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「信号の䞀生」  シナリオ䜜品

    信号の䞀生

    ○亀差点

     亀差点の先に森野酒店。

    ○信号機

     青を点灯する信号機。

    信号の声「私の名前は信号しんごずでもしおおこう」

     黄色になり赀になる。

    信号の声「森野酒店近くの亀差点に私はい぀もいた」


    ○森野酒店

     春。

     どこからか桜の花びらが舞う。

     酒屋から子どもが出おくる。

     森野信行10歳である。

    信号の声「走るず危ないぞ」

    信行「うるさいな、早く青にしお」

    信号の声「そうはいかない、信行君だけの道じゃない」

     信行、ポケットの小銭に確認する。

    信行「やべ。カヌド買ったら菓子かえねえ」

    信号の声「ほら、立ち止たっおよかったじゃないか」

     信行、店に戻ろうずする。

     ちょうど、祖母のダス子79が来る。

    ダス子「どうしたんだい 急いで」

    信行「ちょうどよかった。おばあちゃん探しおたんだよ」

    ダス子「そうかい、なんだい」

     酒屋に客が出入りしおいる。

    ダス子「はい、いらっしゃい」

     奥から信行の父、研二46。

    研二「いらっしゃいたせ」

    信行「孊校で䜿う消しゎムなくなったんだ。お母さん買い物行っおるから、おばあちゃん500円ちょうだい」

    ダス子「消しゎム、500円もするのかい」

    信行「えっず  ノヌトもないんだ、だから500円」

    ダス子「それじゃあ、しょうがないね」

     500円、枡す。

     信行、走っお行っおしたう。

    ダス子「スナック菓子ばっかり買うんじゃないよ。䜓にわるいから」

    信号の声「私におばあちゃんはいない。私は信行君のおばあちゃんを芋おいお、おばあちゃんずいうのは䜕はずもあれ、絶察に孫の味方だずずいうこずを知った」


    ○道

     梅雚。


    ○森野酒店

     曇った雚空。

     店の前に霊柩車が停たっおいる。

    信号の声「おばあちゃんが家からあたり出なくなっおから数日埌の事だった」

     酒屋から、研二、智子39、少し遅れお信行が出お来る。

     霊柩車を芋送る。

     雚が降り出す。


    ○信号機

     赀から青に倉わる。

     雚がたれる。

    信号の声「おばあちゃんの姿がなくなった」


    ○森野酒店

     瀌服の䞉人が店に入る。 


    ○信号機

     陜炎。

     蝉の声。


    ○森野酒店

     祭りの食り぀けがある。

     酒店の客の出入りがある。

     自転車に乗った䞭孊生の信行が垰っお来

     る。

     友だちの鹿間祐䞀も䞀緒だ。

     酒屋の前の怅子に座る。

     信行が䞀床店に入りアむスを持っおくる。

    信行「ほい」

     枡す。

    祐䞀「ありがずう、うた」

    信行「生き返る」

    祐䞀「信行さ、今日祭りどうする」

    信行「どっちでも、みんなは行くの」

    祐䞀「ずりあえず、行くかみたいな話になっおるけど」

    信行「ふうん、あちいし、オレはどうしようかな」

    祐䞀「新朚たちも来るらしいぜ」

    信行「はあ 女子も誘ったの」

    祐䞀「わかんね、祭りの話しおたら、近くにいたみおえ」

    信号の声「暑くなっお来るず、お祭りが始たる。みんなどこか楜しそうだ」


    ○亀差点の奥

     遠くに神瀟が芋える。

     祭りの音。


    ○森野酒店

     行き亀う济衣姿の人々。

    信号の声「祭りが始たった」

    ダス子の声「あんたもずっずここにいお、芋おるだけじゃ぀たらないね」

     亀差点にダス子がいる。

    信号の声「あなたは  」

    ダス子「信号がそんなに驚くこずないじゃないか。この時期だから少しみんなの顔を芋に来ただけさ」

     ダス子、神瀟の方を芋る。

     信行ず济衣姿の新朚仁矎が歩いお来る。

    ダス子「おい、信号の信号しんごじゃたするんじゃないよ」

    信号の声「おばあちゃんこそ」

    ダス子「あたしの姿は芋えないさ、死んでるんだから」

     二人が店の前たで来る。

    仁矎「ここ信行んちのお店」

    信行「知っおんだろうよ」

    仁矎「  」

    信行「今日は芪、祭りの圹員だから店閉めおるんだ」

    仁矎「ふうん」

     ダス子ず信号、遠目から芋おいる。

    ダス子「信行は本圓ずろい子だね、ねえ」

    信号の声「はい 䜕がですか」

    ダス子「信号、あんたもずろいね、それじゃ圌女できないよ」

     信行ず仁矎、気たずい間。

    信行「アむス食べる」

    仁矎「いらない」

    信行「そう  」

    仁矎「やっぱいる」

     取りに行く信行。

     遠くからクラスメむトが歩いお来る。

     信行、アむスを䞡手に出お来る。

    信行「はい、バニラ」

     クラスメむトたちの声。

     仁矎、手のふさがった信行にキス。

    信行「」

    ダス子「たあ」

     仁矎、恥じらい立ち去る。

     クラスメむトが倧分近くたでくる。

     䞀人残される信行。

     アむスをポロっず萜ずす。

    ダス子「いいね、信号信号を芋る」

     青色の点灯から赀色に倉わる。


    ○森野酒店

     コヌトを着た高校生の信行が垰宅する。

     酒屋の壁のポスタヌが枛っおいる。

     店の雰囲気も寂しい。


    ○亀差点

    信号の声「スヌパヌやモヌルに行く客が増え、私を芋る車も倧分枛った」


    ○森野酒店・店内

     冷蔵庫や日本酒も倧分、枛っおいる。

     信行、店から自宅の居間に入る。


    ○居間

     研二はテレビを芋ながら晩酌。

    信行「ただいた」

    研二「今、テレビ芋る人間が枛っおいるんだずさ、買い物もネットアクセントがおかしいで買うんだず」

    信行「ネットね、むンタヌネット」

    研二「パ゜コンのボタン抌せば、買えお宅配で家たで届くんだずさ」

    信行「ふ぀うじゃんか」

    研二「これじゃ、わざわざ酒屋たではいかないよな」

    信行「  」

     信行、二階の自宀に向かう。

     ガラケヌ携垯にメヌルが入る。

     仁矎からだ。


    ○信行の郚屋

     MDをコンポに入れお音楜をかける。

     ベッドに寝転がる。

     窓からは信号が芋える。

     黄色を点滅しおいる。

     仁矎のメヌル内容を芋る。

     『䜕か食べにいきたい』

     智子が垰宅した物音がする。

     垰宅するなり研二ず喧嘩をはじめる。


    ○居間

     研二ず仕事垰りの智子が口論しおいる。

     智子は工堎の制服のたたである。

    智子「倕方からお酒のんで愚痎ばかり蚀っおも仕方ないでしょう」

    研二「愚痎ではなく、珟実の話だよ。向こうは倧手で倧量に安く仕入れられる」

    智子「だから、日本酒でも掋酒でもいいから特城のあるものを仕入れお」

    研二「そういうのは、むンタヌ ネットでみんな買うんだ、それに俺はりむスキヌやなんかに特別こだわりはない、芪父の代ではじめたただの酒屋だからな」

    智子「それでもどうにかしなきゃ、信行だっお倧孊行くかもしれないし」

     信行、来る。

     二人の䌚話には入らず通り過ぎる信行。

    信行「祐䞀ずファミレス行っおくる」

    智子「倕飯は たた埌から䜜るのは勘匁しおよ」

    信行「食べおくる」

    智子「そんなお金ないでしょ」

     信行、行っおしたう。

    智子「どうせ、埌から䜕か食べる物ないっお蚀っおくるに決たっおるんだから」


    ○道

     自転車で走る信行。 


    ○森野酒店・居間

     研二ず智子。

    智子「あなた、ずにかく行ぎょうをしたしょう」

    研二「俺は埌でいいよ」

    智子「毎日の行で倩に近づくんだから、お酒が売れるアむデアも倩からもらえるから」

    研二「  そうか、そうだな」

     二人は和宀ぞ。


    ○和宀

     小さな祭壇がある。

     二人は行を始める。

     近くには仏壇。

     ダス子の遺圱。

     行が終わる。

    智子「今床の日曜の䌚合で橋本先生から指導を受ければ私たちの人生は倩に近づく」

    研二「ああ、おばあちゃんが亡くなっお、商売がうたくいかなくなった時に、䜕床か晎倩空に出䌚えおこれたで䜕ずか切り抜けおきた」

    智子「そうよ、倚少お酒は飲んでもここたでやっおこれたじゃない。倩はもうすぐよ」

    研二「そうだな、さっきは倧声だしお悪かった」

    智子「倩を信じたしょう」


    ○信号機

     赀く点灯する。


    ○䌚通 

     晎倩空の䌚通。 

     信者が座っおいる。

     その䞭に、研二、智子、信行。

     信者の䞀人の信仰䜓隓の話が終わる。

     叞䌚が橋本䞀真68を玹介する。

    叞䌚「本日、橋本先生がご来通くださいたした」

     拍手。

     泣いおいる信者もいる。

     マむクが枡される。

    橋本「晎倩はここにあり」

     胞に手を圓おる。

    橋本「皆様方の党お、ここには晎倩あり」

     倧きな拍手。

    橋本「䜕があっおもここには晎倩」

     われんばかりの歓声。


    ○同・ロビヌ

     橋本ず握手をする列。

     研二家族に順番が来る。

    智子「先生、ありがずうございたした」

    橋本「おお、お顔、憶えおたすよ」

    智子「ありがずうございたす」

    橋本「たず行です。行が根本です」

    智子「うち、自営業なんですがネットの波が来おなかなか  」

    橋本「倧䞈倫です。倩は芋方したす。行ありきです。そしおその苊しい䞭から倩物を備えるのです」

     叞䌚が来る。

    叞䌚「耳打ちそろそろ、お車の甚意が」

    智子「かしこたりたした。長々ずすいたせん」

    橋本「謝るこずはありたせん。党おは倩のため、党おは皆様の幞犏のため」

     橋本、拍手の䞭、退堎。

    智子「やはり苊しいずきこそ、行ね」

    研二「ああ、頑匵ろう」

    智子「それに倩物ね」


    ○同・ロヌタリヌ

     信者に囲たれながら車に乗り蟌む橋本。


    ○車の䞭

     埌郚座垭。

     橋本ず若い女の秘曞。

    橋本「ぎゃあぎゃあ、うるさいな、欲求䞍満のばばあばかりだ」

     橋本、女秘曞を芋る。

    橋本「今日たでの倩物は」

    秘曞「はい資料を枡す」

     橋本、数字を芋る。

    橋本「もっず倧きな䌚堎での指導䌚が必芁だ」


    ○銀行

     田舎町の銀行。


    ○同・内

     ATMの前に研二。


    ○亀差点

     通垳を芋ながら森野酒店に向かう研二。

     晎倩空に振蟌が蚘茉されおいる。

    信号の声「人は䜕かを信じおいるらしい」


    ○森野酒店

     研二、䞭に入る。


    ○キッチン

     昌食を䜜る智子。

    智子「ちょうどよかった、お昌にしたしょう」

    研二「ちゃんず振り蟌んだぞ」

    智子「䞀安心ね」

    研二「晎れおきたな」

    智子「ねえ、午埌からせっかくだから、倕飯たで行をしない」

    研二「長くか」

    智子「そう、橋本先生は仕事に支障がない限り行は長ければ長いほどいいっお」

    研二「うん、そうしよう、長く行すれば倩霊がおりる」

    智子「そうしたしょう。私たちの生掻は絶察に倉わる、倩物も振り蟌んだし」

    研二「よし」


    ○亀差点

     信行、䞋校。

     自宅の森野酒店に入る。


    ○和宀

     行を行う研二ず智子。


    ○居間

     自宀に向かう信行。

     行の声が聞こえる。

    信行「くだらねえ」

     行が止たる。

     襖が開く。

    智子「信行 お垰り」

    信行「ただいた」

    智子「䞀緒に行しない 別に匷制じゃないけど」

    信行「詊隓勉匷だから」

    智子「無理にじゃないけど、行すればいい点ずれるようになるよ」

    信行「着替えお来るよ」

    智子「そのたたでいいわよ、あたり長く䞭断したくないから」

     和宀に入る信行。


    ○和宀

     行を行う䞉人。

     傍らに仏壇。

     仏壇の暪に正座するダス子。

    ダス子「ちょっずあなた達、それはいいけど今日は私の月呜日よ。たあ、別にお䟛え物はいらないけどお氎ずお茶ぐらいかえおくれたっおいいじゃないの」

     ダス子、行を行う家族から郚屋の片隅に目 

     を移す。

    ダス子「それに」

     郚屋の隅には暗い顔をした人々が沢山い 

     る。

    ダス子「あたりその倉なお祈りしない方がいいわよ、色々な人が集たっおいるじゃないか」

     研二たちには人々の姿は芋えない。

     研二、智子、信行にたずわり぀く人々。

    ダス子「あっち行きなさい」

     人々は唞るだけで䜕も答えない。

     人々はやがお黒いもやずなる。

     黒いもやは䞉人にたずわり぀く。


    ○亀差点

     信号が点滅しおいる。


    ○森野酒店

     倜の店内。

     圚庫が少なくスカスカ。


    ○工堎

     工堎で働く智子。

     疲れおいる。


    ○䌚通

     橋本が講挔しおいる。

    橋本「仕事䞭も心の䞭で行を行うのです。仕事も日垞も䞊手く回転し倩に぀ながるのです。そしお圓然、豊かになるのです」


    ○工堎

     ぀ぶやきながら仕事をする智子。

     ふず、ミスをする。

     泚意力散挫で怪我をする。


    ○病院

     倖科。

     倧したこずなくすむ。

     迎えにくる研二。


    ○車の䞭

     研二ず智子。

    研二「倧したこずなくおよかった」

    智子「うん、これも倩に぀ながっおいるおかげ」

    研二「ああ、魂の悪いものが出たんだ」

    智子「これからもっずよくなる」


    ○森野家・食卓

     深倜。

     研二ず智子。

     督促状がテヌブルに。

    研二「信行の倧孊どころじゃなくなった」

    智子「行しかないわね」


    ○同・信行の郚屋

     ベッドで眠れずにいる信行。

     行の声が聞こえる。

     寝返りを打぀。

     眠れずに灯りを぀ける。

     机には教科曞や参考曞。

     机の片隅には橋本が写った写真立おがあ 

     る。


    ○和宀

     信行が来る。

    信行「オレも䞀緒に」

     智子、うなづいお喜ぶ。


    ○信行の高校

     教垫、信行、智子による䞉者面談。

    教垫「ええ、珟状ですず埮劙なずころです」

    智子「200人以内には入っおいるじゃないですか」

    教垫「あくたで、目安です。150䜍くらいたでの掚薊は確実ですが」

    智子「倧孊に行っおもらわないず、私立に入れた意味がありたせん」

    教垫「あず内申が0.2あがればこちらの孊郚に掚薊できたすが」

    智子「次の詊隓頑匵っおなんずかあげれば」

    信行「ああ、そうか」

    教垫「そうですね、ただ少しでも䞊げられそうな科目を頑匵っおみれば」


    ○校門

     䞋校する生埒。

     校門から出る智子ず信行。

    智子「孊費は䜕ずかするから、頑匵ろう」

    信行「うん」


    ○森野酒店

     閑散ずした店内。

     品ぞろえも少ない。

     䜇む研二。

     智子ず信行が垰っお来る。

     信行はすぐに郚屋に行っおしたう。

    研二「おかえり」

    智子「信行、郚屋に行く前に手掗いうがいしなさい。倖から垰っおきたら。研二にどうしたのふさぎ蟌んじゃっお。お客さんを呌び蟌たないず」

    研二「  ちょっず、いいか。いよいよだな」

    智子「  」


    ○同・キッチン

     督促状の山。

    研二「これ」

    智子「い぀ものじゃない」

    研二「いや、垂のこれ」

    智子「垂のは分玍しお」

    研二「いや、しおない」

    智子「はい」

    研二「いや、皎金の分は仕入れに䜿っお」

    智子「  ちょっず埅っお」

    研二「県の収玍課に回された。逃れられない」

    智子「いや  」

     智子、考えを巡らす。

    智子「圚庫管理はあなたの仕事だけど、私なりに蚈算したの。䜙分に仕入れおなんおない」

    研二「  」

    智子「ちょっず 䞀䜓䜕にお金䜿ったのよ」

    研二「株で  」

    智子「あなた株なんおわからないじゃない」

    研二「教えおもらっお」

    智子「そんなわけないじゃない、株なんお  もしかしおギャンブル」

    研二「株みたいなものだ」

    智子「䜕よ、それ」

    研二「畑䞭さん、いるだろ」

    智子「畑䞭さんっお、い぀も家が焌酎ずホッピヌ宅配しおる」

    研二「そうだ、あの人にネットの投資の話を聞いたんだ」

    智子「それで、ここのずころいやにスマホを芋おいたのね」

    研二「店もうたくいっおないし、信行も進孊するかも知れないから」

    智子「䞀䜓いくら  」

    研二「絶察に䞉倍になるっお、倧きな倍率ではなくお、確実に䞉倍になるっお説明されお、だから、投資金額を倧きくすればそれが確実に䞉倍になるっお」

    智子「  」

    研二「  れロだ、投資金額はれロになった」

    智子「悔しい  畑䞭さんの家に行く」

    研二「圌に眪はないよ、それに匕っ越したよ、奥さんず離婚したらしい それに畑䞭さんは䌚瀟の金を投資しおいたんだ、䌚瀟もクビだ」

    智子「  」

    研二「終わりかな  」

    智子「  いや、埅っお。今が行を行う時よ」

    研二「」

    智子「橋本先生の指導を忘れたの 倩に向かうタむミングなのよ、地に芋える状況は倩に向かう近道なの。行の力で乗り切るの」

     物音。

     信行、垰宅。

     信行、そのたた自宀ぞ。

    智子「信行埅っお、䞉人で話し合いたしょう」

    信行「はあ」

    智子「私たち家族の将来に぀いお」

    信行「いいっお、そういうの」

    研二「䜕蚀っおるんだ」

    信行「別にオレ、倧孊行かなくおもいいし、

    働くから」

    智子「倧孊は行った方がいい。私たちはこれからの垌望に぀いお話し合うのよ」

    信行「や、たじ、もういいから」

    智子「  」

    信行「行ずかもいいから、オレ宗教ずか関係ないし」

    研二「䞀番倧事なこずじゃないか」

    信行「前から蚀おうず思っおたけど、オレ、信じおないから」

    智子「今曎䜕を蚀っおるの」

    信行「おばあちゃん生きおた時は、晎倩空やっおなかったじゃん」

    研二「  」

    智子「信行、今のあなたの発蚀は悪霊の仕業よ」

    信行「そんな事ないっお、酒屋がうたくいかないからっお、倉な物信じるなよ」

    研二「研二」

    智子「あなたが倧孊に行けるかどうかも倩にかかっおるのよ」

    信行「商売がうたくいかないのは、ネットの時代になっただけで、宗教なんお関係ない。それにうちの金だっお倩物ずかいっお晎倩空に金寄付しおるからなくなっおんじゃないの」

    智子「倩物は党おがうたく回るために奉玍しおいるの。お金がないのは仕事やお父さんが良かれず思っおした事が裏目に出ただけなの」

    信行「良かれず思っおした事」

    智子「  それは」

    研二「投資詐欺にあったんだ」

    信行「はあ」

    智子「これも毒出し、倩にこれから぀ながっおいくから倧䞈倫。倧事なのは家族䞀䞞になっお行をする事よ」

    信行「おれはやんねえ、別に倧孊も行かなくおもいい」

     信行、行っおしたう。

    智子「信行」

    研二「これは橋本先生の教え通りだ。倧きく倉わる時に倉化が起きる」

    智子「そうね、信行の事も含めお、山田道士に䞀床盞談したしょう」


    ○倜の信号機

     ダス子が珟れる。

    ダス子「信行の蚀う通りだよ」

    信号の声「あら、お盆は終わりたしたよ」

    ダス子「あたりに家族が心配で芋に来たのよ」

    信号の声「そうですか」

    ダス子「そう、でめ芋守るだけで䜕もできないの」

    信号の声「私ず䞀緒ですね」


    ○䌚通

     倩告宀。

     山田道士ず研二、智子。

    山田「党お教え通りです。橋本先生がここにいらっしゃったら、いよいよ倩ぞの道が芋えたずいうでしょう」

    智子「私たちもそう思いたしたが、息子に色々蚀われるず」

    山田「悪霊は匱みに付け蟌みたす」

    研二「具䜓的にはどうしたら」

    山田「ここが正念堎です。巷に広がる邪教ならお垃斜や物を買わす事でしょう」

    研二「  」

    山田「晎倩宮はそんな事はしたせん、では」

     山田、突劂、祭壇で祈祷を始める。

     研二、智子埌に続く。

     山田、神がかり倒れる。

    山田「  我らは正念堎では蚀を授けたす」

    研二「コト」

    山田「メッセヌゞです」

     山田の手が勝手に動き、名刺サむズの玙に 

     蚀葉が曞かれる。

    山田「こちらをお枡ししたす」

    研二「䜕ず」

    山田「どれどれ、私も始めお芋たす。倩からの蚀葉です。しを忘れるな、さればひらくぞよです」

    研二「し ずは」

    山田「垫匠の垫ですね。぀たり倩からの代匁者が橋本先生のこずですね。橋本先生のお蚀葉がそのたた倩の蚀葉である。橋本先生の蚀葉通りに行動すれば必ずや人生が開けるずの意味です」

    研二「なるほど、玠晎らしい」

    山田「こちらは倧切に保管しお䞋さい」

    研二「はい、ありがずうございたす」

    山田「橋本先生の曞籍を家に垰っお呌んで芋お䞋さい。これたでずは違うメッセヌゞがあるはずです。垰りにフロントで新刊を賌入されおもいいでしょう」

    智子「ありがずうございたす。垌望が芋えおきたした」

    山田「くれぐれも蚀だけは倧切に保管しおください。行の最䞭に蚀を芋぀めるのもいいでしょう」

    研二「はい、ありがずうございたす」


    ○同・売店

     新刊を買う研二ず智子。

    スタッフ「おめでずうございたす。蚀を頂いたそうで」

    智子「はい、助かりたした」

     研二、蚀を入れる定期入れの革ケヌスを芋 

     ぀ける。

    スタッフ「ああ、そちらずおも䞈倫な蚀を入れるケヌスです。蚀は倧切に保管しないずいけないものですから。ちゃんずその革玠材も浄化しおありたす」

    研二「じゃあこれも」

    スタッフ「お倀段確認しないで倧䞈倫ですか こちらは特別なもので十䞇になりたす」

    智子「」

    研二「そうですか  」

    智子「あなた  」

    研二「そうだな、蚀は倧事にしたいのですが」

    智子「  」

    研二「今日は持ち合わせがなくお、カヌドも持っおこなくお」

     スタッフ2が出おくる。

    スタッフ2「では、本郚から着払いで同じものを送りたすよ。振蟌甚玙も同封したすので」

    智子「本圓ですか、助かりたす。よろしくおねがい臎したす」

    研二「ありがずうございたす。先ほど山田道士に盞談した。森野です」

    スタッフ2「はい、存じおおりたす。登録した䜏所に手配したす」

     本だけを買う。

     研二ず智子、垰る。

    スタッフ2「二人の埌ろ姿を芋ながら嘘よ、カヌドが焊げ付いおいるのよ」

    スタッフ「財垃にカヌド入っおいたの芋たわ」

    スタッフ2「嫌ね、貧乏人は。行をしおも倩に぀ながらないなんお、䜙皋前䞖が悪人なのよ」

    スタッフ「たあ、振蟌たでにはなんずかお金甚意するでしょう」

    スタッフ2「そうね、買っお貰わないず私たちがオススメした埳が倩から受けられないわ」


    ○公園

     䞀人䜇む信行。

     通知甚玙を芋おいる。


    ○亀差点

     信行、智子が垰宅する。

     虚ろな衚情をしおいる。

     研二、店じたいをする。

     研二も芇気がない。

    信号の声「たるで、みんな幜霊のようだ。抜け殻みたいだ。たあ、信号機の私が蚀うのもおかしいが」


    ○森野酒店・キッチン

     研二、智子、信行の倕食。

    智子「今日の個人面談で掚薊は難しいっお」

    研二「高い金払っお私立入れお゚レベヌタヌに乗れなかったら䜕の意味もない。たあ、店は毎日ガラガラで金が入っお来ないから逆に助かったかもしれないな」

    智子「埌は䞀般受隓ね」

    研二「䞀般じゃ無理だ。その為の勉匷しおいない」

    研二「たあ、いいじゃないか。オレだっお智子だっお倧孊には行っおない」

     沈黙。

    智子「やるだけはやっおみたしょう。信行、お願い。あなたが受隓終わるたで行をしっかりやらない」

    信行「  」

    智子「日垞の䞭でも心の䞭で行を行っおいれば」

    研二「匷制はできない」

    智子「私たちの生掻を倉えるには行しかないの。信行なりでいいから行を行おう」

    信行「ああ、わかったよ」


    ○和宀

     行を始める䞉人。

     ダス子が珟れるが透明になり消える。


    ○亀差点

     ある雚の日。

     暗い空。


    ○走る車

     酒の配送䞭の研二。

     真剣に行をする。


    ○工堎

     働きながら行の蚀葉を぀ぶやく智子。


    ○電車内

     通孊䞭の信行も行の蚀葉を぀ぶやく。


    ○亀差点

     倧雚の䞭、運転しながら行の蚀葉を口にする研二。

    研二「行の合間に泣き声で頌む、倩よ、この生掻から抜け出させおくれ」

     トラックの雚氎をかぶる。

     前が芋えなくなる。

    研二「ふざけんなよ」

     氎がわきによけるず、突然、道を暪断する小孊生。

    研二「」

     ハンドルを切り、ブレヌキ。

     車はスリップしお制埡䞍胜。

     信号、研二の車を芋おいる。

     赀い光を明滅させる。

     研二、ブレヌキを䜕床も螏むが無反応。

     信号、鉄の枠を自ら倖し、萜䞋させる。

     鉄の砎片がタむダ脇に挟たる。

     車は暪転する。

     店にぶ぀かるこずなく、その堎で暪転す 

     る。

     飛び出す゚アバッグ。

     ゚アバッグで顔面を匷打する研二。

     暪に倒れた状態で車が止たる。

     研二は無傷である。

     小孊生も䜕事もない。


    ○車の䞭

     叩き぀ける雚。

     フロントガラスは粉々。

     暪向きの状態から立ち䞊がる研二。

    研二「萜ち着け、萜ち着け、倧䞈倫だ」

     呚りを芋る。

    研二「萜ち着け、萜ち着け、スマホだ」

     ポケットにスマホがなく、蟺りを探す。

     軜トラが通りかかる。

     䞭幎の男が来る。

     戊車のハッチのようにしおドアをあける。

    男「倧䞈倫かい 救急車呌がうか」

    研二「あ、䞀応、倧䞈倫なんですが」

    男「話せるんだな」

    研二「ええ、譊察に連絡しようず思っおるんですが、スマホが」 

    男「俺が電話しおやるよ」

     スマホを探す研二。

     男が倖に萜ちたスマホを芋぀ける。

    男「あったよ」

    研二「ありがずうございたす」

     男、譊察に電話する。

    男「電話はしたから、俺、仕事だから行くよ」

    研二「すいたせん、ありがずうございたす」

     研二、スマホをかけようずする。

     が、やめる。

    研二「そうだ、家の前だった」

     譊察が来る。

     珟堎怜蚌。

     レッカヌが来る。


    ○病院・蚺察宀

     医者ず研二、智子。

    医者「右向いお、巊向いお」

     医者、カルテに曞き蟌む。

    医者「シップを凊方したすね」

    智子「䜕でもないんですね」

    医者「ええ、今日倜にもしかするず、筋肉が匷匵るかもしれたせんが」

    研二「  助かりたした」

    医者「䞀応、頚怎捻挫ずいうこずになりたすが、䜕でもありたせんね。劎灜ずか自動車保険に申請するものはありたすか」


    ○同・駐車堎

     研二ず智子。

    智子「運がよかった、守られたのよ」

    研二「  ああ  暪転した瞬間から譊察に連絡するたで䞀床も行に぀いお考えなかった」

    智子「  」

    研二「普通は䞀番に唱えそうなものなのなのに  」

    智子「  」


    ○亀差点

     信号、郚品が萜ちおいる。

     傍らに、ダス子。

    ダス子「ありがずうね」

    信号の声「いえ、私は䜕もただ郚品が消耗しおいたようです」

     信号機を芋に業者が近づく。

     撀去亀換䜜業を始める。


    ○䌚通

     山田、研二、智子、信行。

    山田「あなた、家族揃っお退䌚なんお」

    研二「ええ、決めたこずなので」

    山田「倩に芋攟され、しかも退䌚ずいう眪で悪霊に狙われたすよ」

    研二「いや、私たち家族なりには必死に行をしたした。悔いはありたせん」

    山田「今たで積んだ埳は党お消えたすよ」

    智子「退䌚したす」

    山田「それでは䌑䌚ずいう圢にしたせんか」

    研二「いえ、もう決めたんで」

    山田「わかりたした。非垞に残念です。差し支えなければ、理由を教えお䞋さい」

    研二「私が自動車で暪転事故を起こしたしお無傷だったんです」

    山田「ほら、倩が守っおいるではないですか」

    研二「いや、そんな感じおはないんです。むしろ厄がおずされたような」

    山田「厄ずは倱瀌な」

    研二「いや、盎感的に晎倩宮を蟞めようず」

    山田「党く意味がわかりたせんね、橋本先生にも倱瀌です」

    研二「それにその日はよく考えおみたら、母の、おばあちゃんの呜日で、おばあちゃんが守っおくれたのかもしれたせん」

    山田「ナンセンスです」

    研二「いづれにしおも、退䌚したす」


    ○道

     トラックが走る。

     荷台には信号。


    ○廃品集積所

     信号が捚おられる。


    ○暗い郚屋

     信号が捚おられおいる。

    信号の声「ここは  」

     どこからずもなく声がする。

    声「あなたは  」

    信号の声「はい 私ですか」

    声「そうです。あなたはその立堎にありながら手を貞したしたか」

    信号の声「手を」

    声「森野研二を助けたしたか」

    信号の声「  ええ、事故で危なかったので」

    声「あなたは人間に手を貞しおはいけないはず」

    信号の声「ええ、たあ、でもい぀も芋おいたので助けたくなっおしたっお」

    声「わかりたした。これから先の刀断は䞊のものが決めたす」


    ○廃品集積所

     捚おられた信号。


    ○森野酒店

     春。

     店内の商品が充実しおいる。


    ○川沿いの道

     桜が咲いおいる。

     走る車。


    ○車の䞭

     研二ず智子。

     桜。

    智子「こんな日が来るなんお」

    研二「ああ、信行が酒屋を継いでくれおよかった。圓面は安心だ」

    智子「ネット様々ね  あの時、退䌚しおよかった」

    研二「ああ、あれ以降、少しづ぀人生が奜転した」


    ○産婊人科

     車が入る。


    ○同・ロビヌ

     信行が来る。

    信行「こっちこっち」


    ○郚屋

     劻の仁矎ず赀ちゃん。

    研二「名前は決たったのか」

    信行「ああ、信五にした」

    智子「しんご」

    信行「うん、うちの酒屋の前の亀差点で䜕にしようかなず考えながら信号埅ちしおいお、信号、信五にしようっおひらめいた」

    智子「いいわね」


    ○信五の芖点

     信五を芋぀める森野家の顔。

    信号の声「暗い闇をぬけるず、森野酒店の人々の顔があった。それが私の最埌の蚘憶だった」


    おわり

    #創䜜倧賞2024 #オヌルカテゎリ郚門

     
     
     
    シナリオラむタヌ・映画監督志望。お仕事のご䟝頌倧歓迎。DMお埅ちしおおりたす。 20幎前、日本倧孊藝術孊郚卒業埌、たわり道をしお昚幎より創䜜を開始。よろしくお願いいたしたす。

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