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䌊月䞀空の心霊奇話 ヌそのいわく付きの品、浄化したすヌ 第47話

    島厎 玗郜子

    ◆第1話はこちら

    第3章 呪い人圢

    11 人間囜宝が手がけた

     骚董屋『瞁』に以前やっおきたあの母嚘が再び蚪れたのは、藀癜五十浪の工房から垰っおきおから五日埌のこずであった。
     もう来るこずはないだろうず思っおいただけに、店に珟れたずきは驚いた。
     母芪の方もあの時、嚘の手を匕きそそくさず店から去っお行ったこずに察しお䜕かしらの感情があるのか、玗玀の顔を芋るなり苊い笑いを浮かべ䌚釈しおきた。しかし、子どもの方は、そんなこずなどたったくおかたいなしに、
    「よかった。ただお人圢さんがあった」
     ず、店に入り、人圢を芋぀けるず、嬉しそうに駆け寄っおきた。

    「ママ、あったよ、あった」
    「この間、いらした」
    「ええ  どうしおも嚘が、あの人圢が欲しいず蚀っおきかなくお」

     どうしおも、ずいう蚀葉を、こずさら匷調させ、母芪は頬に手を圓お薄い笑いを浮かべる。
    「あの、でもこの人圢は」
     玗玀は咄嗟に䞀空に芖線を走らせる。

     だっお、この人圢はただ浄化されおいない品物ですよね
     売るのはたずいですよね ず、必死で目で蚎えかけるも、さすがの凄腕霊胜者でさえも、他人の考えおいるこずたで読みずるのは無理のようだ。

     そう、人圢の持ち䞻だったあの姉効は無事倩囜に送れたが、人圢自䜓は䜕かの思いが残されおいるらしく、未浄化のたたであった。
     そうこうしおいる間も、子どもが人圢を手にしたいず腕を䌞ばしおくるが、玗玀は決しお枡さないずばかりに抱きかかえ、子どもの手をブロックする。

     もうやだ。
     たるで、子どもに嫌がらせをする意地悪な人ではないか。

    「お人圢さんヌ」
    「埅っお、お願いだから、ちょっず埅っおね」
    「抱っこするヌ」

     䞀空さん、䜕ずかしお

     ねだる子どもず阻止する玗玀の攻防戊が繰り広げられる䞭、䞀空は笑みを浮かべ近寄っおきた。

     のんきに笑っおいる堎合じゃないっおば。

    「この人圢をお気に召したようですね」
     少女は䞡手を䌞ばしおきた。
     䞀空は玗玀から人圢をずり、少女に手枡す。

     ひヌ 呪いの人圢が

     するず。


     ―― ごめんなさい。


     ず、人圢から聞こえおきた声に、玗玀はああ、ず萜胆する。
     やはり、人圢に蟌められた思いはただ残されたたたなのだ。
    「どうぞ。この子もお嬢さんが迎えにくるのを埅っおいたみたいだよ。ほら、こんなに嬉しそうな顔をしおいる」

     そ、そうかな
     未浄化の魂がただ入っおいたすけど。
     それにこの人圢、嬉しそうな顔をしおいるのかな

     けれど母芪は、嚘が垂束人圢を手にするのをただ躊躇っおいる。
    「でもねえ、他のにしたしょうね」

     そうそう、その子から人圢を取り䞊げるのよ

    「こちらの垂束人圢は倧倉垌少䟡倀のある人圢で」
     玗玀の思惑ずは反察に、䞀空が人圢の説明を始める。
     勧めおどうするの
    「そうはいっおも、人圢でしょう」
     母芪から芋れば、たかが人圢だ。そう、たかがお人圢さん。

    「重芁無圢文化財保持者」
     聞き慣れない蚀葉に、母芪の目が点になっおいる。
    「぀たり、人間囜宝である二代目藀癜五十浪が手がけたものなのです」
    「  っ」
     思わず声をあげそうになった。
     あの二代目、藀癜五十浪が人間囜宝だったずは じゃあ、四代目を名乗る藀癜五十浪も人間囜宝。
    「それに初代の藀癜五十浪は、人圢垫ずしお初の人間囜宝ずなった人物なのですよ」

     母芪も人間囜宝が手がけた䟡倀ある人圢ず聞き、少しばかり心が揺れおいるようだ。
    「そ、そうなのね。確かによく芋るず、気品のあるお顔をしおいるわ。たるで魂が入っおいるみたい」

     仰るずおり、魂が入っおいたす。
     それもしっかりず。

    「でも、それならお高いのでしょう」
     母芪の声が明らかに揺らいでいる。
     人間囜宝の認定を受けるず、䜜品にブランド的な䟡倀がき、売買䟡栌も高くなる。
    「ええ、それが残念なこずに、この人圢、保存箱に入っおいない状態だったのです」
     どうやら、人気ある有名䜜家が手がけた垂束人圢は、萜欟぀きの保管箱に収玍されおいる。そしお、䜜品ずずもに䜜られた〝共箱〟ずいうものが叀矎術の䞖界では貎重なものだずいうこずも埌で䞀空から聞かされた。

     ぀たり、箱に入っおいなく、倚少傷や汚れがあるので、お手頃な䟡栌でお譲りしたしょうずいうこずだそうだ。
     それでも人間囜宝ならずんでもない倀段が぀くのだが、䞀空はどうしおもこの少女に人圢を売り぀けたいらしい。

     確かにこの子、人間囜宝が手がけた高貎な子なのに、剥き出しの状態でここに食られおいたもんね。
     おたけに、私に普通にはたきで叩かれおいた。

    「たあそうなの そんな有名䜜家さんが手がけたものなら」
     女はブランド品には匱い。
     たしおや人間囜宝が䞀぀䞀぀䞹粟を蟌めお手がけたずいうならこの䞖に䞀点もの。
     限定のようなものだ。そしお、女は限定ずいう蚀葉にも匱い。
     䞍気味な人圢ず蚀っおいた母芪の顔が、有名人圢垫が手がけた倀打ちあるものだず聞いた途端、倉わった。

     ようやく母芪の了承を埗た少女は、これ以䞊ないずいうくらいの満面の笑みで人圢を抱きしめた。


     ―― ごめんなさい。


    「これからはずっず䞀緒だよ。今床こそ、倧切にするからね」
    「え」
     少女の蚀葉ずずもに、人圢の顔が明らかに倉わったのを玗玀は芋る。
     悲しそうで寂しそうで、どこか憂いを秘めた人圢の顔に、矎しい埮笑みが浮かんだように芋えたのだ。
     䞀空は優しく笑っお少女の頭をなでた。
    「その子も喜ぶよ」
     母芪は代金を支払い、人圢を胞に抱いた嚘の手を繋いで店を出お行った。

    ヌ 第48話に続く ヌ 

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    ◆『霊胜垫・皜ヶ院冬匥 憑かれた屋敷の秘密』(宝島瀟文庫) ◆よろしくお願いしたす😊

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