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私はタオルを守るため、ポケットに入れて仕事をするようになった


私は仕事中、タオルを守るためにポケットに入れている。

ちなみに私は、利用者さんから盗まれることを警戒しているわけではない。

同僚Aちゃんからである。

もちろん、最初からポケットに入れていたわけではない。

〇訪問入浴の簡単な説明

私は訪問入浴の仕事をしている。

訪問入浴では、必ずスタッフ3人で利用者さんのお宅を訪問し、入浴をサポートする。

職場や営業所によって多少違うと思うけど、私のところでのAちゃんの役割は

入浴前のタオルを各場所に配置し、使用済タオルをひとつにまとめて袋に入れる人である。

使用済タオルが入った袋を屋外へ運ぶのは別のスタッフの役割である。

また、今回の主役となるタオルは浴後利用者さんの濡れた身体を拭くためにあるタオルである。


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入浴が終わった後は、積極的にタオルを回収するAちゃん。

しかし入浴前、タオルを利用者さんのベッドや浴槽周りなどに配る時は、ほぼ動かない。

私かもう1人のスタッフが入浴前にタオルを配っている。

本来配るはずのAちゃんは配らない。

なのに、入浴が終わると突然、タオルへの執着が始まるのである。


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〇最初は普通に置いていた

私がタオルをこれから使うためにベッドの柵にかけておいたり、一時的に作業しやすい場所に置いたり。

すると、後ろから無言でサッと取られる。

ベッドの柵にかけておいたタオルを、Aちゃんが自分の作業用として持っていくのである。

「え、それ今から私が使うんだけど?」

となる。

※画像はイメージです
⚠️こんなにかわいい防衛戦ではありません⚠️


〇 どんどん進化するタオル防衛

取られないように、少し遠くに置く。

それでも取られる。

というか、わざわざ回り込んだり、手を思いっきり伸ばして取りに来る。



じゃあ手に持っていればいい。

でも仕事中ずっとタオルを手に持っていたら、仕事ができない。



そして最終的に、

「あ、ポケットに入れればいいじゃん」

となった。

だから私は仕事中、タオルをポケットに入れるようになった。

〇ポケットに入れても安心できない

ただ、ポケットも完全な安全地帯ではなかった。

ある時、ポケットに入れていたはずのタオルが、作業中に消えていた。

私が気づかないうちにポケットから落ちた可能性もある。

後ろから見てベッドの上に置いてあると思われて取られた可能性もある。

正直、真相は分からない。

ただ、今までの経緯を考えると、私は後者を疑っている。




さらに別の日。

ポケットに入れていたタオルのしっぽが少し出ていて、それが私とベッドの間に挟まっていた。

作業中、何度かタオルを後ろから引っ張られる感覚があった。

でもベッドに挟まっていたので抜けなかった。

数回引っ張った後、諦めたようだった。



つまりポケットに入れても安心してはいけない。
タオルのしっぽまできちんと隠さないといけない。

〇 でも、いつでも取るわけではない

ここが一番謎である。

Aちゃんは、使用済タオルを早めにまとめて玄関や車まで持っていく。

それ自体は、本来私の仕事だけど、正直助かる。

だって使用済タオルは枚数が増えたら正直重いもの。


Aちゃんがタオル袋を玄関まで持っていった後に、私が使い終わったタオルはどこに置いていても絶対に回収しなくなる。


こっちからしたら、

「今だよ?」

「持ってくの今だよ?」

「どうぞ?」

というタイミングでも触らない。

今だぞ!!!



つまりAちゃんは、タオルが目の前にあるから取るわけではない。

自分の中で「今はタオルを回収する時間」となった時にだけ取る。


「タオルを配る時間」は、参加しない。

なのに、私が今使いたいタオルは回収する。

ここまで来ると、私のタオル防衛にも理由があると思う。


〇バスタオル剥ぎ取り事件

ある日、私はまだ着替え途中の利用者さんからバスタオルを回収される事件を経験した。

その利用者さんは女性で、不随意運動が多いため、着替えには少し時間がかかる。

不随意運動とは、自分の意思とは関係なく、体が勝手に動いてしまう現象のこと。

Google

両袖はなんとか通した。

でも、まだ肩まできちんと服が入っていない。

下着の前開きボタン付きシャツも、パジャマのトップスのボタンも全部開いている。

そしてテープ式オムツもまだ全開の状態。


つまり、まだ完全に着替え途中で、羞恥心配慮のためにバスタオルが身体全体的にかかっている状態である。


その時、Aちゃんが珍しく私の方に来た。

普段、自分の仕事が終わった後は私の方を手伝いに来ることはほとんどない。

「珍しいな」

と思った。



でも本命は多分、バスタオルだった。

Aちゃんはバスタオルを回収した。

まだ着替え途中である。

女性の利用者さんの胸と陰部がバーンとなった。



さすがにと思ったのか、その後Aちゃんはボタンを閉じ始めたのを横目で確認し

「あ、ちゃんと着せてくれるんだ」

と思った。

その間、私はオムツの位置を調整し、テープを止めていた。

そして下着の前開きボタン付きシャツの皺を伸ばそうとした。

すると。

下着の前開きボタン付きシャツのボタンが全て開いている。

Aちゃんが閉じていたのは、パジャマのトップスのボタンだけだった。



下着の前開きボタン付きシャツは肩甲骨あたりで丸まっていて、肩が入っていない。

なのに、パジャマのトップスだけ肩までちゃんと入っている。


「え?」

思わず、けっこう低めの声が出た。

「は?」じゃないだけマシだと思っている。



介護者さんには100%聞こえたと思う。

私は一瞬、パジャマのボタンを全部外してやり直そうかと思った。

でもそれも面倒だったので、パジャマをたくし上げて、下着の前開きボタン付きシャツのボタンを閉じた。

ボタンを閉じている時、さっきの低い「え?」を聞いたであろう介護者さんが、気を利かせてズボンを通してくれていた。


介護者さん....申し訳ない。

〇まとめ

Aちゃんは、悪意を持って私のタオルを取っているわけではないのかもしれない。

使用済みタオルを回収するのも、Aちゃんの仕事だから。

でも、「自分が今タオルを回収するタイミング」と「私が今そのタオルを使っているか」は、どうやら別の話らしい。


私は最初、タオルを普通に置いていた。

取られた。

少し遠くに置いた。

取られた。

手に持った。

仕事ができなかった。

だからポケットに入れた。

そして今は、タオルのしっぽまで隠している。



Aちゃんがタオルを玄関まで持っていった後なら、私はどこに置いていても取られない。

今持っていっていいよ?という状態でも絶対に取らない。

この人の中にはきっと、私には見えていないタオルのタイミングがあるのだと思う。



せめて声だけでもかけてくれたらなと思いながら.....
私は理解することを諦めた。



だから今日も、私はタオルをポケットに入れて仕事している。

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