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Photo byiwa_t

マイナス思考のままで良い​

    ​不妊治療を続けていると、リセットは残酷な瞬間です。

    それまでの数週間、少しの体調の変化に一喜一憂して、祈るような気持ちで過ごしてきた時間が一瞬で弾け飛びます。そして絶望がやってきます。

    ​「どうせ無理なんだ」
    「私には一生、子供なんてできないんだろうな」

    ​気力が奪われていく。
    ベッドから起き上がることもできず、
    ただただ自分の存在そのものを否定したくなります。

    そんな時ほど、
    笑っている人のところに赤ちゃんは来る
    お母さんが暗い顔をしていると、子どもが来づらくなってしまう、といった言葉が嫌でも目に入ります。

    それを見ると、私は絶望している自分に対して、更に罪悪感を抱きます。
    早く気分を上げなきゃ、前向きにならなきゃダメなのに、って。

    ​無理やり笑顔を作ろうとしたり、無理に感情をコントロールしようとしたりする。
    それはただでさえ傷ついている自分の心を、自分でさらに痛めつけるような感覚です。

    ​
    必死でどん底から這い上がろうとしていた数日間で、ふと、ある疑問が湧いてきました。

    《​本当に、前向きにならなきゃいけないのかな?》

    ​マイナスな思考でいるから子供ができないという事に因果関係があると断言できる?

    どうせ無理だ、自分には子供ができないかもしれない、と思い続けたからといって、それで妊娠の確率がゼロになるわけではない。
    どんなにポジティブで笑顔を絶やさずに生きていたって関係ない。

    ​そこに気づいた瞬間、
    だったら、もうこのままで良くないか?って思いました。

    ​どうせ無理と思ってしまう自分を、無理に変えようとしない。
    自分に絶望しているその姿のままで、ただそこにいていいじゃないか、と思いました。

    ​ネガティブな感情を抱くことそれ自体が不妊の原因ではないと思います。
    ただでさえチャンスは月に1回(お休みの期間を入れたりすると2、3ヶ月に1回)なのに、それに失敗したら凹まないわけがないんです。

    ​私たちは辛いときほど強くあろうとしてしまいます。
    ネットに溢れる妊活のアドバイスが、いつの間にか自分を縛り付けていく。
    そしてその通りにできない自分をダメな人間だと責め立てる。
    これが私の心を最も深く傷つけるものの正体だったのかもしれません。


    ​今この瞬間に傷ついている自分をそのまま認めること。
    ネガティブな自分をそのまま、否定もせず、無理に変えようともせず、ただそこにいることを許す。

    そのままでいい。
    そのままで、ただ息をして、今ここに存在する。
    それだけで十分な気がした。




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