
七年越しのスタートライン
この日を、どれだけ待っていたんだろう。
推しのメジャーデビュー記念日。
珍しく日勤だった今日は、仕事を早めに切り上げてリリースイベントへ向かった。
推しはどんな気持ちで今日を迎えたのかな。そう思うだけで胸の奥がじんわり熱くなる。
CDを買って整理券をもらえるか不安でそわそわしながらも、嬉しさが波のように押し寄せてきて、気づけば小走りになっていた。

そして――
このあと、わたしは忘れられない時間を過ごすことになる。
約200人のファンの声援に迎えられてステージへ登場した推しは、堂々としていて、そしていつもより少しだけ笑顔が多かった。
アップテンポの曲から弾き語りまで、ファンのリクエストにも応えてくれて、多彩であたたかいLIVE。
メジャーデビューしても変わらず楽しそうに歌う姿に、胸がぎゅっとなった。おごらず、飾らず、ただ音楽を届けてくれる推しが大好き。

特典会では、EPにサインを書いてもらいながら声をかけた。
「○○さん、メジャーデビューおめでとう!」
すると、まさかの返答。
「もうその呼び名はやめよう。」
七年前からずっと同じ呼び名で呼び続けてきたわたし。推しはバンドが変わるたびに名前を変えていたのだ。
その一言に思わず二人で爆笑して、今までの思い出が一気によみがえった。

メジャーデビューした推しは、これからもっと大きくなっていくのだろう。
それでもわたしは、同じ景色を見たいから、これからも一緒に歩いていくんだと思う。
今の推しが変わらないと信じて――。