とある女の気づき
皆様は自分自身を完全に理解していますか。
自分の好きなものを把握していますか。
なかなか、完全に把握するのは難しいのではないでしょうか。
私自身、まだ「自分」を理解できていません。
ここだけの話です。お見苦しくて申し訳ない。
私は小児性愛症でしょうか。
この前大学へ向かっている際、ランドセルを背負った男子小学生を見かけました。
以降、少年とお呼びします。
きっと自宅への帰宅途中なんでしょう。
大学は比較的裕福な人間が多い場所にあるため少年もまだ小さいながら、綺麗な靴を履き、艶のある髪をしておりました。そしてなんといってもその可愛らしい制服。
学ランのような古さを感じさせられながら、新しく皺の少ないジャケット。
重厚感のあるジャケットはきっと成長しきっていない薄い上半身を隠すように作られているのでしょうか。
しかし、ただこれだけでしたら、軽く目で追う程度で済んだことでしょう。
けれども、私がどうしても彼から目を離せなかった理由は別にあったのです。それはショートパンツにありました。
そのショートパンツは、小ぶりな臀部を丸く優しく包み隠し、太ももの最も肉付きのいいところまでを隠す丈でした。それはそれは、もう、華奢な両足をのびのと発露させ、白くきめ細かい肌を存分に発揮させるものした。
これにはなんともいえぬ背徳感と可憐さを感じました。
彼のまだ成熟しきっていない林檎のような肌は寒さに当てられ、ほんのりと赤くなっていました。
私は思わず凝視してしまいます。
なんて可愛らしいだ。
このような下世話な視線に彼も気づいたのでしょうか。
小さな目線が私をチラチラと交差します。
これでも私は成人を迎えた者です。
通報されては元も子もない。
私は気にしない素振りを見せながら足早に少年を抜かします。
しかし、少年は私の歩幅を追い抜かすように進み、また視線で私を射抜く。
そのとき、私はひとときの運命の瞬間を願いました。そのため、雑多な下界を阻むための機器を取りました。
すると少年は私を見上げながらこう言うのです。
「こんにちは」
ああ、私は本当についている。
まだ男の醜悪さを知らぬ喉で、なんて美麗な声を出すのだろう。
そう感じました。
私はすかさず「こんにちは」と返し、再び世界を拒むため耳を塞ぎ、大学へと前進しました。
彼は私に声をかけると秋風のように去りました。
その日私は天の声を授かったジャンヌダルクのような人間になっていたでしょう。
ここで改めて思い返します。
彼はなぜ私に声をかけたのだろう。
考えられることは二点ございます。
一点めは単純に好奇心。
なぜかすごく見つめてくる女がいると思い、興味関心があった、あるいは不信感。
彼は小学生男児です。知的好奇心に駆られるのも無理はない。
また不審者がいたら先手を打ち挨拶をしなさいと高尚な教育者に教えられているのかも。
大変良い心掛けですね。まあ好奇心は猫をも殺すなんて言葉がありますが。
二点めは私に良い印象を抱いてくれた。
性別において、男と女というのは互いに大きなハンディキャップを抱えております。
どちらかといえば、女性のほうが不利益を被っていることが多い世の中ですがね。
しかし、こういった邪なことにおいては女は警戒心がかなり薄れがちではありませんか。
これが男であるなら今頃、冷たい金属の輪をかけられていてもおかしくはありません。
話が大きく逸れましたが、もし彼が私に良い印象持っていてくれて行動に移してくれたなら大変喜ばしいことです。
己でいうのはあまり慎ましくないことですが、私は容姿を褒められることが時折りあります。主に女性から。
同じ性を持った者から褒めていただけることは信用に値し、光栄なことです。
もし、私の容姿が彼の脳裏に掠めてくれたのならば、天にも昇る心地です。
ここで留意していただきたいことは、私めの小汚い空想の一つに過ぎません。間に受けないでいただきたい。
ここまで読んでくださった聡明な方であれば、お分かりいただけただろか。
ぜひ、判明したのならば教えていただきたく思います。
私は小児性愛者でしょうか。