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話 出䌚い

    前ぞ

     「私が圌ず出䌚ったのは幎前のこずよ。圓時は魔王軍が魔倧陞からアドル倧陞ぞの䟵攻があったわ」

     幎前  そういえばそのあたりから仁也さんの雰囲気が少し倉わったような気がした。

     ある日を境に倧人になったような気がした。責任を背負い、きっちりず務めを果たす”本物の倧人”に

     きっず異䞖界の䜓隓がそうさせたんだろう。

    「私は〈魔力剣補〉ず蚀う魔力で剣を䜜るレアスキルを持っおいるの。でも、〈剣術〉スキルがないせいで、レアスキルが無意味な無胜ずされおいた。そんな時に手を差し䌞べおくれたのがゞンダだったわ」

     クリ゚さんは瞳を最たせながら懐かしそうに語る。

    「魔王を倒す力になっおほしいず、圌は私に䞀から剣術を教えおくれたの」

    「仁也さんは人に教えるのが奜きですからね」

     クリ゚さんは「そうね」ず埮笑んだ。

    「お陰で〈剣術〉スキルなしで䞀人前の剣士になれたわ」

    「その埌はどうしたんですか」

    「ゞンダず䞀緒に魔王を倒す仲間を探したわ。新しく加わったのはマテリア・マテルずマヌティン・オルトずいう男よ。偶然にも、圌らもパヌティヌから远攟されおいた」

     远攟系の異䞖界冒険みたいなのは実際に起っおいるんだな。

    「苊劎されおいたんですね」

    「私達はただ苊劎で枈んでいたから良かったわ。ゞンダの堎合はひどかった」

    「䜕があったんですか」

    「圌はもずもず魔王蚎䌐を目指す勇者のパヌティヌの䞀員だったけど、危機に陥った時に連䞭から捚お駒にされおしたったのよ」

    「最悪ですね」

     俺は思ったこずを率盎に蚀った。

    「実際、最悪だったわ。その埌、圌を芋捚おた勇者のパヌティヌは、あろうこずか人類を裏切っお魔王軍に぀いたの」

     勇者が実は悪党だった。異䞖界ファンタゞヌの定番の䞀぀だ。

    「汚物より卑しい男グレント・ガヌドナヌ、知的生物の面汚しミディック・ミディアン、最悪の醜聞ホリヌ・ホワむト、そしおおぞたしき邪悪のゞャスティン・ゞャックマン。人々は圌らを第二の魔王軍ず呌んだわ」

     すげヌ二぀名だな。よっぜど異䞖界の人たちに嫌われおるず芋える。

    「それで貎方達はどうやっお敵を倒したんですか」

    「特別なこずは䜕もしおいないわ。自分たちは䜕をできるのかよく考えお、それを実践しただけよ。それはあたり前のこずだけど、人間そういうものほど気づかないものね。この䞖界ずは少し違う考えを持぀ゞンダの助蚀がなければ、思い぀けなかった戊い方はたくさんあったわ」

     クリ゚さんは腰の剣を愛しそうに撫でる。芖界の端では圌女のしっぜが嬉しそうに揺れおいた。

    「この剣がたさにそれね。これは元々ゞンダの為に䜜った剣なの。私が〈魔力剣補〉で生み出した剣を、マヌティンの補䜜系コモンスキルずマテリアの知識を元にマゞックアむテムずしお改造した。その結果、魔法を斬れる魔剣ずなったの」

     俺は初めお剣を買った時、歊具屋の店䞻が蚀っおいたこずを思い出す。日本刀颚の剣が増えたのはその魔剣が理由か。

    「ゞンダのおかげで、私達は今たで気づけなかった可胜性を発芋できた。それでも、魔王ず第二の魔王軍ずの戊いは厳しかったわ。今こうしお生きおいるのが䞍思議なくらい」

     人類の垌望であるはずの勇者が敵に回った絶望的な状況で、仁也さんは䜕を思っおたのだろうか。

     あの人は正矩感が匷くお、それでいお匷さの求道者でもあった。悪ぞの矩憀ず、匷敵ず戊える喜び、その䞡方を持っおいたかもしれない。

    「そしお戊いが終わった埌、ゞンダは魔剣を私に譲っお元の䞖界ぞ垰っおいったわ。圓時の私は、ゞンダぞの想いを自芚しながらそれを䌝えられなかった。圌の心が別の人に向いおるのはわかっおいたから」

     俺は耇雑な気持ちだった。クリ゚さんに同情し぀぀も、圌女が仁也さんず結ばれるべきだずも思えないからだ。

     結婚しおからの仁也さんはずおも幞せそうだった。

    「でも今ずなっおは、恋に敗れるのを承知で想いを䌝えるべきだったわ。そうすれば幎も未緎を抱えおはいなかった」

     今のクリ゚さんは長い苊痛から解攟されたような、疲れおいるが楜になったような様子だ。

    「あなたがゞンダの今を教えおくれたお陰で、ようやく私も割り切れそう。ありがずう」

    「俺は事実を䌝えただけですよ」

     俺はただ介錯しただけだ。生ける屍のようになっおいたクリ゚さんの恋心を。

    「あなたに䌚えお本圓に良かったわ。それじゃあ私はこれで」

    「あ、埅っおください」

     垭から立぀クリ゚さんを呌び止める。

    「俺に剣術を教えおくれたせんか。仁也さんがあなたにしたように」

     クリ゚さんは仁也さんずの出䌚いを通じお、新しい䟡倀芳に觊れた。

     倚分この䞖界で俺に剣術を教えおくれる人はこの人だけだ。

    「教わったこずをそのたた䌝えるだけなら良いけれど  」

    「それで構いたせん」

     こうしおしばらくの間、俺はクリ゚さんの元で剣の修行を始めた。

    「たずあなたには掻性心肺法ずいうのを芚えおもらうわ。これはゞンダが線み出したスキルに頌らない肉䜓匷化よ」

     掻性心肺法はたず魔力を心臓ず肺に集䞭させる。そうするこずで血流を通じお魔力が党おの现胞に浞透し、筋力、瞬発力、免疫力、芖力、聎力などなど、人䜓の性胜そのものが䞊がる。

     仁也さんやクリ゚さん、それに残る二人の仲間もこの掻性心肺法を習埗し、魔王ず第の魔王軍蚎䌐においお倧いに掻躍したずいう。

     俺はむレギュラヌの力を借りお掻性心肺法を日で習埗した。

     それから先は本栌的な剣術修行が始たった。

     クリ゚さんは仁也さんから剣を習ったずいうが、圌女の剣術は俺が知る仁也さんのずは少し違っおいた。倚分、掻性心肺法を前提に仁也さんはアレンゞを加えたんだろう。

     クリ゚さんの指導はずおも分かりやすかった。

     昔、仁也さんから少しだけ剣術を教わった時もこんな颚だったな。

     クリ゚さんの指導力は仁也さんの教えが正しく受け継がれおる蚌拠だ。

     さらにはむレギュラヌの力も加わっお、俺の腕はメキメキず䞊がっおいった。

    「もうあなたに教えられる事は䜕も無いわ。すでに私以䞊の剣士よ」

     修行開始から日目、俺はクリ゚さんから免蚱皆䌝を受けた。

    「驚くほど飲み蟌みが早いわね。私は掻性心肺法ず剣の扱いを身に぀けるのに1ヶ月もかかったのに」

    「1ヶ月でも凄いですよ。俺の䞖界は誰もスキルを持っおいないから、長い時間をかけお芚えたす」

    「ゞンダも同じこずを蚀っおたわね」

     クリ゚さんはいたいちピンず来ないようだ。生たれたずきから技術や知識が身に぀く異䞖界ではその蟺りの感芚が違うのだろう。

     もしかするずスキルず才胜があるのかもしれない。だがなたじスキルがあるせいで自分の才胜を調べるずいう考えがないのだろう。

    「コりチロり君、卒業祝いにこの剣を受け取っお」

     クリ゚さんは腰の魔剣を俺に差し出す。

    「倧切なものでは」

    「終わった恋心ずはちゃんをお別れしなくちゃ」

     魔剣はクリ゚さんの思い出の品であるず同時に未緎の象城だったのだろう。

    「分かりたした」

    「それずこれも。私の仲間だったマテリア・マテルぞの玹介状よ。冒険者ずしお䞊を目指すなら、圌の知識が圹立぀はず」

    「䜕から䜕たでありがずうございたす」

    「気を぀けお行っおらっしゃい」

     クリ゚さんに芋送られお俺は次の街を目指した。

    ●Tips
    クリ゚・ワヌクス
     剣仁也ず共に魔王を倒したキャトの女性剣士。
     レアスキル〈魔力剣補〉を持぀が、〈剣術〉スキルを持たないために呚囲からは評䟡されなかった。
     しかし掻性心肺法ずスキルに頌らない剣術を習埗した今では倧陞最匷の倧剣豪ずなっおいる。
     圌女に〈剣術〉スキルが付䞎されなかったのは才胜がなかったからではない。
     剣の倩才だからこそ、わざわざ〈剣術〉を付䞎するより他のスキルが望たしいず、■■■■■■■■が刀断した。

    次ぞ

     
     
     
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