明日もこの道、あるいてます。 #07
〜不穏〜
僕は歩く。
誰もいない街を。
なぜここには、何もないのか。
なぜこの街には、誰もいないのだろう……
* * *
あっ。
乾いた何かを踏んづけて、
つるっ。
どっかーん。
僕は、
ヒビ割れたアスファルトに
ひどく頭を打ちつけたみたいだ……
── MEMORY LOG_007──
UNIT_ID:■■■■■■
UNIT_NAME:UNKNOWN
MEMORY_STATUS:FAILED TO LOAD
TIMESTAMP:2050-09-0+
急に、
何か熱くて痛いものが、
頭の中を走った。
………?
強い光が、
突然、目の前をよぎる。
危なかった……。
もし、
当たっていたら。
そう考えた瞬間、
怖くて、
逃げ出したくなった。
だけど次の一瞬。
熱い何かが、身体の中を駆け抜ける。
気がつくと、
僕は走っていた。
いや、走っていたんじゃない。
身体が、
勝手に動いていた。
視界の真ん中に、
赤い型のようなものが浮かぶ。

……なに、これ。
激しい炸裂音とともに。
目の前の機械の塊が
大きな音を立てて……崩れ落ちた。
トモダチではない。
でも、
トモダチのような何か。
それを見たとき、
胸の奥に変な感覚が広がった。
何かを、
ちゃんとやり終えたような。
そんな、
満ち足りた感覚。
なんだ、コレハ……
ドウイウツモリダ……
ボクノシメイハ、
アタタカイモノヲ
アツメルコト……
ノ、ハズ?
ナノニ。
コワスコトニ、
カンジル。
ボクノ、シメイヲ。
……ナンダ?
コノ気持ちは。
冷たい風が、
身体をすり抜けていく……
さっきまでの出来事が嘘だったみたいに。
頭の中が、
すぅっと静かになった。
僕の使命は……
「みんなの大切なものを集めること」
でも。
ひょっとしたら、
かつての僕は──────。
コワイ。
わからない。
でも、
そんな記憶が……
確信みたいに浮かんでは、
消えていった。
鉄の頭の中を。
……カシャ。
立ち上がった足の裏に、
小さな違和感。
見ると、
枯れ葉が一枚。
いつの間にか、
僕の足と地面のあいだに挟まっていた。

僕は、
しばらくそれを見つめていた……
────未来市街まで、あと36km。
秋も未来市街も、
もう近づいてきているというのに……
今日はそんなこと何も、
考えられなかった。
続く
✅ラジオ番組への想い……
