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うえを向いて息をはいて

    息はハクとスエる。
    知っている様で最近まで自覚していなかった。
    両親の在宅介護をやく十数年。

    夜のトイレやら呼び出しに応えていたら、
    不眠症に。

    フミンショウだなんて、

    昼寝がすきで3秒で何処にいても眠れたワタシには、信じられない事だ。

    そのコトバは勿論知っていて、
    物理的には大変なのだろうとは認識していたが、理解するのと自覚する事は微妙にニアンスが違うと実感している。
    そう、息を吸うことも。


    カウンセリングに通い始めて、二回目の三日後。
    はじめて、夜中にパニック発作というものになった。

    息があがり、手先足先が痺れる。
    感情はとめどなく昂っては凪ぐ。

    自分の感情がこうも制御不能になるだなんて、まるで小説だった。

    はじめての感覚に言いようのない不安。

    なんとかしなくては、と、クリニックには電話が繋がらなかたから、AIを起動した。
    チャットAI。
    便利なものだ。

    最初に表示された提案は、
    息を吸うこと。

    そして長く吐くことだった。

    ワタシも不安だったので、何でもいいからと素直に提案に従った。

    長く吐くと吸える。息が吸える。

    しばらくすると、パニックは鎮静した。


    なーんだ。

    深呼吸をするだけか。

    …。
    真っ暗な部屋の自室のベッドで言い表し様もない、自覚と違和感を感じた。

    息は

    吐くから、

    吸えるのかと。

    #創作大賞2026
    #エッセイ部門

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