
「なくならないもの」を探し続ける理由
私は昔から、
「なくならないもの」
を探している。
そんなもの、
この世に存在しないことくらい、
本当は知っている。
それでも私は、探してしまう。
私の傍からいなくならないもの。
昔のまま変わらないもの。
そんなものがあればいいのに、
と思っている。
でも、生きていると、
想像以上に色々なものが
自分の傍からなくなっていく。
しかも、自分にとって大切な存在ほど早く。
大切な家族との別れ。
愛犬との別れ。
ずっと続くと思っていた関係。
当たり前だと思っていた日常。
永遠のように感じていたものほど、
ある日突然、終わりがやって来ることを
あまりにも人生の早い段階で、
私は知ってしまった。
だからなのかもしれない。
私は何かを好きになる時も、
人と関わる時も、
どこかで怖いと思っている。
この時間はいつまで続くんだろう。
この人はいなくならないだろうか。
また失ってしまうんじゃないだろうか。
そんなことを、無意識に考えている。
そして、なくならないものを探し続けている。
でも本当は、とっくに気づいている。
「なくならないもの」なんてないということを。
人も、環境も、関係も、いつかは変わるもの。
変わらないものなんてないと、
頭では分かっている。
そして、
変化を怖がることは、
自分自身を鎖で繋ぐ、
愚かな考えだと
分かっている。
ただ、心がついていかない。
それでも、不思議なことがある。
いなくなった人との思い出は、なくならない。
もちろん、毎日を必死に生きていれば、
いくら大切な存在でも忘れている時間の方が多い。
だけど、
一緒に過ごした時間も、
もらった言葉も、
ふとした瞬間に思い出す感情も、
私の中には残り続けている。
私はずっと、「存在そのもの」がなくならないことを願っていた。
でも、
本当に残っていくのは、
その存在が私に残してくれたもの
なのかもしれない。
優しさだったり。
安心感だったり。
一緒に笑った記憶だったり。
悲しみや怒り、悔しさを分け合った瞬間だったり。
一緒に成長してきた記録だったり。
そう思いながら、
私は今日も、「なくならないもの」を探している。
その答えは、
外側ではなく、
私の中に残っているのかもしれない。