
たった二単語に恐怖を覚えた話/端子の森暮らしメモ
ある日のこと。
私はいつもの通り、道を歩いていた。
すると、中年くらいの女性に突然声をかけられた。
「すみません、こんにちは」
私は恐怖を覚え、会釈だけして逃げ去った。
帰宅してから、なぜたった「すみません」「こんにちは」の二単語に恐怖を覚えたのか少し考えてみた。
おそらく「すみません」単品だったら、立ち止まっていた。
道でも聞きたいのかな、と。
「こんにちは」単品なら、挨拶くらいはした。
熱心な人だなあくらいの認識で。
だが「すみません」「こんにちは」と続いただけで恐怖度が跳ね上がった。
「すみません」は相手を呼び止める言葉だ。
「こんにちは」は相手と関係性を築こうとするときに最初に発する言葉だ。ともだちコレクションでも同じだ。
つまり、私は「すみません」と呼び止めた後の「こんにちは」に関係性を築こうとするオーラを感じたらしい。
要はなんか勧誘されそうで怖いと思ったのだ。
頻出の二単語が合体するだけでこうも怖いのか。
さながら、ごはんとお味噌汁を別個で食べていればいいものを、ねこまんまにしてしまったかのような感覚。
言葉の力ってすごいな。
ところであのおばさんは何がしたかったんだ。
……まあ、別にいっか。