
【同窓会に行かない理由ーKちゃんとの思い出話ー】
大型連休の序盤に中学校の同窓会をすると、
同級生だった女の子からメッセンジャーが届いた。
個人LINEに追加して、
同窓会のグループラインに招待するというものだった。
悩んだが、参加するかは置き、
私は同窓会のグループLINEを追加した。
グループラインのアイコンの大半は子供の写真で、
皆、それぞれに家庭を持ったのだとわかった。
私は、名前を探した。
Kちゃんの名前はなかった。
Kちゃんは、中学2年生の時の同級生だった。
暑い盛りの体育祭の練習中、
Kちゃんのお母さんが、くも膜下出血で亡くなったと知った。
クラスのみんなは体育祭の練習がサボれると、
そのまま、通夜葬儀会場へ行った。
私は練習に残った。
夕方、自宅に帰り着いて、
母に「Kちゃんのお母さんが亡くなった」と伝えた。
母は慌てて「しばらく待ちなさい」と言った。
喪服に着替えた母と小さな斎場についた。
親族席に、一人だけKちゃんが座っていた。
うなだれていた頭が上がって、
私を見ると、
Kちゃんは泣き腫らした目で笑顔を浮かべた。
Kちゃんとこは母子家庭で、嫁いだお姉さんがいたが、
中学2年生で、天涯孤独の身の上になってしまったのだ。
来てくれてありがとう、Kと仲良くしてねと
Kちゃんの叔母さんから言われた。
私は、Kちゃんのお母さんのアルバムを見ていた。
通夜に行ってからだと思う。
Kちゃんから話しかけたり、ちょっかいをだされるようになった。
私は仲の良い子がクラスごと違ったので、
自分のクラスの子とやりとりをするのが新鮮だった。
Kちゃんには、だいぶ振り回されたな。
「私は、いちから友達を作らないといけないだからね!」
Kちゃんは、そう叫んだ。
中学校の構成は大半をA小、B小。
少なくてC小となっていた。
Kちゃんは、C小の出身だった。
Kちゃんは、いわゆる一軍女子だった。
クラスの一軍女子と上手くいかなったとき、
さっきの台詞を言ったのだ。
同じ小学校じゃないコンプレックスが、
Kちゃんの心に張り付いていたのだと思う。
高校受験のとき。
Kちゃんは第一志望に落ちた。
階段に座り込み、声をあげて、わんわんと泣いていた。
私はKちゃんの感情にまっすぐなところが羨ましかった。
卒業式の日。
Kちゃんから思いっきり背中を叩かれた。
「私のこと忘れないでね」
背中痛いと思いながら、
Kちゃん、あんたのことは忘れないと思った。
そんなことが中学時代にありました。
Kちゃんにまだ同窓会の連絡がいってないのかもしれない。
同窓会を開催する日が12月の末日と、帰省と重なって、
私は同窓会には参加しません。
Kちゃんが笑顔であればいいなと願うのでした。