無音になる季節
もうその環境に身を置くことはないと思うが
山梨県の冬には、意外に雪が降る。
雪の降る日の「しん」と静まり返った状態が
私は大好きだ。
雪が降る様子の音を
童謡では「こんこ」と表す。
「しんしんと降る」というのも聞いた事がある。
では実際はどうか?というと・・
雪が降る時はほぼ無音なのだ。
これを読んでいる雪国地方の皆さんはうんうん、と頷いて下さるだろう。
雪は「こんこ」と音を立てない。静かに静かに、降り積もる・・
雪が降ると人は外に出ない。
家にじっとして、ただただ止むのを待つ。
・・と、ここまで書いて、あ!と思った。
雪が降ると、しばらくは無音の世界が広がるが、その後に聞こえるのが
颯爽と雪をかく、雪かき車の音だ。
地域にもよると思うが、その音は夜遅くだったり明け方に聞こえてくる。
その音が聞こえると、私は安堵する。
「あ、雪かき車が出てくれて良かった」と。
決して静かな音ではない。
なんならかなりの大きな音で、雪かき車は仕事をする。
あの音が大嫌いな人もいるだろう。
けれど、私にとってあの音は「ヒーローがやってきた音」だ。
窓の外を眺めると、雪の降る中に雪かき車のあかりが見える。
その時間に動いているのは、雪かき車だけ。。
しんと静まり返った中に、それだけ。
私は感謝と共に、その様子を少しだけ見て、また眠りにつくのだ。
「あの雪かき車がかいた後、家のまえに積もる雪の塊を、明日の朝早くかかなくちゃね」
そう、心に刻みながら。