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おるだけで。

    数年前、次男と2人で熊本に行った。

    部活の遠征が中止となって、

    宿のキャンセル料ももったいないし、
    「行ってみたい!」とも言う。

    そんなわけでの、母子2人旅である。

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    大観峰から涅槃像のような阿蘇五岳を望む。
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    左手は晴れているのに、右手から雨雲。
    上から見ていると、「雨が降る」とは
    こういうことかと改めて思う。

    大観峰を下り、宮地駅方面へ。

    北風パンチという作家さんの【北風商店】に行ってみたくて、最寄りの阿蘇神社付近に車を停める。

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    熊本地震で被災。修復中だった阿蘇神社。

    門前町を通りながら、北風商店のある旧女学校跡を目指す。

    この門前町が、また良いのだ。

    自然な樹形を保った雑木が、たくさん植えられていて、

    至る所に水が湧き出ている。

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    これは女学校跡にあった湧き水

    その湧き水の一つに、
    水みくじの看板があって、
    引いてみた。

    熊本弁で、

    「あんたがおるだけで 心強かやつは
    いっぱいおるとばい」

    そう書かれていた。

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    ちょっと、鼻がつんとなった。

    このおみくじを引くのは、
    ほぼ観光客かもしれない。

    それでも、日常然り、
    自然災害然り、

    どうしようもない無力感を感じた時、

    この言葉が、どんなに人の心を
    軽くしただろう。

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    次男はこう。
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    通りすがりの猫から「求められ」、
    「そん期待に応えている」最中の次男
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    旧女学校跡敷地。
    おしゃれなカフェや雑貨屋が並ぶ。
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    小さなせせらぎも。
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    ここですね、北風商店。
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    あいにくお休み。
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    「残念、また来てね~」

    頑張らねば、
    役に立たねば、
    結果を残さねば。

    そういう時の体はガチガチだ。

    頑張って、
    役に立って、
    結果を残せば、

    確かに誇らしい。

    でも、それは、誰に誇りたいんだろう。

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    頑張れない時も、
    目立って役に立てない時も、
    結果を残せない時も、

    おるだけで、
    あんたがおるだけでいいんだと。

    言われてうれしい言葉は、

    子どもたちにも、
    誰かにも、つたえたい。

    おすそ分けしたい。

    相手はどんなに、うれしいだろう。

     
     
    引き出しの多い、味わい深いバァちゃんを目指す50代。就職氷河期の初期にあたる。読書家未満の本好き。赤毛のアンに詳しくない偏読家。家族+猫2匹と一緒に、そこそこの田舎に暮らす。

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