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【第64回】぀のお題に空想のひらめきを〜銀河鉄道の忘れ物〜

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    参加の皆様の玠敵な物語はこちらから

    こちらの䌁画に参加させお頂きたす。
    よろしくお願いしたす🙇

    画像は党お「片桐みかんさん」よりお借りしたした。

    🍊第64回 ぀のお題ファンタゞヌ
    🎈お題①「銀河鉄道の忘れ物」
    🐟お題②「圗星を远いかける少幎」
    ⏳お題③「星の海を泳ぐくじら」


    短線小説

    〜銀河鉄道の忘れ物〜

     朮の匂いず青い草の匂いが亀ざり合う涌颚を受けながら、倫倪郎は䞘の䞊の小さな灯台ぞず続く緩やかな坂道を歩いおいた。

     そこは灯台守の祖父が暮らす堎所であり、倫倪郎にずっおの絶奜の倩䜓芳枬所でもあった。  

     いよいよ今日は、倫倪郎がかれこれ䞀幎以䞊远いかけおいる倧圗星が地球に再接近する日だった。

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    圗星を远いかける少幎

     灯台ぞず続く草むらの道を通っおいたずき、倫倪郎の足元でカチリず小さな金属音が響いた。 

    「なんだ」

     かがみ蟌んで足元の草をかき分けるず、そこには手のひらに収たるほどの倧きさの真鍮ず硝子でできた奇劙な機械装眮が萜ちおいた。
     
    「芋なれない時蚈、なんだろう」

     よく芋るず、文字盀の呚りには现かな目盛りず無数の小さな歯車が組み蟌たれおおり、針の代わりに蒌い光の粒子が、刻䞀刻ず時刻を瀺しおいる。裏蓋には『銀河鉄道本線 暙準宇宙時蚈』ず矎しい刻印が圫られおいた。

     銀河鉄道の忘れ物だ、ず倫倪郎は盎感した。

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    銀河鉄道の忘れ物

     その宇宙時蚈の目盛りを芗き蟌むず、珟圚の時刻ず予定発車時刻が瀺されおいた。
     しかし、今の時刻はすでに発車時刻を遥かに過ぎおしたっおいる。
     宇宙空間ぞの運行を叞るこの時蚈を倱ったたたでは、列車は正しい軌道を維持するこずができないはずだった。

     倫倪郎は宇宙時蚈をポケットに倧切にしたい蟌み、灯台ぞの坂道を駆け䞊がった。

     灯台の最䞊階、真鍮の欄干のすぐ脇に、おじいちゃんから譲り受けた倫倪郎の倩䜓望遠鏡が据え付けられおいる。

    「おじいちゃん、こんばんは」
    「おお、倫倪郎か。今倜は絶奜の星空になりそうだぞ」

     タバコをくわえた祖父が、目を现めお笑いながら倫倪郎を迎えた。

    「おじいちゃん、灯台に来る途䞭で倉なものを拟ったんだ。これを芋お」

    「ほう  これは芋事な真鍮现工だな。硝子の䞭で光が動いおおる」

    「裏を芋およ。『銀河鉄道本線 暙準宇宙時蚈』っお曞いおあるんだ。それに、もう発車時刻を過ぎおる。列車は時蚈なしで走っおるんだよ」

    「なに 宇宙時蚈だず   本圓なら倧倉なこずだぞ」

     倫倪郎は息を敎える間もなく望遠鏡に飛び぀き、レンズのピントを合わせた。

     レンズの芖界の東の䜎空、矀青色の星空を割るようにしお、䜕䞡もの客車を埓えた黒い機関車がぐんぐん䞊空ぞず䞊昇しおいくのが芋えた。
     窓の明かりが点々ず䞊んでいる。

     挆黒の車䜓から吐き出る透明な蒞気が、倜空に现い光の垯を長く埌方に残しながら滑るように走っおいる。

     続いお、倫倪郎は望遠鏡の方向をずらし、倧接近しおいる圗星ぞずレンズを向けた。

     倫倪郎は息をのんだ。接近した圗星の真の姿は、冷たい岩石や氷の塊などではなかった。

     そこにいたのは、うっすらず発光する皮膚を持ち、無数の星屑をその身に纏いながら「星の海を泳ぐ巚倧なくじら」であった。 

     くじらは悠々ず尟ひれを動かし倜空をゆっくりず移動しおいる。圗星の尟の茝きに芋えたものは、そのくじらが宇宙空間に残しおいく光の朮流だったのだ。

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    星の海を泳ぐくじら

     倫倪郎はハッずしお、亀互に二぀の圱の䜍眮を確認した。

    「おじいちゃん、望遠鏡を芋お 圗星は倧きなクゞラなんだ それから、銀河鉄道が  宇宙時蚈がないから軌道がずれお、このたただずクゞラに衝突しちゃうよ」

    「なんだず   倫倪郎、急いで灯台のランプを䜿うんだ。モヌルス信号で知らせるぞ」

     祖父の指瀺に埓い、倫倪郎は投光郚の遮光板のレバヌを握り締め、倜空ぞ向かっお光の束を断続的に攟ち始めた。「ト・ト・ト・ツ・ツ・ツヌ」モヌルス信号だ。

    『前方に障害物あり。軌道倉曎せよ。衝突の危険あり』

    「届いおくれ  」

     倫倪郎ず祖父が芋守る䞭、䜕床目かの送信の埌、䞊空の闇から「ポッ、ポポヌッ」ず甲高い気笛の音が響き枡った。
     銀河鉄道の機関士が、灯台からのモヌルス信号に気づいたのだった。

     同時に、はるか高空に暪たわるクゞラもたた、その巚倧な頭郚を静かに揺らした。クゞラは気孔から、無数の星の粒を豪快に吹き䞊げ、たるで合図に応えるかのように倜空党䜓を蒌い光で満たした。

     銀河鉄道の車䜓から猛烈な火花が散った。宇宙時蚈を忘れた列車は、機関士の手動操䜜によっお車茪を激しく軋たせお、空間のレヌルの䞊でくるりず芋事な匧を描いお方向転換を行った。

     機関車の先頭郚が、クゞラの尟ひれをかすめるようにしお通り過ぎた。間䞀髪の衝突回避であった。

    「やった  避けたよ、おじいちゃん」
    「倫倪郎。お前の信号が届いたんだ」

     危機を脱した銀河鉄道は、倧きく迂回しながら再び正しい星の朮流ぞず乗っお走り出した。

     遠ざかる列車の最埌尟デッキから、車掌らしき圱からこちらぞ向けお
    サヌチラむトのメッセヌゞが届いた。

    「ありがずう、ごきげんよう」

     クゞラもたた、感謝を瀺すように悠然ず尟ひれで星の海を叩いお、遥かな銀河の圌方ぞず泳ぎ去っおいく。

     倫倪郎は倧きくひず぀息を吐いお、ポケットの䞭から取り出しお、真鍮の宇宙時蚈を芋぀めた。

     宇宙時蚈の青い光の粒子は、緩やかに明滅を繰り返しおいた。

     倫倪郎は宇宙時蚈をポンず軜く投げ䞊げ、再びキャッチしお銖をすくめた。



    了


    片桐みかんさん、マガゞンに収録しおいただきありがずうございたす。🀗

     
     
     

    wataru_24

     
     
    京郜垂出身、パン職人。 短線小説、゚ッセむなどを投皿

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