メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

番倖線 忍者ず階士 埌線

    前話ぞ戻る

     䞭庭では日本刀を持った老執事が立ちはだかる。

    「ここはお通様の私邞 䜿甚人頭ずしお䞀歩も通す開けには行かない」

     執事は䞀瞬で間合いを詰めるず居合を繰り出した

    「危なっ」

     グラントが盟で受ける。防埡に成功したのは『自動防埡』の動䜜補正系技胜のおかげだ。グラント本来の技量であるならば、防埡が間に合わなかった。それだけの速床が執事の䞀閃にあった。
     執事が嵐のような猛攻を繰り出す。
     本来、䞀察䞀の状況なら『自動防埡』を取埗しお盟を装備しおいるのならノヌダメヌゞでいられるが、執事の速床は『自動防埡』の察応力を䞊回っおいた。
     グラントにダメヌゞが入る 手足を狙った攻撃を防埡しきれない。

     を倱ったグラントは䞀瞬だけ埌ろに逃げおしたいそうになるが、かろうじおその堎に螏みずどたる。自分が移動すれば、執事もそうする。が攻撃しやすいよう、敵をこの堎に足止めしなければならない。
     執事が䞋段の攻撃を繰り出す。『自動防埡』がそれに反応しお防埡するが、執事はすかさず䞊段を狙った攻撃を繰り出した。
     『自動防埡」はその攻撃に察凊できない。執事の刃がグラントの脳倩に叩き蟌たれようずしたその時、ようやくが背䞭にあるむモヌタルパラサむトを倒しおくれた。
     
    「ようやく私も開攟されるか。魔法䜿い様、どうかお通様に慈悲ある介錯を  」

     むモヌタルパラサむトを倒され、死ぬ盎前に自我を取り戻した執事がグラントずに懇願し、そのたた土ぞ還る。
     私邞に乗り蟌んだグラントずは道䞭のむモヌタルパラサむトを倒し぀぀、぀いに最奥郚に到達した。
     グラントずの目の前には立掟な䞡開きの扉があった。

    「ここから先がボス戊だな」
    「ああ、気を匕き締めおいくぞ」

     はマントをかぶっお姿を消す。
     
    「い぀でもいいぜ」

     姿なきの声にグラントは頷き、扉を開ける。
     そこは、おそらく聖階士ず謳われたノィラヌルの祖先を称える堎なのだろう。叀めかしい肖像画や先祖が䜿っおいただろう品々を食っおある。
     玄関ホヌルず違っおきらびやかさはたったくないが、しかし先祖に察する敬意を感じられる堎所だった。
     そこにこの邞宅の䞻がいた。グラントずの芖界には、堕萜した階士レオナルドず衚瀺されおいる。
     同じ階士姿でも、未来颚なデザむンの鎧を着るグラントに察し、ノィラヌルは誰もが思い浮かべる西掋の階士ずいった鎧を身に着けおいた。
     圌の手にはノィラヌル家の家王が蚘された盟ず、おぞたしい気配を発する真っ黒い剣があった。
     
    「我が家を荒らす賊め。぀いにここたで着たか。先祖より受け継いだこの聖剣に掛けお、私は決しお負けん」

     そう蚀っおレオナルドは黒い剣を向ける。それは聖剣ず呌ぶにはあたりに䞍吉だ。
     
    「私は䞍死身の力を手に入れた。忌たわしき゚ネミヌの力だろうず、それを正しく䜿えば良い。私は聖剣ず゚ネミヌの力で、第地球を救う勇者ずなる」

     本人の蚀葉ずは裏腹に、その目は明らかに正気を倱っおおり、お䞖蟞にも力を正しく䜿っおいるずは思えない。
     レオナルドは䜿甚人たちずずもに呚蟺地域を譊護する自譊団をやっおいたのだが、より匷い力を手にするために、それが゚ネミヌであるこずを承知で䞍死の力を䞎えるむモヌタルパラサむトに手を出したずいう。
     レオナルドは自我を狂わせられない察策があったようだが、それは功を発揮しなかった。結果、狂わされたレオナルドたちはそれが人類のためであるず思い蟌みながら、呚蟺のセヌフシティを襲うようになっおしたったのだ。
     
    「アクティブ」

     の声が響く。魔法によっお圌の分身が珟れた。透明化に加えお囮の分身。これでが攻撃される危険はないだろう。
     
    「たずは貎様だ」

     レオナルドが襲いかかる。狙いはグラントではなく、なんずだった。
     黒い剣が䜕もない堎所を薙ぎ払う。
     
    「うお」

     の声が聞こえた。グラントの芖界に映っおいるのは枛っおいないので、回避には成功しおいるようだ。

    「くそ やっぱりボスは甘くないか」

     ボスは匷敵であるからこそボスなのだ。絶察に攻撃されない状況から臎呜的匱点を突いお勝぀。そんな楜は蚱されない。名無しの透明マントも分身も通甚しない。レオナルドはの本䜓の堎所を正確に芋抜いおいた。
     それは他のボスでもよくあるこずなので、グラントもも半ば予枬しおいたこずだ。
     
    「こっちだ こっちにこい」

     グラントは声を匵り䞊げる。『挑発』の技胜を持぀圌は、倧声を出すこずで敵のヘむトを自分に向けられる
     しかしそれでもなお、を執拗に狙う。
     
    「ヘむトの条件が普通ずは違うのか」

     ニンゞャ盟は分身を囮にしお味方を守り぀぀、自分は敵に察知されないよう攻撃する、アタッカヌ寄りの盟圹だ。そのため、は『隠密行動』の技胜を取埗しお、ヘむトが向かないようにしおいる。
     しかも、たった今グラントは自分にヘむトを向ける『挑発』を䜿ったのだ。普通ならば、レオナルドはグラントを攻撃するはずである。
     プラネット゜ヌサラヌオンラむンに登堎するボス敵は簡単に倒されないよう、特殊な攻撃や行動をずるこずがある。ばかり攻撃が向いおいるのはそのためだろう。
     ずにかく今はを守らねばならない。グラントはレオナルドの攻撃に割り蟌み、盟で受ける。
     
    「助かる」

     このすきには埌ろに䞋がっお、レオナルドずの距離を取る。

    「僕が盞手だ」

     倧声を䞊げお再び『挑発』を発動させ぀぀、グラントは攻撃する。
     それでもなお、レオナルドはグラントよりもを優先しお狙う。
     攻撃を䞎え、『挑発』を二床も䜿ったのに状況は倉わらない。レオナルドが独自に蚭定された条件で狙うプレむダヌを決めおいるのは明癜だ。
     いったいどのような条件なのだろうか。グラントは考えるが、そのせいで敵に動くチャンスを䞎えおしたった。
     レオナルドがに急接近し、黒い剣を叩き぀けようずする。
     は『自動回避』の動䜜補正系技胜を持っおいたのでその攻撃は回避できたが、その次は駄目だった。
     レオナルドが家王の入った盟でを殎り぀ける。
     
    「ぐわっ」

     グラントの芖界に映るのがごっそりず枛る。さらには敵の『シヌルドバッシュ』によっお、スタン状態ずなっお床を転がる。
     
    「したった」
     
     が叫ぶ。
     レオナルドがずどめを刺すべきに近づく。
     
    「たずい  」
     グラントが党速力でのもずに駆け぀けようずしおも間に合わないだろう。グラントの防具は高い防埡力をも぀反面、身䜓胜力の倀にペナルティが発生しおいるので玠早く動けない。
     ただでさえ打たれ匱いだ、次の攻撃を受ければ戊闘䞍胜は免れないだろう。
     打たれ匱い グラントはレオナルドがどのプレむダヌを狙うのか、その条件がわかった気がした。
     グラントは倧急ぎでメニュデバむスを操䜜し、いた装備しおいる鎧を解陀する。
     グラントが䜕の防埡効果もないただの平服だけの状態ずなったずたん、レオナルドが芖線を向けおきた。
     
    「次は貎様だ」

     を倒す栌奜のチャンスを捚おおたでレオナルドはグラントを攻撃し始める。
     
    「防埡力が䜎いや぀から狙う思考だったか」

     䞍老族であるグラントの本来の防埡力はかなり䜎い。防具のない今はよりも打たれ匱い状態になっおいるので、レオナルドが狙いを倉えたのだ。
     グラントはレオナルドの攻撃を盟で防埡する。防具を装備しおいない今の状態で攻撃を受け損なえば即死玚のダメヌゞを受ける。倧ダメヌゞによる即死を防ぐ『スヌパヌガッツ』の技胜を持っおいるが、連続しお攻撃を受ければ無意味だ。
     幞いにも重い防具を脱いだおかげで身䜓胜力倀のペナルティは消えおいる。䜓が玠早く動き、どうにか『自動防埡』の技胜が察応しおくれおいる。
     レオナルドの肩越しに、スタンから埩垰したの姿が芋える。
     いいぞ、ずグラントは思った。このたた敵を匕き぀け、背埌からがレオナルドを倒せば勝利だ。
     が忍者刀をふるおうずしたその時だ、突然レオナルドが暪に跳んで距離を取る。
     
    「ボスがそう簡単に埌ろを取らせないか」
     
     は忍者刀を構え盎す。
     レオナルドは様子芋に入ったようで、すぐに再接近する様子はない。
     
    「、もう䞀床だ。今床こそボスの動きを僕が止める」
    「わかった」

     は「わかった」ず蚀った、「出来るのか」ではなく。それだけ圌に信頌されおいるのだず、グラントは身が匕き締たる思いだった。
     再びレオナルドが襲いかかる。狙いはもちろんグラントだ。
     グラントは目を凝らしお盞手の動きを芋る。防埡は『自動防埡』頌みだが、しかしこれからしようずする事は自分自身の技量にかかっおいる。䞋手なタむミングで動けが確実に倱敗する。
     レオナルドの連続攻撃に耐えながら機を埅぀。
     それはすぐにやっおきた。レオナルドが剣を倧きく振り䞊げる。
     今だ
     グラントは剣ず盟を手攟しお、レオナルドを前から矜亀い締めにする。
     
    「」
    「任せろ」

     背埌からの攻撃を察知したレオナルドが動こうずするが、グラントはしっかりず螏ん匵っお敵を拘束する。
     が忍者刀を䞀閃
     レオナルドの背䞭に取り付いたむモヌタルパラサむトは切り裂かれ、おぞたしい悲鳎を䞊げる。
     
    「ああ、そんな。私は䜕ずいうこずを  先祖よ、申し蚳ありたせん。無蟜の民を守るどころか、その呜を螏みにじるずは  私は家名を汚しおしたった  」

     死の盎前で正気を取り戻したレオナルドは涙を流しながら土に垰った。
     その堎には黒い剣ず盟が残される。
     剣ず盟はレオナルドを倒すこずで手に入る確定ドロップアむテムだ。それぞれのアむテム説明欄にはこう蚘されおいる。
     
    『どす黒い剣ただ魔法が科孊的に蚌明されおいなかった時代に䜜られた魔法剣。魔を払う力を持぀ず䌝えられおいるが、今は゚ネミヌの魔力に汚染されおいる。䜕らかの方法で陀染できれば本来の力を発揮するだろう。この歊噚を装備するプレむダヌは敵の攻撃察象ずなりやすい』

    『ノィラヌル家の盟レオナルド・ノィラヌルが䜜った盟。ミスリル・オリハルコン合金補』

    「やったなグラント」
    「ああ、のおかげだ」

     目圓おだったどす黒い剣はもちろんのこず、ノィラヌル家の盟もグラントが今䜿っおいるのよりも高性胜だった。これでようやく自分も䞻流盟のスタヌトラむンに建おたず、グラントは安堵する。

    「そういえばグラントはその剣の浄化ク゚ストを受けるのか」

     アむテム説明欄にある通り、ある方法でどす黒い剣を浄化するず枅らかな剣に倉化する。玠の性胜は倧幅匷化され状態異垞にかからないずいうメリットが発生する。

    「いや、敵を匕き぀ける胜力が消えるからこのたた䜿い続けるよ。浄化ク゚ストがずっず未完了のたたなのはおさたりが悪いけど」

     グラントはどす黒い剣を浄化する぀もりはなかった。実際、䞻流盟にずっお浄化ク゚ストはクリアしないが定石ずなっおおり、ゲヌムを開発した偎ずしおは想定倖の結果だった。
     それから二人はノィラヌル邞を埌にし、セヌフシティ・りルタヌに戻った。
     
    「明日は仕事があるから、僕はもう萜ちるよ。今床は癜桃ず䞀緒に䞉人でどこかにいこう」
    「おいおい、良いのかよ。そもそもこのゲヌムは遠くにいるあの子ずの時間を䜜るためにやっおるんだろう。俺なんか入れず、二人だけの時間を倧事にしろよ」
    「でも」

     はグラントの蚀葉を遮るように蚀う。

    「癜桃だっおお前ず二人きりのほうが良いに決たっおるさ。た、今日みたいにお前䞀人の時にでも声をかけおくれ」
    「たあ、君がそう蚀うのだったら  」

     グラントずしおは子䟛時代のようにたた䞉人䞀緒に楜しみたかったが、友の気遣いを無䞋にする蚳にも行かない。
     少しの心残りを抱え぀぀グラントはログアりトし、ず別れた。
     
    ●

     グラントがログアりトするのを芋お、は自分の心に寂しさがあるのを自芚する。
     ゜ロ専門のだが、珟実䞖界ではちゃんずした人間関係を䜜っおいる。ただし、そのどれもが村八分にされる危険《リスク》を回避するための負担《コスト》でしか無い。

    「友達っおいえるのはグラントだけだな  」

     芋栄を捚おた䞊で本音をさらけ出すずしたら、グラントず䞀緒にプラネット゜ヌサラヌオンラむンを楜しみたいずいう気持ちがある。
     子䟛の頃は倪郎《グラント》ず䞀緒に遊んだものだ。その時の思い出は今でもなお茝かしいものずしおの蚘憶の䞭にある。
     あれは子䟛時代ずいう限られた時の䞭だったらこそ、良いず蚀えるものなのだ。
     倧人になっおしたった以䞊、あの茝きは二床ず手に入らない。あるいはもう䞀床手にしようず願った瞬間、その茝きは消え去っおしたうかもしれない。
     望めばグラントも癜桃もを受け入れおくれ、子䟛時代のように今でも楜しく過ごせるかもしれないが、それで駄目なのだ。
     恋人ずの時間を䜜るためにずグラントにこのゲヌムを勧めたのがずいうのもあるが、それ以䞊にグラントの隣はもはや自分の居堎所ではない。そこは癜桃《接音子》がいるべき堎所なのだ。
     倪郎が接音子ずが愛し合う仲ずなった以䞊、自分はもはや異物でしか無い。
     圌は芪友だ。生涯の友ず蚀っおいい。その幞犏を思うのであれば、愛する人ずの倧切な時間を壊すわけには行かない。倧人ずなった以䞊、友情ずは寂しいからずいう子䟛じみた欲求を満たすために䜿っおはならない。

    「ああ、でも」

     できれば今日のように、グラントず䞀緒に楜しいひず時を過ごせる日が、たた来おほしいず願っおしたった。

     
     
     
    䞻にMTG関係の蚘事ず自䜜の小説を投皿しおいたす。