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パラサむトな私の日垞 第8話クリスマスむブの玄束

    いしも ずもり

     あの日、倜遅くたで寒い公園で泣き続けお垰宅したら、翌朝から発熱した。䜕も考えられなかった。䜕も考えたくなかった。これたで有絊䌑暇ゆうきゅうきゅうかも病気䌑暇びょうききゅうかも取ったこずのない悠が、初めお二日連続欠勀した。
     
     う぀ろな頭でベッドに暪たわったたた、むンタヌネットで『倱恋』ず怜玢しおみる。
     
     ・倱恋の時やっおはいけないこず〇遞
     ・倱恋の蟛さはい぀たで続くのか
     ・倱恋した時はどうすればいい
     ・倱恋から立ち盎るためには
     ・
     ・
     
     『倱恋』ずいう怜玢ワヌドで、こんなにも情報が出おくるずは思いもよらなかった。巷ちたたでは、こうも倱恋に関する情報が溢あふれおいるのか。需芁じゅようがある  ぀たり、倚くの人がこんなにも蟛い経隓をしおいるずいうこずだ。
     
     でも、どれも尀もっずもなこずを曞いおいるようで、どれも自分には圓おはたらないような気がした。

    『こんなにしんどい思いをするくらいなら、
     い぀もの倉わらない日垞の方が良かったのかな  』

     悠の『平穏な日垞』は、䟑ずの再䌚を果たしおから、いずも簡単に乱高䞋らんこうげし、色鮮いろあざやかにも、モノトヌンにも色付けられたのだった。
     
    

     土日も合わせお4日間、郚屋に籠こもっおたっぷり静逊せいようし、月曜日から出瀟した。

     たった4日ぶりなのに、長く䌚瀟を䌑んだ気分になり、悪い事をしたわけでもないのに、おどおどしながら垭に着いた。するず、い぀もは䜕の反応もない䞊叞がよそよそしく声を掛けおくれたり、隣の垭の鈎朚陜介すずきようすけが劎ねぎらっおくれたりした。陜介は悠ず同期だが、四幎制倧孊卒業埌の入瀟で、悠の2歳幎䞊だった。

    「調子はどう もう倧䞈倫」
    「はい  」
     
    「有田さんが居なくお仕事がこんなに溜たたっちゃったよ」
    「  ご迷惑をおかけしおすみたせん」
     
    「アッ、違うよ。責めおるわけでも嫌味を蚀っおるわけでもないんだ。有田さんが抜けた穎は倧きかったっおこず䌝えたかったんだ」
    「え」
     
    「い぀も黙々ず仕事をしおくれお、それが圓たり前で、その有難さに気付けなかったっお  。みんな蚀っおたよ」

    「そ・そんな  。私なんお䞎えられた仕事をただこなしおただけで  。誰でもできる仕事しかしおないです」
     
    「ううん。デヌタ入力も、䞀芋雑甚にみえる仕事も、䟝頌された仕事を期日たでにミスなく的確にこなすっお、重芁な仕事だよ。実際に有田さんが居ない二日間、俺達おんおこ舞いだったんだよ。有田さんが䌚瀟になくちゃならない倧切な芁員よういんなんだっお身に染しみた。䞊叞からは『どれだけ甘えおたんだ』っおお叱しかりも受けたけどね。これたで頌りすぎおたのかも。ごめんね」

    「そんな  」

     自分は居いおも居いなくおもいい、陰かげのような存圚だずずっず思っおきた悠にずっお、これほど嬉しい蚀葉はなかった。涙が出そうなのをぐっずこらえた。
     これたで地味な䜜業をこ぀こ぀ず真面目たじめにやっおきたこずは無駄むだではなかった。きちんず届いおいた。
     
     自分にも存圚䟡倀そんざいかちはあった。

     溜たった仕事を䞀぀䞀぀䞁寧に、より迅速じんそくにこなしおいく。これたでは淡々たんたんずこなしおきた業務ぎょうむだったが、その日から心持こころもちが倧きく倉わった。
     盞手がより芋やすいように資料䜜成を工倫くふうしたり、共甚きょうようの堎所を敎頓せいずんしたり、䌚瀟の人が喜ぶ顔を想像しながら仕事に取り組むようになった。こうしお䞀週間が過ぎた。

     カフェで別れおから䟑ずの連絡を絶たっおいた。LIMEがきおも返事をしなかった。仕事が忙しかったこずもあったが、い぀もの電車より䞀本早く出お、い぀もの電車より䞀本遅く垰った。蚈算でもかけひきでもない。
     
     䟑ずどういう颚に付き合っおいけばいいのかわからなくなった。自分が䟑に察しどういう反応をしおいたのかもわからなくなった。
     ただ䞀目ひずめ䟑ず䌚うこずが、ただLIMEで他愛たあいもないやりずりするこずが楜しかったはずなのに、今はすべおが受け入れられなかった。
     
     時間が心を癒いやす。次の恋愛が䟑を忘れさせおくれる。きっずこれが正解だ。

    でも、クリスマスむブの玄束がある――。

     あの日から10日埌、぀いに悠はスマヌトフォンを手に取った。䜕件か来おいた䟑からのLIMEに目を通す。最埌のLIMEは昚日だった。
     
     <俺、䜕か怒らせるようなこずしちゃったかな‥‥‥>

     きゅっず心が傷む。スマヌトフォンを握りしめ、䜕床も䜕床も読み返しお、深呌吞をした埌、送信ボタンを抌す。
     
     <今日から冬䌑みかな 返事できなくおごめんね。高熱で寝蟌んでいたの。䌚瀟も日ほど䌑んじゃった。その分仕事が溜たっおしたっお、この䞀週間本圓に忙しかったの。今日はやっず普通に䌑めたよ。ごめんね。>

     送信埌、すぐに䟑から返事がきた。
     
    <そうだったんだ。返事がないから心配したよ。倧䞈倫>
     
    <もう倧䞈倫だよ 12/24行くよね ショヌは13時からだから、向こうでランチをしおから芋ようか>

     クリスマスむブたであず4日ず迫っおいた。

     

     12月24日㈬。悠は初めお私甚しようで有絊䌑暇を取り、い぀もの駅で䟑ず埅ち合わせをした。
     グレヌのニットに黒いパンツ、黒いコヌトを矜織はおった栌奜良かっこいい䟑が寒そうに䜇たたずんでいるのが遠目ずおめに芋えた。悠に気付いた途端ずたん、無衚情で䞍愛想ぶあいそうだった䟑の顔が満面たんめんの笑みに倉わる。
     モデルのような䟑も、子どものように無邪気むじゃきに手を振る䟑も、今日ずいう日の自分のために、特別に存圚するモノだず思わずにはいられなかった。
     この日を迎えるにあたり、悠は『自分は䟑の特別な人ではない』『䟑の姉あねになりきる』ず自分を掗脳せんのうした。それなのに、䟑の姿を芋ただけで䞀瞬にしお『姉』ずいう蚭定を芆く぀がえされる。

     無意識に立ち止たり、小さな小さな声が挏もれる。

    「やっぱり奜きだなぁ  」
     
     すぐさた『いけない』ず頭を暪にふり自制じせいする。この数日間の掗脳を今䞀床いたいちど思い返し、䟑のもずに蟿たどり着くたでに、悠は『姉圹の仮面かめん』をうたく纏たずった。

     

     混み合う電車で䞀時間半。金ず赀ず緑でキラキラず茝く街䞊みは、悠には眩たぶしすぎお、目が眩くらみそうだった。クリスマスむブずはいえ、平日なのになぜこんなにも人が溢あふれおいるのか  。
     初めおのデヌト(厳密にはデヌトではないけれど)で、䜕をどうしおいいかわからず、そそくさず予玄しおいた店に入る。クリスマスの装食そうしょくが斜ほどこされたカップルシヌトのような垭に案内され、䞀瞬思考が固たる。

     『幎䞊の私がリヌドしなければ』ず無駄むだに力が入るばかりで、グラスを倒しそうになったり、泚文を噛かんで蚀っおしたったり、党く栌奜かっこうが぀かない。䟑を意識しすぎるあたり、䌚話もぎこちない。

     䟑もさぞかし呆あきれおいるこずだろうず、そっず様子を䌺うかがうず、䟑も同じく緊匵しおいるように芋えた。
     
     『なんだ䟑も同じなのか  』目が合う二人。互いに苊笑いをする。二人しお、考えおいるこずは同じだった。

     『慣れないこずはするものじゃないね』

     
    心の䞭で呟぀ぶやいおいるのが互いに聞こえおくるようだった。二人ずも、䞋を向いおクククッず笑うず、そこからは力が抜けお、食事を楜しむこずができた。
     
     ランチを枈たせるず、早めにアむスショヌの䌚堎に入った。二人ずも、初めお芋るショヌに心を奪うばわれた。あたりに矎しく感動しお、これたでのぐちゃぐちゃした感情が䞀気に吹き飛んだ。単玔にこの感動を䞀緒に味わえたのが䟑で良かったず玠盎に思えた。

     アむスショヌが15時に終わるず、そこから先の蚈画は䜕もなかった。この日たで、『玄束さえ果たせば早く垰りたい』ず思っおいた悠。けれども、その心は揺れおいた。『もう少し䞀緒にいたいな  』

    「この埌どうする 少し早いけど  垰る それずもどこかに  」

     そう蚀うか蚀わないかのうちに、䟑が蚀葉を発した。
     
    「悠さん、俺、話したいこずがあるんだ。
     今からあの公園に行かない――」

     


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    #創䜜倧賞2024 #恋愛小説郚門

     
     
     
    ★note創䜜倧賞2024䞭間遞考突砎★第10回ブックショヌトアワヌド優秀賞☆短線小説を䞻に曞いおいたす。 ※愛媛出身🍊

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