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サハラを走り、寿司を握り、娘と乾杯する。—40歳からの「ライフ・ミッション:インポッシブル・リスト」

    アイアンの父

    私のやりたいことリストには、サハラ砂漠マラソンの完走と、お寿司を握れるようになることが、同じ顔をして並んでいる。 その少し先には「書籍を出版する」があり、「娘と一緒にお酒を飲む」もある。 砂漠を走れる体力と、シャリをまとめる技術に、今のところ共通点は見当たらない。でも、私の人生には両方あってほしい。

    はじめまして。普段は広告・マーケティングの仕事をしながら、娘の父親をやり、その合間に走ったり、泳いだり、自転車に乗ったりしている。

    初めてのnoteなので、自己紹介をどう書こうか考えた。経歴を順に並べる方法もあるけれど、「これから何をやりたいと思っているか」を書く方が、私という人間は伝わる気がした。

    そこで紹介したいのが、「40歳からのライフ・ミッション:インポッシブル・リスト」だ。

    名前はずいぶん大げさだが、世界を救う予定はない。まずは、自分の「いつかやりたい」を、予定表の中にプロットするところから始めたい。

    すでに達成したことも含めて、現在40個。これからの人生で見つける「やってみたい」を足しながら、100個に育てていく。そして、このnoteには、一つずつ達成したミッションの報告を残していこうと思っている。

    226km先のゴールで、話は終わらなかった

    このリストについて話すには、先にIRONMANの話をしておきたい。

    スイム3.8km、バイク180km、ラン42.2km。合計226kmを1日で走破するまさに“鉄人”レースに、約1年間の準備を経て出場し、完走した。

    なぜそんなことをしようと思ったのか。理由を立派に説明することもできそうだが、正直に言えば、始まりはもっと単純だった。

    「Yes, I am an Ironman.」と言ってみたかった。

    たった一言を自分のものにするために、ずいぶんなレースに参加したものだと思う。

    私は、目標がなくても淡々と努力を続けられるタイプではない。むしろ、はっきりしたゴールがあって初めて、毎朝の行動に理由が生まれる。アイアンマン(IRONMAN)を目指した約1年間は、「今日は何のためにトレーニングするか」が明確だった。

    だから、完走できたことは本当に嬉しかった。その一方で、しばらくすると、ぽっかり空いた場所にも気づいた。

    あれほど目指していたゴールの先に、次の行き先がまだなかったのだ。

    そこで次の大会を一つ探す代わりに、少し広く考えてみることにした。レースだけではない。仕事も、勉強も、家族との時間も含めて、これから何を実現したいのだろう。

    人生の次の目的地を、一度まとめて書き出してみようと思った。

    「未達成」ばかりを数える前に

    書き出すにあたって、これまでにやってきたことも振り返った。

    バックパッカーでアメリカを横断し、エジプトでピラミッドを見た。留学を経験し、MBAを修了した。ボディメイクのコンテストにも出場したし、本場のサッカーやオリンピックを観戦する機会にも恵まれた。結婚し、家を買い、今は娘がいる。

    普段は、まだできていないことの方が目につく。でも、こうして振り返ると、かつての「いつか」が、ちゃんと過去形になっていた。

    もちろん、どれも一人の力だけで実現したわけではない。家族や周囲の人たちの存在も含めて、今の自分がある。

    だから、このリストには達成済みの項目も残している。これからの自分を急かすだけの紙にはしたくなかった。すでに叶ったことも、そこに至るまでに受け取ったものも、忘れないためのリストにしたい。

    「インポッシブル」と名づけたのも、不可能なことばかり集めたいからではない。

    今は遠く見える目標にも、いつか「達成済み」と書けることがある。少なくとも、IRONMANではそれを経験した。その感覚を、ほかの分野でも確かめてみたいのだ。

    スポーツ|次の自分に、スタートラインで会う

    スポーツでは、まずフルマラソンで3時間を切る「サブ3」を達成し、別府大分毎日マラソンに出場したい。

    IRONMANで挑んだのが長く動き続けることだとすれば、今度は速く走ることに挑みたい。一方で、ウルトラマラソンや100マイルのトレイルにも惹かれている。UTMB Mont-Blancに出場すること、サハラ砂漠を走り切ることも、リストに入っている。

    完走した人へのご褒美が、さらに長い距離のレース。私の中では、それでちゃんと話が通っている。

    ただ、目標は距離や記録を伸ばすことだけではない。長く続けることも、大きなミッションだ。

    70歳、80歳、90歳になっても、何かのレースのスタートラインに立っていたい。

    そのときの身体に合う種目や距離でいい。若い頃の記録を追いかけるのではなく、その年齢の自分にできる挑戦を見つけたい。

    90歳の私が大会を探していたら、今の私もなかなか嬉しいと思う。できればそのときも、「出るかどうか」ではなく、「どれに出ようか」で迷っていてほしい。

    旅|地名を、自分の思い出に変えていく

    旅のミッションは、日本の47都道府県をすべて訪れることと、海外で30か国以上を訪問すること。

    せっかく走るのが好きなのだから、大会をきっかけに旅をするのもいい。走ったあとにその土地のご飯を食べ、もう一泊して周辺を巡る。大会のエントリーが、旅の予約にもなるような楽しみ方をしてみたい。

    アメリカをバックパッカーで横断したことも、エジプトでピラミッドを見たことも、私の中では大切な経験として残っている。画面越しに知っている場所と、自分がそこにいた場所は、やはり違う。

    行ったことのある地名は、単なる地名ではなくなる。そこから自分の記憶を取り出せるようになる。

    47都道府県や30か国という数字は、その入口だ。数を増やした先に、自分の言葉で話せる場所が増えていたら嬉しい。

    趣味|寿司を握る私も、DJをする私も見てみたい

    趣味の欄には、お寿司を握れるようになること、DJでフロアを盛り上げること、楽器を一つ演奏できるようになることが入っている。

    自分で握った寿司を誰かに振る舞う。選んだ曲で、その場の空気が変わる。好きな曲を、聴くだけでなく自分の手で奏でる。どれも、できるようになった先の場面を想像するだけで楽しい。

    もちろん、最初からうまくいくとは思っていない。寿司のつもりで、小さなおにぎりを量産するところから始まるかもしれない。それでも、昨日より少し形が整えば、きっと嬉しい。

    私は、人生に必要な経験を、今の仕事とのつながりだけで選びたくない。

    今は別々に見えることが、後になって思いがけず結びつくかもしれないし、結びつかなくても、その時間にしか出会えない楽しさや人がいる。それだけで、始める理由としては十分だ。

    いくつになっても、履歴書にまだ載っていない自分を増やしていきたい。

    家族|娘の物語では、私は主役ではない

    家族に関するミッションは、少し種類が違う。

    いつか娘がお酒を飲める年齢になったら、一緒に乾杯したい。もちろん、娘もそうしたいと思ってくれたら、という条件付きだ。その席では、私の昔話より、娘がこれから何をしてみたいのかを聞きたい。私の話は、なるべく短めにするつもりでいる。

    そして娘が「これをやってみたい」と言ったときには、本気で付き合いたい。お金を理由に、その挑戦を制限しなくていい状態もつくっておきたい。

    ただ、娘の人生は娘のものだ。私のリストを完成させるために、娘に役を演じてもらうわけにはいかない。自分のミッションでは張り切って主役をやりたいけれど、娘の物語では、必要なときに頼れる存在でいたい。

    家族との時間は、あとからまとめて取り戻すのが難しい。今日の娘とできることは、今日の娘としかできない。

    この項目は、簡単に「達成済み」にはならないと思う。だからこそ、ほかのミッションを追いかけるときにも、見失わない場所に置いておきたい。

    学び|10年ごとに、知らない世界へ入学する

    MBAは修了した。でも、学びの予定が空になった感覚はない。

    今は、自分でAIサービスを一つ作ってみたい。ファイナンスを実務でもっと使えるようになりたいし、公認会計士やUSCPAにも関心がある。英語で、自分の考えをもっと自由に伝えられるようにもなりたい。

    そして、資格やスキルとは別に、長く続けたいミッションがある。

    40代以降、10年ごとに、今の自分とはまったく関係のない分野を一つゼロから学んでみたい。

    次の10年で何を選ぶかは、そのときの私に任せたい。今の専門性を深めるだけでなく、積み上げたものをいったん脇に置いて、「何もわかりません」から始める機会を持ちたいのだ。

    経験を重ねることと、初心者でいることは、両立できるはずだと思っている。

    50代には50代の、70代には70代の入学式があってもいい。学生証がなくても、新しい世界に入ることはできる。

    書くこと|いつか、私の一冊をつくりたい

    書籍を出版することも、大切なミッションの一つだ。

    ただし、仕事の本を書くと決めているわけではない。マーケティングの本になるかもしれないし、旅の記録やレースの体験記になるかもしれない。あるいは、仕事と子育てと、ときどき砂漠が登場する、分類しにくいエッセイになる可能性もある。

    書店のどの棚に置かれるかは、ひとまず将来の私と編集者に相談してもらおうと思う。

    本にしたいのは、肩書きの説明ではない。自分が実際に見て、やって、考えたことだ。それを、一冊というまとまりのある形にしてみたい。

    まだ、表紙も目次もない。でも、これからの経験が少しずつ原稿になっていくと考えると、日々の見え方も変わる気がする。

    いつか誰かがその本を読み、「こんなことをやってみる人生もあるのか」と思ってくれたら嬉しい。このnoteも、そんな一冊につながる場所になるかもしれない。

    仕事|名刺ではなく、仕事で自己紹介したい

    広告・マーケティングの仕事では、自分独自の考え方を形にして、ほかの人にも使ってもらえるものにしたい。

    新規事業をゼロから立ち上げること、海外で働くこと、会社を経営することも経験したい。1,000人以上の前で、自分の言葉で話す機会もつくってみたい。

    その中心にあるのは、「これは自分の代表作だ」と言える仕事を残すことだ。

    名刺には、会社名や役職を書ける。でも、「何をしてきた人ですか」と聞かれたときには、実際の仕事を挙げて答えたい。

    誰と、何を考え、何をつくり、何が変わったのか。その話を自分の言葉でできる仕事が残れば、私にとって大きな達成になる。

    何十年も働いたあとに、肩書きの変遷だけでなく、「あの仕事をやれてよかった」と話せるものがあってほしい。

    お金|「やってみたい」の先を、お金だけで閉じない

    お金については、給料以外の収入源を持つことがミッションに入っている。

    家を買うという目標は達成した。これからは暮らしの土台を大切にしながら、自分と家族が選べることを増やしていきたい。

    何かに興味を持ったとき、最初の返事が「お金がかかるから難しい」ではなく、「どうすればできるか考えてみよう」であってほしい。

    もちろん、すべての希望を叶えられるとは限らない。時間も必要だし、家族との相談も必要だ。それでも、お金だけを理由に、検討する前から選択肢を閉じなくていい状態には近づけたい。

    このリストを書いていると、自分がお金に求めているものも、少しはっきりしてくる。数字の大きさだけではなく、その先にどんな生活や経験をつくりたいのか。そちらを忘れずにいたいと思う。

    このnoteは、人生の「ミッション達成報告書」にする

    では、このnoteに何を書いていくのか。

    軸にしたいのは、リストにあるミッションを、実際に達成したときのレポートだ。

    サブ3を達成したら、記録とともに報告する。サハラ砂漠を完走したら、走り切った私が何を感じたのかを書く。本を出版したら、その一冊を紹介したい。寿司を握れるようになったら、まずは写真を載せようと思う。こちらは文章より、握ったものを見てもらう方が早い。

    主役は、あくまで「やりました」という報告。

    そのうえで、実現までに何が必要だったのかも残したい。どれくらいの準備や費用がかかったのか。仕事や家庭とはどう両立したのか。何に苦労し、誰に助けてもらい、達成してみると想像と何が違ったのか。

    達成した事実があるからこそ、具体的に書けることがあると思う。

    「これから挑戦します」という予告編だけでなく、ちゃんと完成した本編を届けたい。そして、次に同じことをやってみたい人が読んだときに、自分ならどう始めるかを考えられる記事にしたい。

    まずは、すでに達成したIRONMANやMBAなどの経験も、あらためて振り返っていくつもりだ。リストに増えていく「達成済み」と一緒に、このnoteの記事も増えていく。そんな場所にできたら嬉しい。

    現在のライフ・ミッション:インポッシブル・リスト、40個

    ここまで書いてきたことを、現時点の一覧として残しておく。

    今のリストは40個。そのうち10個が達成済みだ。これから実現したいことに加えて、娘の挑戦を応援することのように、長く取り組み続けたいものも入っている。

    「達成済」は、すでに実現したミッション。「—」は、これから達成を目指すもの、または継続して取り組むものとしている。

    No. カテゴリー / ミッション / 達成状況
    1. スポーツ - フルマラソンでサブ3を達成し、別府大分毎日マラソンに出場する
    2. スポーツ - サハラ砂漠マラソンを完走する
    3. スポーツ - ウルトラマラソンを完走する
    4. スポーツ - 100マイルトレイルを完走し、マイラーになる
    5. スポーツ - UTMB Mont-Blancに出場する
    6. スポーツ - IRONMANレースを完走する - 達成済
    7. スポーツ - Challenge RothやKonaなど、海外のロングディスタンス・トライアスロンを完走する
    8. スポーツ - 世界6大マラソン(ワールドマラソンメジャーズ / WMM)を完走する
    9. スポーツ - 70歳、80歳、90歳になっても、何かのレースのスタートラインに立つ
    10. 旅 - 47都道府県すべてを旅する
    11. 旅 - バックパッカーでアメリカを横断する - 達成済
    12. 旅 - エジプトでピラミッドを見る - 達成済
    13. 旅 - 30か国以上の国を訪問する
    14. 趣味 - お寿司が握れるようになる
    15. 趣味 - DJでフロアを盛り上げる
    16. 趣味 - 楽器を一つ演奏できるようになる
    17. 趣味 - 本場のサッカーを観戦する - 達成済
    18. 趣味 - オリンピックを観戦する - 達成済
    19. 趣味 - 万博を訪問する - 達成済
    20. 家族 - 結婚する - 達成済
    21. 家族 - 娘がお酒を飲める年齢になったら、一緒にお酒を飲む
    22. 家族 - 娘の「やってみたい」に本気で付き合う
    23. 家族 - 娘の挑戦をお金の理由で制限しなくていい状態をつくる
    24. 学び - 留学を経験する - 達成済
    25. 学び - MBAを修了する - 達成済
    26. 学び - 自分でAIサービスを一つ作る
    27. 学び - 公認会計士またはUSCPAの資格を取得する
    28. 学び - ファイナンスを実務で使えるレベルまで学ぶ
    29. 学び - 英語が流暢に話せるようになる
    30. 学び - 40代以降、10年ごとに今の自分とはまったく関係のない分野を一つゼロから学ぶ
    31. 創作・発信 - 書籍を出版する
    32. 仕事 - 自分独自のマーケティング理論をつくる
    33. 仕事 - 「これは自分の代表作」と言える仕事を残す
    34. 仕事 - 新規事業をゼロから立ち上げる
    35. 仕事 - 海外で働く
    36. 仕事 - 会社を経営する
    37. 仕事 - 1,000人以上の前で講演する
    38. お金・暮らし - 給料以外の収入源を持つ
    39. お金・暮らし - お金を理由に挑戦を諦めなくていい状態になる
    40. お金・暮らし - 家を買う - 達成済

    残り60個は、まだ知らない私のために

    ここから100個まで、少しずつ増やしていく。

    ただし、残り60個を、今の知識と興味だけで埋めてしまうつもりはない。

    これから出会う人に教えてもらうこともあるだろうし、旅先で初めて知る楽しみもあるだろう。娘の興味についていったら、私の方が夢中になるものに出会うかもしれない。

    そのときのために、空欄を残しておきたい。

    60個の空欄は、考えが足りない部分ではない。これからの私が、今の私とは違うことを好きになるための場所だ。

    そして、このリスト全体を支える言葉として、一つだけ置いておきたいものがある。

    「最期に『やろうと思ったことは、やり切った』と言える人生にする。」

    これは、40個のうちの一つではなく、リストを持ち続ける理由だ。

    いつかそう言えるとしたら、特別な決意を一度したからではなく、「やってみたい」を実際に一つずつやってきたからなのだろう。

    砂漠を走る日もあれば、寿司を握る日もある。仕事に力を注ぐ時期もあれば、娘の挑戦に付き合う時間もある。どれか一つだけでは、私の人生にはならない。

    40歳からの「ライフ・ミッション:インポッシブル・リスト」は、現在40個。

    100個目に何を書くのかは、まだわからない。けれど、その空欄が埋まる日も、そこに「達成済み」と書ける日も、今から楽しみにしている。

    いつか書くはずだった話を、やったから書ける話に変えていく。 このnoteを、そんな報告で埋めていきたい。

     
     
     
    3歳の娘の育児に奮闘中 「本業:マーケター × 趣味:ファイナンス」(MBA修了) IRONMAN Japan South Hokkaido 2026完走のトライアスリート(愛車:Canyon SpeedMax) 週7トレーニング-CrossFit/feelcycle/HYROX

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