
「私は眠れない人です」——その一言が、不眠を“続ける人”と“抜ける人”に分かれる瞬間
「私、昔から眠れない人なんです」
ドラッグストアの睡眠サポートの棚の前で、そう切り出すお客様がいます。
一人ではありません。
毎週のように、同じ“自己紹介”を聞きます。
正直に言うと、私自身は昔からよく眠れるタイプです。
だからこそ、ずっと引っかかっていました。
なぜ「最近眠れない」ではなく、「眠れない人」と言うんだろう?
調べていくうちに、意外なことを知りました。
「眠れない」という感覚は、実際の睡眠だけで決まるわけではないようなのです。

先に、この記事でいちばん伝えたいことを書きます。
思い込みは、不眠の原因そのものではありません。
ただ、眠りを悪化させる“要因のひとつ”になる可能性はあります。
そして私が、この記事を通していちばん伝えたいのは、たった一行です。
自分にかける言葉は、現実の“証拠集めの方向”を決めてしまう。
その入り口を、店頭の話と、私自身の小さな習慣からお伝えします。
「私は眠れない人なんです」——それは自己紹介です
睡眠の相談に来られるお客様には、共通点があります。
商品を選ぶ前に、まず“自分がどういう人か”を説明されるのです。
「私は眠れない人だから」「私は神経質だから」と。
もちろん、本当におつらいのだと思います。
ただ、気になることがひとつ。
そう話すお客様ほど、悩みが長引いているように見えるのです。
一方で、「夕方に少し歩くようにしたら、前よりマシかも」と報告してくれる方もいます。
効果の出方は人それぞれ。
でも、その方たちに共通しているのは、自分を「眠れない人」と決めきっていないことでした。
「眠れない人」という言葉は、症状の説明のようでいて、じつは自分への“紹介文”になっている。
毎晩それを自分に読み聞かせているとしたら——少し、こわい気もするのです。
心理学も、この“思い込み”に注目しています
少し専門的な話になりますが、言いたいことはシンプルです。
不眠症の治療で使われる認知行動療法(CBT-I)では、「睡眠への思い込み」そのものを扱います。
たとえば「8時間眠らなきゃダメだ」という信念。
不眠は、体質や環境だけでなく“考え方の影響”も含むことがある、という立場です。
海外の研究では、実際の睡眠時間よりも、「自分は不眠であるという認識(不眠感)」のほうが、日中の抑うつ感や疲労感と強く関連していたと報告されています。
つまり、睡眠の“長さ”よりも、“どう眠れていると思っているか”のほうが、体感に影響していた可能性があります。
つまり私が見ているのは、「不眠症の話」ではありません。
“自分の言葉が、体感を作っている”。そういう現象です。
そしてこれは、かなりシンプルなループです。
気づいていないだけで、多くの人が毎晩このループの中にいます。

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これが、「眠れない人」が“習慣として固定される”仕組みです。
そして厄介なのは、それを“性格”のように扱ってしまうことです。
ここから先は、少しだけ踏み込んだ話になります。
同じ悩みを持つ人ほど、この先で「眠れない人」から抜け出すための“具体的な言葉の使い方”が見えてきます。
読んだその夜から、言葉の言い換え・夜の質問・思考のクセの直し方を、そのまま試せる形にまとめました。
今夜から、眠る前の思考が変わることを想定して設計しています。