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月を芋る 【シロクマ文芞郚】

    月を芋る。
    たた䞀段、欠けおいるずころが増えた。

    あれは月なのか、それずも誰かが霧った皿なのか。
    皿ならば、なぜ空に掛かっおいる。

    地䞊の片隅で亜麻垃に包たり、今倜も空を芋匵る。

    そこには星ひず぀瞬かず、巚倧な魚の骚のような八本の組み目が闇に浮かび、倩頂に座す月の高みたで登っおいく。

    足堎の梁が圱になっお亀差し、吊り具の瞄が、颚もないのにかすかに鳎る。昌のあいだ牛が回しおいた巻き䞊げ機は、いたは眠っおいる。

    牛は月を知らぬ。
    月も牛を知らぬ。
    されど瞄は、䞡者を知る。

    瞄は賢い。

    蝋燭が爆ぜた。
    也いた挆喰の土の匂いが、蜂蜜の気配を垯びる。

    闇の真ん䞭に、やはり癜い円が浮かんでいる。
    円は倜ごず现っおいく。欠けおいく。
    だが、皿の瞁が残っおいるならば、ただ逃げられるだろう。

    ここには自分のほか、誰もいないはずだった。
    しかし、䜎い声が黙瀺録を読んでいる。

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    Vvici, ≪ Mulier amicta sole, et luna sub pedibus ejus ≫, 2026

    倪陜をたずい、月を足䞋に螏み、十二の星の冠を戎く女の話。
    それは、倩に顕れたる巚なる城。

    女は身ごもっおいる。
    産みの苊しみに呻いおいるず、女ずは別の、もうひず぀の城が倩を芆う。

    それは、犍しき獣。

    ――芋よ、巚䜓なる赀き韍の珟れたり。䞃぀の頭、十の角を具ぞ、その頭に䞃぀の王冠を戎けり。

    「ペハネの黙瀺録りルガヌタ蚳」第12ç« 3節

    怪物はその尟で星々を掃き萜ずし、生れおくる子を食べ尜くそうずするだろう。

    月は、女の足の䞋にある。
    ならば自分がいた、芋䞊げおいるものは䜕か。

    あの癜い円は、欠けおいるのではなかった。
    円を囲む石の列が、倜ごずにひず぀ず぀閉じおいくのだった。

    「  女は野に逃れたり」

    声が、闇のなかで途切れた。

    亜麻垃に䞡手を隠す。
    指の間に、泥がこびり぀いおいる。

    女は逃げた。
    荒野ぞ。そしお神に玄束された圌女自身の堎所ぞ。

    男は逃げなかった。
    いや、逃げられなかったのかもしれない。

    子を抱いた女のこずを、男はいたも芚えおいた。
    その女が、䜕ず蚀ったかも。

    「逃げ堎はない」小さく繰り返す。

    女は荒野ぞ逃げ、獣は空腹を満たす。
    それで䞇事、䞞く収たる。

    隠した手が、かすかに重くなった気がした。

    円蓋の頂で、月は、最埌の石で閉じられる倜を埅っおいる。


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    ご芧いただきありがずうございたした。#シロクマ文芞郚にお、い぀も玠敵なテヌマをくださる小牧幞助様にもこの堎を借りおお瀌申し䞊げたす。

    同じむタリアルネサンスの䞖界芳で小説も連茉しおいたす。ぜひ芗いおやっおください。
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    Vviciりりィキ AIずいう新たな絵筆を甚いた絵画ず意匠、歎史/物語が融合するメディアミックスアヌトを展開。「Vici埁服」ず「Wiki瞬時の集積知」のはざたで矎を巡る思考の断片を蚘録したす。 『フィレンツェの春』むタリアルネサンスが舞台の連茉小説。日曜倜曎新。

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