
🌟 なぜザ・ハウスマーティンズ『London 0 Hull 4』はUKロック史に残る名盤なのか? 🌟
🎧 まずはこの一曲!『London 0 Hull 4』を象徴する、皮肉と陽気のアンセム 🎧
弾けるようなモータウン・ビートと、とびきりキャッチーなメロディ。 「なんて幸せな時間なんだ!」と歌いながら、実はサラリーマンたちの空虚な社交(ハッピーアワー)を痛烈に皮肉った、彼らの最大のヒット曲です。
「Happy Hour」
ザ・ハウスマーティンズとは?:ファットボーイ・スリムを輩出した、ハルの「4番目に優れた」バンド
「ロンドン 0点、ハル 4点」という挑発的なタイトルを掲げたザ・ハウスマーティンズ。 このタイトルはサッカーのスコアボードを模しており、「ロンドンには見るべきバンドがいないが、俺たちの地元ハルには(自分たちを含めて)4つも優れたバンドがいる」という、強烈な地元愛とロンドンへの対抗心が込められています。
彼らは自らを「ハルで4番目に優れたバンド(the fourth best band in Hull)」と称するユーモアを持ちながら、クリスチャン・マルクス主義を標榜する硬派な政治的姿勢と、それを包み込む極上のジャングル・ポップ(ギターポップ)サウンドで人気を博しました。 そして何より、このバンドでベースを弾いていたのが、後にビッグ・ビートの帝王となるノーマン・クック(ファットボーイ・スリム:第24回で紹介)です。彼の音楽キャリアの原点がここにあります。
1. ザ・スミスへの回答? ソウルフルなギターポップ
1986年にリリースされたデビュー・アルバム『London 0 Hull 4』は、同時代のザ・スミス(第20回)と比較されることも多いですが、彼らのサウンドはよりソウルやゴスペル、R&Bの影響が色濃く、リズムが跳ねています。 ポール・ヒートン(後にザ・ビューティフル・サウスを結成)の透き通るようなボーカルと、美しいコーラスワーク、そしてノーマン・クックのメロディアスなベースラインが融合したサウンドは、パンクの精神を持ちながらも、誰にでも愛されるポップスとして完成されています。
2. ノーマン・クックの「ベース」が歌う
ファットボーイ・スリムとしての活動しか知らない人にとって、彼がこれほど手練れのベーシストであったことは驚きかもしれません。 本作において、ノーマンのベースは単なるリズム楽器ではなく、メロディを奏で、グルーヴを牽引する主役級の活躍を見せています。彼のダンス・ミュージック的なリズム感のルーツは、既にこのギターバンド時代から確立されていました。
3. アルバム全編を彩る、軽快で辛辣な名曲群
本作は、思わず踊り出したくなるビートと、社会への鋭い視線が同居しています。
「Happy Hour」 前述の、クレイアニメのPVも有名な代表曲。その歌詞は、当時のヤッピー文化への強烈なアンチテーゼでした。
「Sheep」 ゴスペル調のコーラスと軽快なリズムが心地よい、バンドのポップセンスが光る一曲。
「Flag Day」 チャリティー活動の偽善を批判した、彼らの政治的スタンスが明確に表れた名バラード。
「Think for a Minute」 ポール・ヒートンのソングライティング能力の高さを示す、メランコリックで美しいスロー・ナンバー。
結論
ザ・ハウスマーティンズの『London 0 Hull 4』は、80年代のUKロックシーンに、地方都市(ハル)からの痛快なカウンターパンチを見舞った名盤です。ノーマン・クックやポール・ヒートンといった才能を輩出した歴史的意義はもちろん、その「踊れて、歌えて、考えさせられる」極上のギターポップは、今もなお色褪せない輝きを放っています。
本記事で紹介したアルバム
バンド名: ザ・ハウスマーティンズ (The Housemartins) アルバム名: London 0 Hull 4
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▼同時期に活動していたザ・スミス
▼ノーマン・クックのファットボーイスリム
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