
【ショートショート】#127 ゆく年くる年
いよいよあと少しで今年も終わる。
少し寂しいような気もするが、今年最後に会う人たちと
年末ならではの「よいお年を」のあいさつで別れるのは
温かさもありなんだか好きだ。
今年一年で溜まった来年を汚れを綺麗にして
また来年を気持ち良く始めるための大掃除や
今年をヒット曲と一緒に振り返れる紅白歌合戦、
細く長いため寿命を延ばす意味を持つ年越しそばなども
年に一回のイベントなのでテンションが上がる。
今年も色々嬉しかったことも大変なこともあったが
振り返ると全部が良い思い出だ。また来年も頑張ろう。
紅白歌合戦も終わり「ゆく年くる年」の時間になった。
除夜の鐘を聞きながらの年越しが毎年の家族の恒例だ。
しかしなにかがおかしい。タイトルのテロップが
「ゆく年 」しか表示されてないのだ。
最近はほとんど見なくなったテレビ欄を確認する。
そこにも「くる年」の表示はない。
しかもタイトルの横には(終)の文字がある。
そうか、ゆく年くる年は今年で終わってしまうのか。
観る人も少なくなってしまったんだな。残念だ。
最後、噛み締めて見よう。
除夜の鐘が次々と叩かれる。いよいよ次で108回目だ。
あと一回は年が越されてから叩かれる。
すると鐘を映していたカメラが空を映し出した。
空には何か光るものがあり、徐々に大きくなっていく。
隕石だ。
あ、なるほど、最終回ってそういうことか。