遊び疲れては
とても幸せそうだ。
、、心なしかお腹が大きくなった。
今度。
安産を願って
皆で社へ行こう。
オネは。
毎日せっせと働いてる。
この間は俺に会いに来て。
一緒に酒を酌み交わした。
相変わらずの饒舌で。
肩を組んで。
笑い合った。
あの時の記憶は
民衆には残らず。
神器に関わった
俺たち四人だけが知る
秘密となったようだ。
ワはラムロになり。
いつしかまた。
ラムロはワになる。
黄金の傘は。
移り。
回り。
交わり。
これからも。
俺たちを惑わし。
そして。
俺たちを護るのだろう。
輪を。
環を。
和を。
この世界に。
与え続けて。
、、、
こつん。