デパ地下
私はデパ地下のお惣菜を観ているとき、「全てを手に入れたい」という欲望が湧き出てくる。
綺麗に盛られたサラダにときめき、酢豚を観てはまるで青春のような輝きに息を呑むが、一番心躍るのが、デパ地下に入っている高級そうな(意外とお野菜とかは普通の値段だったりする)スーパーの納豆の棚だ。
デパ地下のスーパーには、家の近くのスーパーでは見たこともない冷凍のハンバーグ、具材が魅力的な焼きうどん(アルミ容器のもの)、でかい箱に入った焼き餃子などがあり、全てカゴに詰め込みたくなるが、あなたは納豆の棚を見たことがあるであろうか。
見たことのない納豆のパッケージに目を奪われ、鼻息が荒くなる瞬間が私の人生にはある。
私が普段買う納豆の値段は「激安!」と書かれた99円のものだが、デパ地下にある納豆の値段は大体199円〜400円と2倍以上の値段だ。しかし、デパ地下マジックにかかってしまえば「199円!!安!!」と脳が勘違いしてしまう。
だいたい2個か3個パックのものを買うのだが、入れ物は蓋まで発砲スチロールのものか蓋がフィルム状のものがあり、私はなぜか蓋がフィルム状のものを好んでいる。
形も四角い形状のものと、丸い形状のものがあるが丸い形状のものに惹かれてしまう。
少し高級な納豆を買うということは、自分を生き延びさせることに繋がる。
明日の朝、冷蔵庫を開ける時に少し胸を弾ませる自分がいるということに、今日の自分は救われるのだ。