
創作大賞感想文:髙塚しいもさん『8mmビデオをダビングして、18年ぶりに亡き父に会った話』
このエッセイに感想をつけるとしたら、「読んでほしい」の一言に尽きる。
注目記事に選ばれたからと言って、どの記事も等しく広がっていくわけではない。
それでも、このエッセイはどんどん多くの人の目に触れ、1000を超えるスキがつき、朝日新聞から取材を受けるところまで届いた。
こんな客観的事実からも、いかに筆者のことばに力があるかがわかると思う。
もしもまだ読んでいないという方がいらっしゃったら、是非読んでほしい。
この素敵な内容に対して、わたしが陳腐なことばを重ねるのはどうなんだろうと思うので、あえて多くは語らないが、何度も読み返して、そのたびに涙が出る箇所があるのでご紹介したい。
ダビングして復活したビデオテープの中で、筆者がお父さんと出会うシーン。
ビデオの向こうから「こえ」をかけられて、それに筆者が応えるシーンだ。
『しいも~』
父は私を、何度も呼んだ。
聞こえてるよ。
聞こえてる。
ここを読んで、かつて筆者が書いた創作を思い出す。
もうこの世界にいない『あなた』の『こえ』を聞こうとする主人公。
ビデオテープを通じておとうさんのこえを聞けた筆者。
共通して流れるのは、逝ってしまったたいせつな人に対する愛だ。
そしてその愛は今、筆者が全力でご家族に注いでいるのも彼女のファンなら皆知っている。
日頃から筆者、いや、しいもちゃんのご家族を応援している方はもちろん、そうじゃない方の心をも動かす素敵なエッセイです。
何度読んでも気持ちがあったかくなる。是非お読みください。