
⛪教会に住むピアニスト Kit Armstrong#️⃣48 ウィリアム・バード《Agnus Dei – dona nobis pacem》🪞響きと祈り ❝Musique, ma patrie ! ❞
Musique, ma patrie ! #48では、ウィリアム・バード(William Byrd)の《ミサ曲(4声)》より《Agnus Dei – dona nobis pacem》(*1)が演奏される。この演奏は、William ByrdやJohn Bullを鍵盤音楽の起源として再解釈するアームストロングのプロジェクトとも連続しており、声楽的ポリフォニーをピアノ上で再構築する試みとして位置づけられる。原曲は声楽によるポリフォニーであるが、ここではピアノによって再構成されている。キットアームストロングは、この演奏のために調律を調整しており、特に終結部に現れる音に対して純正な響きを優先するなど、和声の関係性がより明確に感じられるよう工夫されている。楽曲は、単純で均衡の取れた旋律と対位法的な重なりによって構成される。とりわけ「dona nobis pacem」における連続するサスペンションは、素材自体は平易でありながら、重なりによって強い印象を生み出している。ここでは音楽は、個人的表現としてではなく、祈りの形式としての響きの持続と重なりとして提示される。
*本回は解説を伴わず、演奏そのものが提示される構成となっている。
(*1)ラテン語の典礼文
Agnus Dei – dona nobis pacemAgnus Dei「神の子羊」
dona nobis pacem「私たちに平和を与えたまえ」
これはミサ通常文の一部で、「Agnus Dei, qui tollis peccata mundi…(世の罪を取り除く神の子羊よ)」最後に dona nobis pacem(平和を与えたまえ)と祈りが締めくくられます。