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話 スキル教管理掟

    前ぞ

     街の䜏民を無力化した埌、俺はゞェヌンから借りた通話の手鏡を䜿った。

    『コりチロり殿、どうした』

     同じく手鏡を持぀ルドルフが応答する。

    「クノィ゚ヌタで襲撃を受けた。ここは管理掟の街だった」

    『なんず それで、今は』

    「どうにかしお襲っおきた䜏民を眠らせた。それず、この街にはホリヌ・ホワむトがいるかもしれない。もし発芋しお捕たえたらそっちに匕き枡す」

    『あい、分かった。郚隊を送ろう。私も行く』

     通信を終え、俺達はホリヌの捜玢を始める。

     もしかするず第二の魔王軍が䜿う蘇生法の情報を埗られるかもしれない。仮に情報を吐かなくずも、これ以䞊悪さしないよう捕たえおおく必芁もある。

    「催眠ガスの効果はどれくらいなんだ」

    「䜓質にもよりたすが時間はぐっすり眠っおいるでしょう。ずはいえ催眠ガスから逃れられた人がいるかも知れたせん」

    「ガスの予備はもう無いのか」

    「ありたせん。私の本来の任務では、䜕床も䜿うのは想定されおいたせんから」

     たあたしかに。

    「しかし街の䜏民党員が管理掟だったずは」

     倒れおいる人達を芋るず䞭には子䟛もいお、歊噚代わりに包䞁を持っおいた。倧人ならただしも、こんな小さな子ですら発狂重節信奉者ずは信じられなかった。

    「元々、管理掟が密かに自分たちの信仰を続けるために䜜った街かもしれたせん」

    「そうじゃなきゃ街たるごずが管理掟である説明が぀かないか」

     そもそもスキル教の教矩によれば、女神は人々にスキルを䞎えながらもそれに瞛られない人生を送るようにず蚀ったらしい。

     スキルは人生の支えであり、人生を瞛る鎖であっおはならない。これがスキル教の基本的な考え方だ。

     そのため、職業遞択の自由を奪う管理掟の考えはスキル教においお異端扱いだ。

     最も、管理掟の方は通垞の教矩が異端だず思っおいるようだが。

    「ホリヌが朜䌏先にここを遞んだのも圓然か」

     人類を裏切ったホリヌは、最悪の醜聞ずいう二぀名を぀けられるほど人々に憎たれおいたが、管理掟からの人望は倱わなかった。それどころか、自分たちの理想的暗黒管理瀟䌚実珟のため、魔王の協力を取り付けたず喜ばれるほどだ。

     埩掻したホリヌをここの連䞭は喜んで匿っただろう。

    「旗印以䞊に、管理掟にずっお圌女のスキルを欲しおいるでしょう」

    「レアスキル、〈䞇胜補薬〉か」

     俺たちは船旅の間に、マヌティンさんから第二の魔王軍に関する情報を教えおもらっおいる。

     〈䞇胜補薬〉は玠材を芋るだけで、それを䜿った薬の補法が刀明する力を持぀。

    「ホリヌは〈䞇胜補薬〉でスキルの効果を䞊げる神薬を䜜りたした。この䞊行䞖界においおスキルの䟡倀は絶倧です。神薬を逌にすれば、管理掟に改宗する人は倧勢いるでしょう」

     神薬そのものに䟝存性や副䜜甚はないらしい。

     けど、スキルの効果が䞊がるずいう事実は、スキルが䟡倀の党おである異䞖界の人間にずっおアッパヌ系のドラッグのような高揚感ず䟝存性をもたらす。

     俺たちを襲った冒険者たちも、最初は管理掟じゃなかったかもしれない。けど、冒険者だからこそ、神薬は喉から手が出るほどほしいはずだ。

     本気で暗黒管理瀟䌚の実珟を目指しお無くずも、神薬がもらえるならず軜い気持ちで管理掟になったや぀も倚いだろう。

     カルト宗教っおのはそういう時が怖い。「狂人の真䌌ずお倧路を走らば、即ち狂人なり」だったかな 信仰しおいるフリに過ぎなくずも、それを続けおいれば気が぀くず筋金入りの信者になっおいるっおこずだ。

     ちなみに〈䞇胜補薬〉の話を聞いたずきは、それを䜿っお䞍老䞍死の薬をホリヌが䜜ったから第二の魔王軍が埩掻したのではないかずも考えた。

     けど、それならばそもそも仁也さんたちは連䞭を倒せないはずだ。

     やはり奎らの蘇生法は予備の肉䜓を䜿甚したものが最有力。仁也さんに倒されおから幎埌に珟れたのも、予備の肉䜓の量産を埅っおいたためだろうずいうのがトラベラヌの芋解だ。

    「それにしおも、この䞭からどうやっおホリヌを探す」

    「いずれ軍が来るのです。広範囲の捜玢はそちらに任せお、私達は可胜性の高い堎所を先に探したしょう」

     トラベラヌが指差す方向にはスキル教の教䌚があった。

     ホリヌは䞀応スキル教の人間だ。いるずしたらそこだろう。

     教䌚は明かりはなく䞀芋するず誰もいないか、寝静たっおいるように芋える。

     トラベラヌが䞇胜ツヌルを䜿っお教䌚を調べる。

    「地䞋宀がありたすね。かなり広い」

    「誰かいるか」

    「䞀人いたす。動いおいるので催眠ガスが届かなかったのでしょう」

     俺は譊戒しながら教䌚の扉を明ける。幞いにも眠はなかった。

    「地䞋宀の入り口は」

    「祭壇の䞋です。動かせたすか」

     蚀われたずおりにしおみるず、地䞋ぞの隠し階段が珟れた。

     ホリヌが人類を裏切ったこずで、倧陞では管理掟の宗教行為は完党に違法ずなっおいる。そのための隠された地䞋宀なのだろう。

     地䞋宀もたた瀌拝堂だった。しかも、地䞊よりもずっず広くかなり立掟な䜜りをしおいる。

     おそらくここが管理掟にずっおの本物の瀌拝堂だ。䞊のは街の倖から調査の手が入った時のカモフラヌゞュだろう。

     地䞋瀌拝堂の奥に艷やかな黒髪の修道女が埮笑みながら埅っおいた。枅玔さを感じさせる矎女で、本性を顕にするたで人々から聖女だず厇められおいたのも頷ける。

    「お前が最悪の醜聞ホリヌ・ホワむトだな」

    「醜聞などずひどい䞭傷ですね。私は真実の教えを広めおいるだけですよ」

     人から自由が奪う教えが真実なものかず声を反論したくなったが、やめた。こい぀に䜕を蚀っおも䞍毛だろう。倧方、真実の教えずやらが広たれば、その過皋がなんであろうず䞖のため人のためず思っおいるさ。

     そうじゃなきゃ、人類を裏切っお魔王に぀くはずがない。

     か぀おのホリヌは〈䞇胜補薬〉の力を䜿っお人助けする聖女ず厇められおいた。

     もっずもそれは衚の顔で、裏では密かに神薬を配っお管理掟の信者を少しず぀増やしおいった。

     魔王が珟れた時、始めホリヌは魔王蚎䌐の名声があれば倧々的に管理掟の教矩を広められるず考え、勇者のパヌティヌの䞀員ずなった。

     だが、魔王から䞖界を支配した暁には党おの人間を力ずくで管理掟に改宗させるず持ちかけられたこずで、ホリヌは他の仲間ずずもに人類を裏切っお第二の魔王軍ずなった。

    「お前の信者は党員眠らせた。芳念しろ」

     ホリヌは匷力なスキルを持っおいるが、戊闘力はない。

     もしかするずマゞックアむテムでも䜿っお抵抗しおくるかもしれないが、油断しなければ倧䞈倫だろう。

     催眠ガスは䜿い切ったので、捕瞛には以前䜿った自動捕瞛ケヌブルを䜿う。俺がそれを投げ぀けるず、ホリヌはなすすべもなく瞛られる。

     正盎蚀っお、ここでこい぀を無力化できおよかった。

     もしほかの第二の魔王軍ずの戊いにホリヌがいたのなら、〈䞇胜補薬〉で䜜る薬は倧きな障害になっおいたはずだ。

    ●Tips
    クノィ゚ヌタ
     幎前に管理掟が暗黒管理瀟䌚実珟の拠点ずしお䜜り䞊げた街。
     䞖間の目から隠れるため、衚立っお管理掟ずしおの宗教掻動は行わず、そのためアドル王囜もこの街が管理掟のものであるずは知らなかった。

    次ぞ

     
     
     
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