
仕事から逃げていたわたしが、ライターになって変わったこと
「頼りにされること」がすごく嫌だった。
前職で「いいですか?」と言われるたびに、増えていく仕事。引き受けなければいいのに、誰かがやらないと回らないと思って、つい手を出してしまっていた。
人の仕事までするなんて、なんだか仕事ができるような人だと思うかもしれないけれど、わたしの場合はそうではない。図書館司書という仕事が好きで、断れないだけだった。
人の仕事を代わりにしても、手伝っても評価は変わらないし、給料も変わらない。そのうち、損な立場だなと思うようになった。追加で仕事を振られそうになると、そそくさと自席を立って逃げるようになってしまった。我ながら情けない。何か言えば変わったかもしれないのに。
フリーランスのライターになった今、わたしはあの頃とは比べものにならないほど、仕事が楽しくなっている。
書き上げた原稿を前に頭を抱えて、完成した記事でも「もっとよくなるかも」と思えば、数千文字を容赦なく全消しする。 構成を丸ごとカットして、書き直すことだって日常茶飯事だ。
たぶん、わたしの仕事の仕方は、めちゃくちゃ効率が悪い。それでも、手を抜かずにいられるのは、この時間が「誰にも見られずに消える」ことがないから。
悩み抜いた時間や工夫した表現は、血肉になって、次の仕事につながると思っている。
ライターを始めた頃と今では、 書ける幅も広がった。ありがたいことに、収入だって当時の自分が見たら拍手するくらいにはなった。
あるホームページのライティングを担当させていただいたとき、 「あなたのおかげで、HPに命が吹き込まれました」 という言葉をいただいた。ほかにも「依頼してよかった」と言っていただいたり、前は嫌だった「頼りにしています」という言葉が、いまは、仕事に向かう力になっている。
会社員時代は決められたレールの上で、なるべく現状維持で、目立たないことが安全策だった。でも今は、失敗するかもしれない場所でも思い切って挑戦するのが、わたしのスタンダードに変わっている。
来年の今頃、わたしはどんな仕事をしているだろう。 今はまだ想像もつかないようなところで、言葉を紡いでいるかもしれない。 そんな予測できない未来を、思いっきり楽しんでいきたい。