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⛪教会に住むピアニスト Kit Armstrong#️⃣1 マルセル・デュプレ《思い出》🙏 祈りと追憶❝Musique, ma patrie!❞

    ピアニストキット・アームストロング(Kit Armstrong)は、2012年にÉglise Sainte-Thérèse🌹(フランスのイルソンにあるサンテレーズ教会)(*1)を購入し、コンサートやアートイベントの空間として再生している。幼少期からピアノ演奏と同時に、数学的才能でも注目を集め、音楽と学問を並行し、研鑽してきた経歴を持つ。2020年のパンデミック期には、3か月半にわたり約100本もの動画“ Musique, ma patrie ! ”(音楽こそ祖国)を配信し、フランスの報道でも取り上げられた。親しみやすい解説で小品から大曲までを扱い、自粛生活を強いられていた視聴者の心のよりどころとなった。教会という生活空間から、音楽を発信するスタイルは彼の活動の特徴の一つといえる。第一回では、マルセル・デュプレ(Marcel Dupré)(*2)の《追憶》(Souvenir Op.65bis)(*3)が紹介される。華やかさよりも祈りに近い静かな作品であり、表現者としての知的で聡明なイメージとはまた違った、別の顔が垣間見られる。

    ①こんにちは、みなさん②まず最初に、フランスのイルソンにあるサント=テレーズ教会から、皆さんに心からのご挨拶をお送りします。③とりわけ、現在、世界の多くの人々が置かれている状況を思うと、なおさらその思いを強く感じます。④この状況について、いま私が何かを語ろうとする立場ではありません。⑤しかし、私にできることが一つあります。⑥私は、あらゆる機会を通して音楽への愛を分かち合いたいと思っています。⑦そこで、この場を通して一つのシリーズを始めようと思います。⑧そこで私は、私を感動させ、影響を与えた音楽作品を皆さんと共有します。⑨簡潔に、そして何よりも定期的に。⑩まずはフランス音楽から始めようと思います。⑪それは愛国主義からではなく、むしろ感謝の気持ちからです。⑫私たちの科学と芸術がこの国に負っているものすべてへの感謝です。⑬そして、ここで私が見て、感じ、成し遂げることができたものへの個人的な感謝でもあります。⑭最初の作品として、マルセル・デュプレの《Souvenir(追憶)》を選びました。⑮というのも、これから皆さんと共有する私自身の音楽の思い出を、ある意味で体現している作品だからです。

    ①bonjour mesdames et messieurs.〔bonjour「こんにちは」〕〔mesdames et messieurs「皆さま」〕②tout d'abord je vous transmets mes meilleurs vœux depuis l'église Sainte-Thérèse à Hirson tout d'abord「まず最初に」〕〔je vous transmets「私はあなた方に伝えます」transmettre A à B「AをBに伝える」〕〔mes meilleurs vœux「私の最良の願い」→「心からの挨拶・祈り」〕〔depuis〜「〜から」〕〔l'église Sainte-Thérèse「サント=テレーズ教会」〕〔à Hirson「イルソンにある」〕③surtout en vue de la situation actuelle dans laquelle se trouve une majorité du monde〔surtout「とりわけ」〕〔en vue de〜「〜を考慮して/〜を踏まえて」〕〔la situation actuelle「現在の状況」〕〔dans laquelle se trouve〜「その中に〜がいる」〕〔une majorité du monde「世界の大多数の人々」〕④ce n'est pas à moi maintenant de tenter de m'exprimer à ce proposé n'est pas à moi de〜「〜するのは私の役目ではない」〕〔maintenant「今」〕〔tenter de + 動詞「〜しようと試みる」〕〔m'exprimer「自分の考えを述べる」〕〔à ce propos「この件について」〕⑤mais il y a une chose que j'ai envie de faire〔mais「しかし」〕〔il y a〜「〜がある」〕〔une chose「一つのこと」〕〔avoir envie de + 動詞「〜したいと思う」〕⑥je tiens à profiter de toute occasion pour partager mon amour de la musique〔je tiens à + 動詞「ぜひ〜したい/大切にしている」〕〔profiter de〜「〜を活用する」〕〔toute occasion「すべての機会」〕〔pour + 動詞「〜するために」〕〔partager「分かち合う」〕〔mon amour de la musique「音楽への愛」〕⑦c'est pour ça que je vais lancer par le présent une série〔c'est pour ça que〜「だから〜なのです」〕〔je vais + 動詞「〜するつもりです」(近接未来)〕〔lancer「始める/立ち上げる」〕〔par le présent「この場を通して/この動画をもって」〕〔une série「シリーズ」〕⑧où je partage avec vous des œuvres musicales qui m'ont touché et qui m'ont marqué〔où「そこで/その中で」〕〔je partage avec vous〜「皆さんと共有する」〕〔des œuvres musicales「音楽作品」〕〔qui m'ont touché「私を感動させた」〕〔qui m'ont marqué「私に強い印象を残した」〕⑨d'une façon concise et surtout plus régulière〔d'une façon〜「〜な方法で」〕〔concise「簡潔な」〕〔surtout「とりわけ」〕〔plus régulière「より規則的に/定期的に」〕⑩je pense que je vais commencer par de la musique française〔je pense que〜「〜だと思う」〕〔je vais commencer par〜「〜から始めるつもり」〕〔de la musique française「フランス音楽」〕⑪non pas par chauvinisme mais plutôt par reconnaissance〔non pas A mais B「AではなくB」〕〔chauvinisme「排他的愛国主義/ショーヴィニズム」〕〔plutôt「むしろ」〕〔reconnaissance「感謝」〕⑫reconnaissance de tout ce que notre science et notre art doivent à ce pays〔reconnaissance de〜「〜への感謝」〕〔tout ce que〜「〜するすべてのもの」〕〔notre science et notre art「私たちの科学と芸術」〕〔doivent à〜「〜に負っている/恩義がある」〕〔ce pays「この国」〕⑬et reconnaissance à titre personnel de ce que j'ai pu voir ressentir et réaliser ici〔à titre personnel「個人的な立場で」〕〔j'ai pu + 動詞「〜することができた」〕〔voir「見る」〕〔ressentir「感じる」〕〔réaliser「実現する/成し遂げる」〕〔ici「ここで」〕⑭j'ai choisi comme œuvre initiale souvenirs de marcel dupré〔j'ai choisi「私は選んだ」〕〔comme〜「〜として」〕〔œuvre initiale「最初の作品」〕〔Souvenir(s)「思い出/追憶」〕⑮comme il s'agit en quelque sorte de mes souvenirs musicaux que je vais vous partager〔comme〜「〜なので」〕〔il s'agit de〜「〜に関することである」〕〔en quelque sorte「ある意味で」〕〔mes souvenirs musicaux「私の音楽的な思い出」〕〔que je vais vous partager「これから皆さんと共有する」〕
    出典元(音声)Musique, ma patrie ! – Introduction & Marcel Dupré : Souvenir op.65bis

    (*1)鉄筋コンクリート管の発明者である技術者エメ・ボナの最後の作品。1929年自己資金で教会を建設する。アール・デコ様式で装飾され、ジャック・マルタンによって彫刻されたファサードを持つ。聖テレーズがまいたバラを象徴する1500本のバラで美しく飾られたヴォールトを擁している。

    (*2)オルガン楽派の巨匠であり、即興の名手。教会音楽の中心人物とも言われ、20世紀前半のフランス教会音楽を象徴する存在であり「教会空間」と強く結びついた作曲家。

    (*3)短く静かで祈りに近く感傷的すぎない。和声はロマン派後期寄りだが、過剰すぎず大きなクライマックスを作らない。緩やかな旋律線、柔らかい和声進行、音の余白が多い。

    (*1)「原文:Text and photos: Kit Armstrong」※原著作権は著作者に帰属します。

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