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シゞュりカラ巣立ち物語 任期日の譊備員ず、早朝時の野良猫アサシン

       んおぉ、  なんか、倖が猛烈に隒々しい。

     野鳥の声に、眠りの䞖界から匕きずり出された。野鳥の声ずいっおも、小鳥たちの矎麗なさえずりによる優雅な目芚めではない。䟋えるなら、郚屋のすぐ倖でパトカヌがサむレンを鳎らしおいるかのような、けたたたしい鳎き声での目芚めである。

     カヌテンの隙間が薄ら明るいものの、ただ暗い。半分寝ながら手探りで目芚たし時蚈のラむトを点けるず、時刻は午前時分だった。

     隒ぎ声の䞻は、自宀にある小窓の真䞋で絶賛子育お䞭のシゞュりカラだ。自他ずもに認める鳥オタクゆえ、寝がけおいおも声の䞻は秒で同定する。

       んぇヌ、この嚁嚇は、  ヘビじゃないな。  もしや、猫か


     ここ数日はヒナたちの声が倧きくなっおいお、ヒナの存圚を確認した時期から考えおも巣立ち間近。䞀番襲われやすい頃合いである。

     䞀気に頭が冎えお、ほが真っ暗な郚屋をバタバタず勘で移動し、小窓から倖を芗き蟌んだ。

     ぬおお、やっぱ猫いる たずいぃぃぃ


     どうも獲物がいるらしいず感づいた様子の野良猫が䞀匹、シゞュりカラが営巣しおいる、地面に盎眮きされた円筒状のオブゞェシゞュりカラ荘ずでも呌がうを嗅ぎたくっおいた。

     人間の家族を起こさぬよう、家の䞭はすり足で玠早く移動し、玄関ドアを開けた瞬間からドドドドドォォ ず猫のいた方ぞ突進する。

     猫は玄関の開く音がした時点で逃走を図ったらしく、芖界に捉えた時にはくらい先にいた。

       この距離で諊めるず思うなよ


     ここにいるず人間に远い回されるずいう嫌な思い出によっお、しばらく寄り぀かないでいただきたい。

     立ち止たっお、「たあこれ以䞊は来ニャいだろう」ずいう顔でこちらを芋おいる猫にロックオンし、早朝の寝起き人間ずは思えぬ機埮で猫めがけお地面を蹎る。

     猫は、たさかの猛远に目を芋開き、䞀拍遅れお猫なのに脱兎のごずく駆け出した。

     くらい远跡したずころで、猫は藪ぞ逃げ蟌み、姿が芋えなくなった。でもただ逃げおいるらしい。走り去る猫の足音に少し耳を柄たせおから、睡眠時間を取り戻すべく螵を返した。

     家に戻る途䞭、シゞュりカラ荘の前を通りがかるず、芪鳥に嚁嚇された。しかし、「䞀応蚀っずくか」みたいなテンションである。

     シゞュりカラはずおも賢い。どうも最近、我が家を行動範囲にしおいるシゞュりカラたちから『䜿える倧型動物』認定されおいる節がある。

     やれやれ、どうやら今幎も、シゞュりカラ䞀家専属巣立ち譊備員の任期が始たったようである。





     ピィヌピィヌピィヌ ピピッ ギャギャギャギャギャッ ツツピィヌツツピィヌ



       隒がしいこずこの䞊ない。

     翌朝。たたしおも窓倖の倧隒ぎによっお目が芚めた。暗がりで目をしばたかせながら確認した時刻は、本日も午前4時台。

     ただ、昚日の察猫嚁嚇ずは少々声色が違う。パトカヌのサむレンずいうより、お祭り隒ぎずいった感じで、察ヘビ嚁嚇でもない。

     䞀応フラフラず寝がけ県で小窓ぞ向かい、倖を確認する。

     猫なし。ヘビなし。猛犜類その他、倩敵の圱なし。

     なんなら、倧隒ぎのなかホオゞロが矜、呑気にその蟺を歩き回っおいる。倩敵がいたら、臆病なホオゞロが地面にいるはずもない。

       もしかしお、巣立ちか


     だったら遠巻きに芳察したい気持ちもあるが、巣立ち圓日は芪鳥が最も神経質になっおいる日でもある。今のずころ倩敵はいないし、そっずしおおこう。

     喧隒をに、フラフラず垃団ぞ朜り蟌み盎した。





     数時間埌。やけに近くからシゞュりカラのヒナの声が聞こえおきた。そっず窓を開けお芗くず、ベランダの手すりにヒナが矜、ちょこんず止たっおいる。

    画像
    ご飯ちょうだいコヌル䞭のヒナ。

     やはり、今朝は巣立ちでお祭り隒ぎをしおいたらしい。

     「ゞェゞェゞェむッ」ず、ご飯ちょうだいコヌルをしおいるヒナを物陰から写真に収め぀぀、猫に目を぀けられおいるこずだし、今日䞭に党員巣立っおもらいたいずがんやり考えた。





     䞉日目。
     芪鳥による、察猫嚁嚇隒ぎで目を芚たした。時刻は午前時分。
     前回よりも玠早く窓蟺に立ち、ゞャッずカヌテンを開けるず、「あっ」みたいな顔でこちらを芋䞊げた猫ず目が合った。


       たぁぁぁたオマ゚かぁぁぁ


     色柄の配眮からしお、䞀昚日ず同䞀猫物どうい぀ニャンぶ぀である。シゞュりカラ荘にベッタリず䜓をくっ぀け、スリスリしおいたらしい。

     芪鳥が嚁嚇しおいるずいうこずは、巣立ちは昚日で終わらず、居残り組がただ䞭にいるようだ。

     窓を開けるず、猫は.mくらい距離を取った。


       ほうほう、逃げる気はないず。

     窓を党開にし、完党に目が合っおいる猫に向かっお歯を剥き出し、「シャアァァァッ」ず猫語で嚁嚇しおみる。

     猫は驚いたように背䞭を向け、藪に消えた。


     人間のシャヌ、効くのか  


     しかし、あれしきのこずで奎が諊めたずは考えにくい。

     猫が嫌うような臭いのするものでも撒くか
     いやそれは、巣立ち真っ最䞭のシゞュりカラ芪子に良くないだろう。

     垃団に朜りながらどうしたものか考えおいたら、たた芪鳥の察猫嚁嚇が始たった。



       ちょ、埅およ。さっきシャヌしおから分ず経っおないぜ。


     いよいよ完党に目が芚めた。小窓を芗くず、あの猫が戻っおきおいる。

     シゞュりカラ荘からmくらいのずころで姿勢良くお座りしお、巣穎からヒナが飛び出しおくる瞬間を埅ち構えおいた。

     人間ず目が合っおも、もう逃げない。窓越しであるこずを孊習された。

     仕方あるたい。猫よ、普段ならその蟺で昌寝しおもらったっお構わない。しかし倧倉申し蚳ないが、この数日ばかりは、君は倩敵である。

     台所ぞ向かい、その蟺に眮いおあったマグカップに氎を入れ、今回はなるべく音を立おないように玄関を出た。

     そろりそろりず壁䌝いにシゞュりカラ荘の方ぞ向かう。芪鳥の嚁嚇はただ続いおいる。

     猫がいるであろう堎所に、ダンッず姿を珟しおみた。


       おうおう、いるねぇ。


     前脚を片方䞊げ、逃亡秒前の䜓勢で目をたん䞞にした猫がいた。でも、人間がいなくなれば逃げる぀もりはないらしい。

     䞀歩前に出る。猫が五歩遠ざかる。
     もう䞀歩前に出る。猫がたた五歩遠ざかる。


       しぶずいねぇ。仕方あるたい。

     氎入りマグカップを持った手を振り䞊げ、「䜕する気ニャ」ず慌おお䜓勢を䜎くした猫に向け、「すたんね」ず、ピシャァァッず氎をぶち撒ける。

     濡れはしなかっただろうが、猫は䞀目散に遠くぞ走り去っおいった。ここたで嫌な思いをしたら、倚分今日はもう来ないだろう。

     そんで、シゞュりカラよ。今日こそ党員、巣立っおほしい。

     譊戒レベルの䞋がった芪鳥の嚁嚇を背に、䞀旊屋内ぞず戻った。䜕しろ寝巻き姿で倖にいたのである。ただ時台だし、誰にも芋られおいないず信じたい。



     二床寝しお、い぀もの時間に起きおから数時間埌。䞍意に、ヒナの声がした。シゞュりカラ荘の方から聞こえおいる。


     え、ただ巣立っおないや぀がいるのか  


     そろそろ昌近い。芪鳥の気配も薄くなっおいたので、党員巣立ったかなず思っおいたずころだった。

     そういえば昚幎も、ずにかく出おこられないおっちょこちょいが矜、居残りをかたしおいたなず思い出す。

     シゞュりカラ荘は陶噚補なので、芪鳥ず他のきょうだいは難なく出入りしおいおも、居残りくんは滑っお䞊手く出おこられない様子だった。

     もしかしお今幎も、そんなや぀がいるのかもしれない。

     昚幎は、出入り口の穎にフェルトを貌ったら、時間で居残りくんも巣立っおいった。

     ずいうこずで、フェルトを持っおシゞュりカラ荘に向かう。

     芪鳥は䞍圚だった。気配もない。先に巣立ったきょうだい達の面倒を芋ながら動いおいるから、様子を芋に来る回数が極端に枛るのである。

     こちらずしおは、ど぀かれるリスクが激枛するのでありがたいが、たた気たぐれに猫でも来たらどうするよ。

     やれやれ困ったね、などずがやきながら、シゞュりカラ荘の出入り口に玠早くフェルトを貌り付ける。

     䞭にいるヒナは倚分、「終わった  」ず絶望しおいるこずだろう。きょうだいは皆出お行き、芪鳥も来ない䞊に、芋たこずもない人間の指が䟵入しおきたのだから。


       ずころで、本圓にただ居残りいるのかな


     フェルトを貌り終え垰ろうずしたが、芪鳥はただ戻っおこない。シゞュりカラ荘は静たり返っおいる。さっき聞こえたヒナの声も、果たしお本圓に巣の䞭からしたのかは䞍明だ。

     実はもう党員巣立っおいるのなら、この専属譊備員、早朝時の連勀に備えなくお枈む。
     少し悩んで、ポケットからスマホを取り出し、䞀瞬倱瀌するこずにした。

     心の䞭で「ただいるなら、怖がらせおごめんよ」ず唱え぀぀、スマホのカメラレンズを出入り口に向ける。

     高さ皋あるシゞュりカラ荘の出入り口は小さくお、スマホの角ひず぀分しか差し蟌めないが、ギリギリ䞭の様子を写せた。


     あ、  いた。今幎もラスト1矜、ラスむチだ  


     割ず広めの内郚で、苔ず動物の毛がぎっしりず敷き詰められたふかふかベッドの䞊に、スマホを芋䞊げるヒナがポツンず矜、写っおいた。

     人間の指に加え、謎物䜓スマホたで䟵入しおきお、ひずりがっちではさぞ恐ろしかろう。


     ここにずっずいたら、危ないよ


     倧きな音を立おないようにシゞュりカラ荘から遠ざかる。ラスむチ、どれくらいで出おいけるだろうか。




     お昌過ぎ。ラスむチは出られたかな、ず様子を芋に行った。

     シゞュりカラ荘には芪鳥の気配もないし、ヒナの声もしない。ただ、すぐ目の前にある朚立からは、シゞュりカラの家族の声がしおいる。倚分、ラスむチの家族だろう。

     よっこらせ、ず巣の前にしゃがみ、「倱瀌したすよ」ず、再びスマホを差し蟌んでみるず。


     あら 誰もいない


     シゞュりカラ荘は空っぜになっおいた。

     ラスむチを確認しおから今たで、芪鳥の倩敵嚁嚇もなかったし、襲われたような隒ぎもなかった。呚囲に矜毛が散らばっおいるような、䞍穏な痕跡もない。

     ラスむチ含め、党矜無事、巣立ったようだ。

     はぁ、ず䞀気に力が抜ける。
     シゞュりカラ䞀家専属巣立ち譊備員、ただいたをもっお、今期の任務解陀

     頭䞊に聞こえる賑やかなシゞュりカラ䞀家の声の䞭で、ラスむチもきょうだいたちず競るように飛び回っおいるこずだろう。

     ちょっず寂しいけれど、ホッずした。ここ䞉日、寝䞍足である。今日からぐっすり眠れよう。


    ※昚幎の経隓を螏たえ、最小限・短時間の巣立ち察策のみ行っおおりたす。たた、野良猫ぞの察応に぀きたしおは、䞀時的な忌避のみを目的ずしおおり、害する意図はありたせん。

     
     
    みずの・みなも。ぬいぐるみ奜きで鳥オタク。 日々のちょっずした話を眮いおおくずころ。 運呜的に出䌚っおしたったオオサンショりりオのマスコット、ただらちゃんが盞棒。 カメラCanon PowerShot SX70HS