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ワイン系サービスのビジネスモデル11選

もしAI時代に失業したら次は何の仕事をするだろうか?そう、焼き鳥屋である。「串打ち3年・焼き一生」と言われるように、焼き鳥は非常に奥が深い。同じ一羽の鳥でありながら部位ごとに串の打ち方、焼き方がすべて異なり、たとえば、もも肉は脂を落としながら皮を香ばしく焼く一方、ささみは中心をみずみずしく残さなければならない。レバーは凝固する直前、ハツは弾力を残す地点、皮は水分を抜いて脂を焼き切る地点が食べ頃になる。海外に行くとまともな焼き鳥屋が少なく、ほとんどがしょうもない「チキンソテー」になってしまう理由がなんとなく分かるだろう。

さらにワインとの相性も良い。ペアリングでは、ささみにはシャブリ、皮にはシャンパーニュ、レバーには甘口、タレのつくねにはシラーなどがセオリーとされ、近年は濁った自然派ワインを炭火焼きに合わせ、「土っぽさや揮発的なニュアンスが野性味と調和する」などと語られることもあるが、料理と合わせた瞬間に欠点が個性へ昇格するあたり、すべての焼き鳥屋はワインに注力する価値があるはずだ。

さて、多くの人は今後AIにより失業したらYoutubeで火入れを学び海外で焼き鳥屋をオープンするということは確信しつつも、とはいえワイン業界で何か仕事をしたいと考えている人もいるかもしれない。そんな人のために、海外のワイン系サービスのビジネスモデルを11個集めてみた。どれも単なるネットショップとは一味違い、変わった角度で展開しているので今後参考になるかもしれない。


1. 生産者クラウドファンディング型(Naked Wines・英)

https://www.nakedwines.com/
会員の積立金を運転資金にして、独立系ワインメーカーの生産を支援し、そのワインを会員へ直接販売するD2C型ワインEC。会員が月額を「前払い」で積み立て、その資金で独立生産者に前もって発注し、市場より安く買う。アメリカ版の場合、毎月最低40ドルを自分のNaked Wines口座へ積み立てるのだが、これは会費ではなく、将来ワインを買うための残高になる。会員は好きなタイミングで貯まった残高を使って注文できる。生産者にとっても資金繰りが安定するので有難い。

2. 生産者直送マーケットプレイス(Twil・仏)

https://www.twil.fr/
生産者がアプリに直接出店し、注文が入るとワイナリーから直送するモデル。特に目新しさはなく、フランス国内だから成立しているビジネスモデルな感じはする。日本でも「日本ワイナリー直送」は実現できなくはないが、需要は限定的か。

3. 樽買い・ボトリング前販売(Crurated・伊/英、Rekolt・仏)

https://www.crurated.com/ / https://rekolt.io/
希少ワインを樽やボトリング前の段階で会員に販売し、ブロックチェーンで所有権を管理、生産者のセラーで熟成保管して欲しいときに届ける。日本ではブルゴーニュの割当が取れない問題があるので、生産者と直接つながった「先物」会員制は富裕層に刺さる。単価は数万〜数十万円になり、高価格が中心。

4. ブラインド試飲キットで嗜好を確定(Palate Club・米)

https://www.palateclub.com/
ラベルを伏せた小瓶の試飲キットを送り、評価から嗜好プロファイルを作って以後の提案に使う。見た目や値段のバイアスなしの評価が取れる。日本ではテイスティングセットの文化がまだ薄いので、初回オンボーディングを「無料または1,000円の3本キット」にして、そこで嗜好を確定させてから発見型のレコメンドに入るとユーザーもハッピーな気がする。

5. 化学分析×嗜好マッチング(Tastry・米)

https://tastry.com/
ワインを化学分析し、その成分データと消費者の嗜好データを結び付けることで、誰に好まれる味なのかを予測する。ワイナリーにとっては、売れやすいブレンドの設計や、ヴィンテージが変わっても同じ味を再現するために活用でき、小売店や卸売業者にとっては、品揃えの重複や不足を見つけ、棚の商品構成を最適化する手段となる。これまで経験や試飲に頼ってきたワインの商品開発を、データによって効率化するサービス。

6. 小売店・飲食店向けレコメンドエンジンのBtoB提供(Preferabli・米)

https://www.preferabli.com/
消費者一人ひとりの好みに合ったワインや酒類を提案するAIレコメンドサービス。購入履歴、評価、検索内容、簡単な質問への回答から味覚プロフィールを作成し、販売店の在庫から相性のよい商品を選び出す。Vivinoのように多数派の評価に基づくのではなく、各商品に付与された最大800項目の特徴と、個人の嗜好を照合する点が特徴。小売店、EC、ホテル、レストランなどは自社サイトやアプリに導入し、ソムリエのような接客をオンラインで再現できる。収益モデルは、事業者向けのシステム利用料やライセンス料が中心。

7. 1日1本の限定オファー(SommSelect・米、Garagiste・米)

https://www.sommselect.com/ / https://garagiste.com/
毎日1本だけ、ソムリエの長文ストーリー付きで、売り切れ次第終了。比較する時間も対象もなく「今日買うか、二度と会えないか」の構図になる。在庫を抱えずに即売り切るモデルなので、ワイン業界では理想的。

8. フラッシュセール型(Last Bottle・米、Vinomofo・豪)

https://www.lastbottlewines.com/ / https://www.vinomofo.com/
Last Bottle Winesは、毎日1種類だけを販売する米国のワイン特化型フラッシュセールEC。商品は完売するまで販売され、売り切れた瞬間に次のワインへ切り替わる仕組み。ワイナリーや輸入業者などの余剰在庫、旧ヴィンテージ、希少品を仕入れ、通常価格の30~70%引きで提供。掲載商品を絞ることで集客と注文を短時間に集中させ、在庫を素早く売り切る点が特徴。

9. 投資・資産としてのワイン(Vinovest・米、Cult Wines・英)

https://www.vinovest.co/ / https://www.wineinvestment.com/
ワインを資産として買い、専門倉庫で保管、値上がりで売却。日本では富裕層向けに「飲む分と持つ分」を1つのアプリで管理し、飲む分は自社物流、持つ分は保税倉庫やプロ倉庫と提携。収益は売買手数料ならびにポートフォリオの運用手数料。

10. バーチャルテイスティング+キット(Sommsation・米)

https://www.sommsation.com/
企業のチームビルディングやオンラインイベント向けに、小瓶キットを参加者全員に送り、ソムリエがオンラインで進行。日本の法人研修・懇親会需要は大きく、BtoBで単価が一括で入る。参加者全員がその場で評価を入力するので、1イベントで数十人分の嗜好データが取れる。(同種の仏Vivantは2023年に閉鎖しており、法人需要に絞らない一般向けは成立しにくい)

11. 健康・ナチュラル志向の特化サブスク(Dry Farm Wines・米、Avaline・米)

https://www.dryfarmwines.com/ / https://www.drinkavaline.com/
「添加物ゼロ・低糖・低アルコール」だけを扱い、ワインではなく「ライフスタイル」として売る。同じ土俵の商品が他にないため価格比較が起きにくい。日本ではナチュラルワイン人気が定着しており、「二日酔いしにくい」「糖質」など日本的な健康文脈で切ると、ワイン初心者の30〜40代女性層を取れそう。


以上。ご参考までに。

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