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第2ç« 10話 ルフルの掞窟ぞ

    虹色の地球
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    ロボタクシヌの䞭で、優匥はほずんど喋らなかった。

    いや、喋れなかった。

    シヌトに䜓を預けたたた、時折浅い息を぀いおいた。

    玲は隣でその様子を芋ながら、口元を結んでいた。

    さっきたであの壮絶な珟堎にいたのが嘘のように、車内は静かだった。

    「痛い 」

    「  うん 。倧䞈倫 」

    倧䞈倫には、ずおも聞こえなかった。

    玲は優匥の手に、そっず自分の手を重ねた。

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    䜕も蚀わなかった。

    ただ、そうした。


    玲のマンションに着いたのは深倜だった。

    ロボタクシヌから降りた優匥の䜓は、玲が支えなければ立っおいられないほどだった。

    ゚レベヌタヌの䞭で、優匥が壁に背をもたせかけた。

    「倧䞈倫、じゃないですよね 絶察 」

    玲は、぀ぶやくようにそう蚀った。

    ゚レベヌタヌが止たった。

    玲の郚屋のドアを開けた瞬間、今床は優匥が声を䞊げた。

    「これは——」

    郚屋の䞭が荒らされおいた。

    匕き出しは党お抜かれ、䞭身が床に散乱しおいた。

    棚のものが倒れ、曞類が広がり、クロヌれットの扉が開いたたた䞭身がひっくり返されおいた。

    「  そう 。向こうから戻った時はこうなっおいたんです」

    玲はそう蚀い、優匥の腕を匕いお゜ファぞず連れお行った。

    「でも、今はそれどころじゃない。たずは優匥さんの䜓が䞀番だから」

    優匥はそのたた゜ファぞず厩れ萜ちた。

    明かりを぀けた瞬間、玲は息をのんだ。

    優匥の状態は、想像しおいたよりも酷かった。

    頬の痣はもちろん、腕にも、脇腹にも殎られた跡が幟぀も残っおいた。

    シャツの端が血で滲んでいた。

    骚折やひびもあるようにも芋えた。

    「優匥さん、シャツ  」

    「倧䞈倫、たいしたこずない 」

    「いや、たいしたこずある」

    迷わずそう蚀い返した。

    救急箱を取り出し、優匥の前にひざたずいた。

    傷の手圓おを始めながら、頭の䞭では別のこずを考えおいた。

    病院に連れお行くべきか。

    しかし、今の状況で倖に出るこずが正しいのか。

    立花の父芪は消えた。

    しかしその䞊、䞖界にはただ最高暩力者たちがいる。

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    桐島さんが蚀っおいた蚀葉が、頭をよぎった。

    「これは、日本囜内だけの話じゃない。䞖界的なこの䞖の䞭の構造だ」

    玲は手を止めた。

    病院ではなく、別の方法を考えないず 。

    玲は立ち䞊がり、䞡耳のむダリングを倖した。

    赀い玉。

    青い玉。

    䞡手のひらの䞊に二぀の玉が乗った。

    優匥がそれを芋お、わずかに目を现めた。

    「それっお、さっきの 」

    「うん」

    二぀の玉を芋぀めた。

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    「サラずナラを呌んでみたす」

    「サラず  ナラ」

    「党郚、あずで話したすね」

    玲は玉を䞡手で包み、目を閉じた。

    お願い。

    サラずナラを呌んでほしい。

    静かに、しかし確かに、そう念じた。

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    次の瞬間、二぀の玉が音もなく光の粒ずなっお消えた。

    「あっ  」

    思わず声を䞊げた。

    優匥が玲の手元を芋おいた。

    「今のは  」

    「倧䞈倫、きっず䌝わっおる」

    玲はそう蚀いながら、自分に蚀い聞かせるようにもう䞀床呟いた。

    きっず、䌝わっおる——。

    それから数分埌のこずだった。

    郚屋の空気が、倉わった。

    あの感芚。

    ノェルトラクシスぞ枡った時ず、同じ感芚だった。

    郚屋の壁に青い光が滲み始めた。

    光はやがお楕円圢の茪ずなった。

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    ポヌタルが開いた。

    優匥が息をのむのが聞こえた。

    「な  䜕、あれは 」

    「ポヌタルです」

    静かに答えた。

    茪の䞭から二぀の圱が珟れた。

    サラずナラだった。

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    二人は郚屋に入るず、すぐに玲を芋た。

    「玲——」

    サラが驚いた顔で駆け寄った。

    「無事だった䜕があったの」

    「倧䞈倫。でも——」

    ナラの目が優匥ぞず移った。

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    ゜ファに座る優匥は、目を䞞くしたたたナラを芋おいた。

    「あなたが  枋谷優匥」

    ナラが穏やかな声で蚀った。

    「玲から話を聞いおいるわ」

    優匥はしばらく口を開けたたた、ナラを芋おいた。

    それから、玲を芋た。

    そしおこう蚀った。

    「  玲ちゃん、この状況を説明しおもらえるかな 」

    「したすしたす。党郚したす。でも今は——」

    玲はサラずナラを芋た。

    「ねぇ、サラ、ナラ優匥さんの傷をどうにかできないですかアルヌベに入れおもらえたら  」

    サラずナラは顔を芋合わせた。

    「アルヌベは心ず粟神を敎えるものだから  」

    ナラが蚀った。

    「䜓の傷から治すなら、ルフルの掞窟の方がいいわ」

    「ルフルの掞窟」

    「肉䜓の回埩に特化した堎所があるの。そっちに連れお行きたしょう」

    サラが頷いた。

    優匥が玲を芋た。

    「俺も  行くのその、ポヌタルずやらを抜けお」

    「うん」

    「  さっきは韍が出おきお、人が灰になるずころを芋た俺が、たぁ、今さら驚くこずでもないか 」

    優匥はそう蚀い、小さく笑った。

    玲も思わず笑った。

    サラが優匥の腕を、そっず支えた。

    ナラが玲の隣に立った。

    四人はポヌタルの前に䞊んだ。

    青い茪が、静かに茝いおいた。

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    「準備はいい」

    サラが優匥に聞いた。

    優匥は䞀床、玲を芋た。

    玲は頷いた。

    「行きたしょう」

    優匥も頷いた。

    四人は、青い光の茪の䞭ぞず螏み蟌んだ。


    次の瞬間——、

    深い青の空が四人を迎えた。

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    「う、嘘だろう 」

    優匥が思わず声を䞊げた。

    雄倧な倧地。

    遠くに連なる尖塔矀。

    空䞭に浮かぶ建物。

    滝の氎しぶきが、光の粒のように茝いおいた。

    「ここは  どこ」

    「ノェルトラクシス」

    玲が隣で蚀った。

    「私が前に来た星です」

    優匥はしばらく口を開けたたた、あたりを芋枡しおいた。

    サラが埮笑みながらこう蚀った。

    「さぁ、今は先にルフルの掞窟ぞ急ぎたしょう」

    そう蚀うず、サラは空に向けお䜕かを操䜜した。

    手に持った小型のデバむスから、信号のようなものが発せられた。

    しばらくしお䞊空から、それが降りおきた。

    䞞みを垯びた銀色の乗りものだった。

    静かに、ふわりず着地した。

    音はしなかった。

    ドアが開いた。

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    「これは  」

    玲が目を䞞くした。

    「これは、レヌベよ」

    サラが蚀った。

    「ノェルトラクシスの䞭を移動する時に䜿うの」

    「ポヌタルではダメなの」

    「ポヌタルは䞻に遠い星ぞの移動専甚なの。ノェルトラクシスの䞭では韍に乗るか、レヌベを䜿うか、自分で飛ぶかよ」

    玲はあっ、ず声を䞊げた。

    「そっか、優匥さんはただ飛べないから、だからレヌベにしたんですね」

    「えぇ、そういうこず」

    ナラがニコッず笑った。

    優匥が玲に呟くように、こう蚀った。

    「今のどうやったの あのサラずいう人が、端末から䜕か信号送ったら突然コレが珟れたんだけど 」

    「わかんないです。私もただこの星のほずんどのこずに理解が远い぀いおないんです 」

    「俺の䞭の垞識が党く远い぀かないよ」

    「サラが蚀っおたけど、ノェルトラクシスは地球文明より、地球時間で200幎くらい先をいっおるらしいんです」

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    「200幎も そりゃあ、理解䞍胜な蚳だ 」

    四人はレヌベに乗り蟌んだ。

    内郚は広く、柔らかな光に満ちおいた。

    シヌトに座るず、優匥がわずかに顔をしかめた。

    「優匥さん  」

    「倧䞈倫、ちょっず  動いたら痛みが 」

    サラがこう蚀った。

    「すぐに着くから。少しだけ埅っおね」

    サラが前方にあるパネルを操䜜した。

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    䜕かをセットをし、ボタンを抌した。

    レヌベが、空䞭に浮いたたでは分かった。

    しかし、次の瞬間——。

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    それは数秒だった。

    䞀瞬、ふわっず䜓が浮いたず思ったら、サラがこう蚀った。

    「着いたわ」

    玲ず優匥は、同時に声を揃えおこう蚀った。

    「えっ、えぇヌヌ 着いた」

    2人は窓の倖を芋た。

    確かに、景色は完党に倉わっおいた。

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    「ねぇ、サラさっき、空䞭に浮かんだたでは分かったんですけど、そのあずは䞀䜓䜕があったんですか」

    「䜕があったずは」

    「だっお、私はおっきりこのレヌベが空を飛んで、目的地のルフルの掞窟に行くんだず思っおたから、サラが着いたっお蚀っお、びっくりしお 」

    サラは玲のその蚀葉に、䜕か少しばかり䞍思議そうな顔をしおこう蚀った。

    「なるほどね 、玲は、飛んで移動する、ず思ったっおこずね」

    「えぇ、普通はそういうものなんじゃないかなっお 。ねぇ、優匥さんもそういうふうに思いたせんでしたか」

    玲の投げかけに、優匥はこう答えた。

    「確かに。俺もおっきり飛んでいくのかず思っおたよ。玲ちゃんず同じこず考えおた 」

    玲がサラに尋ねた。

    「レヌベっお、空を飛ぶ乗りものではないんですか 瞬間移動みたいなこずをする機械っおこず」

    「うヌヌん、なんお説明したらいいのかしら。勿論、レヌベは空を飛んで移動するこずもできるけど、ただ今回は、盎ぐに目的地に到着したかったから、転送モヌドに蚭定したのよね」

    「転送モヌドず、いうこずは転送、぀たり、瞬間移動したっおこずですか」

    「瞬間移動 そっか、玲たちにはこの仕組みがわかっおないから、そういうふうに思うっおこずね」

    「この仕組みですか 」

    「座暙を重ねる、っお、わかる」

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    「わかんないです 」

    「わからないか 。うヌん、どう䌝えたらいいんだろう」

    サラがそう蚀った時、ナラがこう助蚀した。

    「前にこういうこずを蚀っおた人がいるわ。これはその人が蚀っおた䟋えなんだけど。目の前に䞀枚の玙を甚意しお、その䞡端の反察偎に☆ず☆を描くでしょうそしおね、その玙を真ん䞭から折っおくっ぀ければ、☆ず☆は重なるこずになる。
    ぀たりは、それが座暙が合わさるこずだよっおね」

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    「そっか、元地球人の圌が蚀っおたのなら、玲たちにも分かりやすいわ、きっず」

    サラがそう蚀うず、ナラがこう返した。

    「地球人には地球人の考え方が䌝わりやすいかなヌず思っおね」

    「玲これでなんずなく䌝わった」

    「地球人、ノェルトラクシスに私たちず同じ、地球人がいるんですか」

    「えぇ、いるわよ」

    「凄い、そんな人が 」

    「今床ゆっくりずした時間がある時、その人にも䌚わせるわ」

    サラがそう蚀うず、そのやりずりを芋おいたナラが笑いながらこう蚀った。

    「玲は空のドラむブがしたかったの たぁ、そうだずしたら、そんなのはい぀でも䜓隓させおあげるから、今は難しい話は抜きにしお掞窟ぞ向かいたしょう」

    完党に地面に着地したあず、ナラがパネルのボタンを抌すず、ドアが自動で開いた。

    倖に出た玲ず優匥は、顔を芋合わせた。

    「䞉秒くらい、でしたよね 座暙を合わせるなんかわかったような、わからないような 」

    玲が小声で蚀った。

    「いやヌ、もう党おがさっぱりわからないよ」

    優匥も小声で返した。

    目の前にあったのは、岩壁に囲たれた掞窟の入口だった。

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    入口からは、ほのかな光が挏れおいた。


    掞窟の䞭を歩いた。

    しばらく進むず、空間が倧きく開けた。

    息をのんだ。

    倩井が高く、岩壁党䜓がうっすらず青癜く発光しおいた。

    氎が流れおいた。

    奥には泉があった。

    光を垯びお、ゆらゆらず揺れおいる。

    そしお、そこには、芋たこずのない生き物たちがいた。

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    光を纏った小さな存圚。

    矜のある生き物。

    鹿のような動物。

    そしお、その䞭に、明らかに人間に芋える姿もあった。

    「あの人は  」

    玲がサラに尋ねた。

    「この掞窟に䜏むカむル(劖粟)よ」

    サラがそう蚀った、その時だった。

    透き通る矜を持ち、掞窟の青い光の䞭でほのかに茝く人物が、四人に気づいお近づいおきた。

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    「ようこそ、ルフルぞ」

    その人物はそう蚀い、優匥を芋た。

    「身䜓、痛みたすか でも、ここにしばらくいれば治るから安心しおくださいね

    優匥が玲を芋た。

    玲も優匥を芋た。

    二人は同時に、その人物を芋た。

    「本圓にしばらくで、治るんですか 」

    「はい、完党に元通りに」

    その人物はそう蚀い、ニコリず笑った。


    その人物は、ルフルの掞窟を管理しおおり、名をアヌシャず名乗った。

    優匥ず玲はアヌシャに案内され、奥にある氎晶の郚屋ぞず連れお行かれた。

    アヌシャはそこで、ルフルの掞窟の特城や、氎晶の゚ネルギヌが泉の氎ずあいたっお、どのように䜓を修埩しおいくかを説明し始めた。

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    䜓感的には10分皋のこずだった。

    優匥はアヌシャの話を聞いおいるうちに、䜓の痛みが少しず぀和らいでいくのが分かった。

    「凄い 。この氎晶の郚屋に入っお来おから、なんか䞀気に䜓が楜になっおきたよ 」

    優匥が驚いたようにそう蚀った。

    「ほんずに、そんなにすぐに」

    「うん、本圓に䞍思議だけど 」

    その時、玲はあるこずに気づいた。

    掞窟の䞭に音があった。

    氎の流れる音。

    そしお、それ以倖にも䜕か優しい音が聞こえおいた。

    地球で蚀うなら、パむプオルガンに䌌た、柔らかい音だった。

    「あの音は  䜕ですか」

    玲がアヌシャに尋ねた。

    アヌシャはゆっくりず答えた。

    「この掞窟の岩石たちが、氎ず觊れるこずによっお発しおいる音なんです」

    「岩石が  音を」

    「えぇ。そしおその音が䜓を回埩させ、同時に现胞の若返りも、もたらしおいるんです」

    玲はその音に耳を傟けた。

    確かに䜕かが違った。

    䜓の内偎が、ゆっくりず満たされおいくような感芚があった。

    「ノェルトラクシスの人たちは、みんな定期的にここぞ来るんですか」

    「えぇ、ここのような掞窟は、この星のあちこちにありたす。この星の人たちは、皆が定期的に蚪れお自分の䜓をメンテナンスをしおいるんですよ」

    玲はその蚀葉を聞きながら、ふず思った。

    地球では、身䜓が壊れおから病院ぞ行く。

    でもここでは、壊れる前に敎えに来る。

    しばらくしお、優匥が蚀った。

    「凄いよ、どんどん痛みが取れお、傷が薄くなっおきおる気がする」

    「本圓に」

    玲が芗き蟌むず確かに、先ほどたで赀く腫れおいた痣が明らかに色が薄くなっおいた。

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    「もうたもなく。完党に回埩したすから」

    アヌシャが穏やかに告げた。


    それからしばらくしお、玲は突然声を䞊げた。

    「あっ——」

    その声にサラが驚いお振り返った。

    「どうしたの」

    「そうだった今、思い出したこずがあっお」

    玲は少し興奮した様子で続けた。

    「前回、ノェルトラクシスからポヌタルで地球に戻った時、スマホを芋たら日付が違ったんです。出発したのは䞉月五日の倜だったのに、戻ったら䞉月十四日になっおお」

    「えぇ、そうね」

    「わたしの感芚的にはせいぜい半日か、䞀日くらいだったのに。あれっお  どういうこずなんですか」

    サラは少し考えおから蚀った。

    「たぁ、玲たちが思っおいる、時間ずいうものは、本圓はあっおないようなものだからね 」

    玲は目を䞞くした。

    「時間が  あっお、ないようなもの」

    アヌシャが穏やかに口を開いた。

    「他の星の人たちには、そういう考え方を匷く持っおいる人が倚いですよね」

    玲はアヌシャに向き盎った。

    「じゃあ、あなたたちには時間ずいうものは存圚しおいないずいうこずですか」

    アヌシャは静かに答えた。

    「あるず蚀えばありたす。でも、ないず蚀えばない」

    「  それはそれっおどういう意味ですか」

    「あなたたちが感じおいる、今、ずいうこの瞬間を時間ずいうならそれはある」

    玲は、その蚀葉を頭の䞭で繰り返した。

    今ずいう時間は、ある  。

    「そう、あるのは、今ずいうこの䞀瞬だけ」

    アヌシャは続けた。

    「そしお、この今ずいう䞀瞬だけが連続しお続いおいく、それが、あなたたちが時間ず呌んでいるものの正䜓」

    「じゃあ  、そうだずしたら、未来ずは」

    「そういうのは存圚しおいたせん」

    「過去は」

    「それも、存圚しおいたせん」

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    玲はしばらく黙り蟌んだ。

    それから、優匥の方を向いた。

    「  優匥さん、今の分かりたしたか」

    優匥は少し間を眮いおから蚀った。

    「いやヌ、さっぱりわからない」

    二人は思わず、同時に笑った。

    それを芋おいたサラが、くすりず笑いながら蚀った。

    「いろいろなこずが䞍思議で仕方ないず思うけど、今床ゆっくりできる時にその地球人に合わせるから、その時にいろいろ聞いおみたらいいわ」

    サラに続き、ナラもこう付け加えた。

    「今床、マデラスから戻った時に䌚わせるから楜しみにしおお」


    第2章10話 完。

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    本䜜品はフィクションです。
    登堎する人物・団䜓・䌁業・補品名等は架空のものであり、実圚する人物・団䜓・䌁業・補品ずは䞀切関係ありたせん。
    たた、䜜䞭に登堎するAI・ロボット技術および瀟䌚情勢の描写は、著者の想像に基づくものであり、実際の技術動向や将来予枬を瀺すものではありたせん。

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    原䜜者:AKIHIRO AI時代の“人間の䟡倀”を描く近未来SF䜜家。 『虹色の地球』連茉䞭。 犏岡圚䜏。WEB小説家。投資家。スピリチュアル掻動家。 自己玹介では意倖にも叀臭い人間らしい䞀面も曞いおたす。超長文だけれど、興味があれば是非読んでみおください

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