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クリエイターに多い精神疾患〜エンターテイメントは緊張と緩和

    精神科医 益田裕介

    本日は「クリエイターに多い精神疾患」ということでお話しします。

    YouTuber、芸能人、俳優さん、スポーツ選手も含めてもいいかもしれないですね。

    そういう人たちに多い精神疾患のことをお話しします。

    最近は自分の病気をきちんと伝える方は増えてます。

    だから色々聞いたこともあるんじゃないかなと思うものもあるし、パーソナリティ症のことはあまり自分では言わないことが多いですけど、他のことは結構自分で表現……

    あと双極や統合失調症も自分で言うことは少ないですね。

    統合失調症やB群のパーソナリティ症、学習障害もそうかな、ASDも言いにくいかもしれないですね。

    トラウマもちょっと言いにくいかな、トラウマも。

    トラウマ、依存症もちょっと言いにくいかもしれないですけど、他は聞いたことあるかなという感じがします。

    昔は全く言えなかったので、言いやすくはなってきてるのかなという気がします。

    どういう疾患が多いのかを色々お話ししようかなと思います。

    ◼︎うつ病、パニック障害

    まず、うつ病、パニック障害ですね。

    これは公表する人が多いかなと思いますが、適応障害という言い方をすることもあります、うつ病のことを。

    ストレスや心身の疲労が溜まり活動量が落ちてしまうことをうつ病と言うし、疲労が溜まった結果、自律神経が乱れて、過呼吸みたいなことが起きて、そのもっと激しい発作が起きることがある、そういうものをパニック障害と、簡単に言うと、言います。

    なぜこういう疾患が多いかというと疲労です。

    心身のマネジメント、疲労のマネジメント、自分の活動量や活動エネルギーのマネジメントがクリエイター業は難しいんです。

    0から1を生み出す作業は疲れるんです、そもそも。

    僕もYouTubeを撮った後、うまくいっていてもいかなくても、強烈な自己嫌悪に襲われるんです。

    ガーンと言って、俺はもう最低の人間なんじゃないかみたいに思うわけです。

    うつっぽくなるんです。

    エネルギーを使うのでうつっぽくなります。

    これが適切に休息が取れなかったりすると、うつ病やパニック障害を発症してしまう感じです。

    これは結構難しいです。

    普通の会社員とは違って社長業もそうなんですけど、コントロールが難しいんです。

    何時から何時まで働いて、疲れたら休めばいい、代わりがいる、そういう仕事じゃないので、24時間仕事に関係することをしなければいけないので。

    そういうことがあります。

    これは公表する人が増えてきました。

    ◼︎双極症、統合失調症

    あとは双極性障害、双極症です、今だと。

    躁状態で激しい時とうつの時があるということと、幻覚妄想が時々出現する統合失調症という脳の病気がありますけど、こういう人もいるかなという感じです。

    でもたぶん比率としては双極症や統合失調症は遺伝的な要素が強いので、一般人とそんなに変わらないかなと思います、発症は。

    ただ双極症の人は、例えば、躁状態や普通の時は働けるけど、うつの時は働けなかったりして、波が結構あって完治も難しいので、結果的にクリエイター業でしか働けない、普通のパートタイムというか、普通の会社員としては働けないから結果的にクリエイターになってたり、社長業をやったりしてる人も多いです。

    躁状態の時の爆発力はすごく大きいので、その時にバーンと名作みたいなものを何か作って、その時の貯金で暮らしてるみたいな人達も珍しくはないという感じです。

    あとは幻覚妄想が出る統合失調症ですけど、こういう人達もいます。

    時々芸能人でいるんですよ。

    急に見なくなったな、占い師に騙されてる、変になっちゃった、急に性格悪くなった、とよく言われていて、よく聞くと、これ統合失調症だ、みたいなのがわかったりすることがあります。

    統合失調症は10代、20代で発症する、若い時に発症するもので、30代になってからは発症しないと教科書的には書いてあることもありますけど、実際は発症することもあるし、10代、20代の時には気付かれなくて、30代以降になってから気付かれるパターンもあったりします。

    結構います。

    誰かに尾けられてる、ずっと週刊誌に尾けられてたんです、週刊誌に尾けられてたから外に出られなかったんです、そういう芸能人がいますけど、本当かなと思うことあります。

    これは統合失調症のパターンで結構あるなと思います。

    実際に難治性のうつだということで、有名人の方が通院に来られたりする時に、トラウマで…と色々言った時に、途中から統合失調症だと診断が変わることがあります。

    統合失調症の場合、太りやすい薬もあったりするので、その結果太ってしまう。

    芸能人はガリガリ痩せていたりするんですけど、薬飲むとちょっとふっくらして、中肉中背になった結果、世の中に出にくくなったり、でもそれもまた週刊誌で叩かれたりして可哀想なんですけど、そういうのもあるなと思うんです。

    やはり双極や統合失調症があると目立つんです。

    目立ったり、周りの人から悪く思われたり、これが疾患だと思われないと本人の尊厳が傷つけられたり、色々な人が色々混乱したりしてしまうんですけど、こういうのもあるなとう感じです。

    ◼︎強迫性障害

    あとは強迫性障害です。

    何度も何度も同じ行動をしてしまう。

    やらないと気が済まないということですけど、この強迫性がある意味、芸術性や天才として評価されることがあります。

    強迫的に物を描く、緻密な絵を描く、反復的なことをするので歌が上手い、ラップが上手い、演技の才能がある、演劇も台詞をすごく覚える、モノマネが上手い、こういうのもあったりします。

    ◼︎発達障害

    あと発達障害です。

    発達障害、境界知能、知的障害、精神発達遅滞かな今だと、の人たちも結構います。

    変わってる感じが可愛らしく見えたり、面白かったりして重宝されたり、本人たちも華やかな世界に憧れていくことが多いなと思います。

    ◼︎B群のパーソナリティ症

    あとはB群のパーソナリティ症、境界性パーソナリティ症、自己愛性パーソナリティ症、演技性パーソナリティ症、時々いるのは反社会性パーソナリティ症、このB群のパーソナリティ障害の人たちもいます。

    注目されたい、ちやほやされたいという思いがあるので、こういう人たちも芸能界やクリエイターに多いなと思います。

    その根本にある空虚感、人に好かれたいがために、なりふり構わず努力をする、人気を得たいという感じでうまくいくんですけど、人気が落ちた時にもう絶望の感じ方が半端ないんです。

    普通の人だったら、一般の人だったら、若い時稼げたからエエか、みたいな、まあいっか次の人生歩もう、となるんだけど、やはりこの人達は愛されたい、注目されたい、世間からチヤホヤされたい、そういう誇大性みたいなものもあって、そこをうまくコントロールできないから、うまくできないがゆえにスターになっていけるんだけれども、それがコインの裏表みたいに自分を傷つけることもあるので、かわいそうというかそういうのがあります。

    誤解されちゃいますよね、性格の問題だとか。

    自分の本能というか感情のコントロールが苦手なんです。

    だから浮気、不倫、ギャンブル、そういう問題にも発展しやすいし。
    最近は叩かれやすいですね、世間から。

    そうするとよく言うのが、元々そんな奴らの集まりなんだからみたいな開き直りみたいなこと、世間から見たら開き直りみたいなことを言うんです。

    叩かれたり、そうだなとみんなに思われたりするんだけど、専門家目線だとそうだなという感じは、そういう人たちの行き場所としてあるなというのはよく思いますけど。

    病気と才能というか、狂気と天才は紙一重と言いますけど、本当にそういう感じです。

    ◼︎PTSD

    あとはトラウマの人、PTSDの人たちも幼少期の虐待があったり、そういう人達もその惨めさの裏返しで頑張るという形で、その惨めさを克服したいというか、悔しいからそれをバネにしてクリエイター業コンテンツ業を目指すところに行くという人も多いなと思います。

    ◼︎依存症

    目立つということはプレッシャーがかかるので、プレッシャーの代償としてアルコールやギャンブルの依存症になってしまうということもあるなというか。

    ここら辺が多い疾患です。

    ◼︎合併、濃淡

    これらを複数合併することも多いので大変というか、なかなか一回病的なところに入っていったら治療が難しかったりもしますけど、周りの人がこういう疾患をわかってあげると、うまくサポートしてあげられるんじゃないかなと思います。

    うつ、パニック、双極症、統合失調症、強迫性、発達障害などは何となくわかりやすいんだけど、トラウマとかも。

    B群のパーソナリティ症はわかりにくいんじゃないかなという気がします。

    これは発達障害もそうなんですけど、スペクトラムなんです。

    だから、あるかないかじゃなくて、グレーゾーンもあったりするんです。

    濃淡がある。

    白から黒の間に灰色もあったりするんです、濃淡があったりするので。

    診断基準は満たさないけれども、この人の生きづらさ、この人の問題行動は、ここに起因してることが多いし。

    でもさっきも言った通り、狂気と天才、芸術は紙一重なので、それが妙に評価されるということもあります。

    ◼︎緊張と緩和

    結局エンターテインメントとは何かというと、緊張と緩和です。

    緊張とは何かというと、僕ら見てる人たち、視聴者、社会の人達、大衆が抱えている緊張、つまり僕らがやりたい、本能的にやりたい、自分の感情に従いたいけれども、社会のルールや世間の目で抑圧されているんです。

    緊張してるんですね。

    それを緩和してくれる。

    それを体現してくれるからエンターテインメントなんです。

    例えばクレヨンしんちゃんは緊張と緩和なんです。

    親たちに抑圧されてる子どもが、しんちゃんって無敵じゃないですか、強いし、下品なことをするし、親たちを困惑させて、好き勝手やるわけです。

    ホームアローンもそうだけど、これは緊張と緩和です。

    エンターテイメントです。

    ドラえもんだと、日常が上手くいかない、成績も悪い、欲しいものがもらえないという緊張感、抑圧があって、でもドラえもんがいることによって何でも夢を叶えてくれる、何でももらえる=緩和が起きてる。

    これがエンターテイメント、緊張と緩和。

    僕らはそういうコンテンツの中では日常では味わえない緩和、発散を求めているので、どうしても本能的に生きてくれたり、自分の病気を肯定的に見せてくれる人達に憧れたり、面白く見えてしまうんですけど、その裏側ではその人達は苦しいんだろうなという風にいつも思います。

    こういう疾患が多いので、どうなんだろう、でもこんなことをどんどん言っていった時に、その人達のことをそういう風に見ていった時に、社会がどう変わっていくのかはまだまだ未知数ですけど。

    精神科医というのはメンタルヘルスの話をし続けて、心は脳だという目線で世の中の人が見えるようになるということを目指すというちょっとしたヤバいやつらなので、精神科医というのは。

    僕もその行為をしているということなんですけど。

    でもそういう目線で見た時の次の社会はもっと生きやすくなった世の中になると思うので、やっているということでしょうかね。

    ということで、今回はクリエイターに多い精神疾患というテーマでお話ししました。

    ◼︎本日の宿題

    本日の宿題は、この漫画のキャラクター、映画のキャラクターはこの人たちかなというのを考えながらコメントしてもらうといい学びになるかなと思います。


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