
曇りの日、見えない夜空をガラスに閉じ込める
台風の合間の曇りの日。
仕事を辞めてから、眠ることが仕事になった。
外へ出る理由もなく、気づけばUber Eatsを開いている。
でも今日は、ずっと前から気になっていた作家さんの展示会初日。
重たい腰を上げて、久しぶりにメイクをして出かけた。
それなのに。
何も買わずに帰った。
写真で見た通りの色合い。
グラスの中に花が咲いたようなデザインで、とてもかわいかった。
でも、思っていたより厚みがあって重い。
いつもなら聞こえるはずの、「これが欲しい」という心の声が聞こえなかった。
百貨店の催事場だったからだろうか。
店員さんの視線が少し気になって、ため息をひとつついて、そのままエスカレーターに乗った。
滞在時間は10分。
まあ、そういう日もある。
でも、ずっと楽しみにしていたからこそ、少しがっかりしていた。
よし。今日はゼリーの日にしよう。
グレープジュースで夜空を作る。
飾りは何もない。静かな紫色のゼリー。
曇りの日は、星も月も見えない。
だから今日は、見えない夜空をガラスに閉じ込めることにした。
家の中に、小さな夜空がひとつできた。
そうやって、曇りの日も機嫌が良くなるようにゼリーづくりを習慣にしてる。