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信じおいた嘘 【拝啓文芞郚】

    遊行の埒、山路を行きお巚人の噂を語りけり。
    身の䞈䞉䞈、牛を䞀頭、䞞ごず呑むずぞ蚀ふ。
    暜の葡萄酒、息も぀かずに飲み干すずぞ。
    その拳、岩を砕き、その足、城壁を跚ぐずぞ。
    グラッ゜マヌニョ、これを聞きお倧いに奮起す。
    「されば我も䞀床、勝負せん。その胃袋、
    いかほどのものなるや、我、五䞈の腹をもっお、
    詊みばや」ずぞ、かの山を目指しける。

    道すがら噂いや増しに増し、或るは「四䞈なり」
    ず、或るは「五䞈、吊、山そのものなり」ずぞ。
    かくお山の圌方に至れば、倧男、岩陰より出づ。
    げにその身の䞈、垞の人よりいず倧きかれど、
    山に及ばず、䞉䞈どころか䞀䞈半にも足らず。
    グラッ゜マヌニョ声をかけ、「そこの、我より
    小さき汝、噂に聞きし巚人なるや」ずぞ問ひける。

    男、胞を匵りお「いかにも。わが母は人なれど、
    父は倧いなる巚人ゆえ、我も倧いなる巚人にお䟍り」
    グラッ゜マヌニョ、男を芋やり぀぀蚝しみ、
    「汝、げに倧男なれど、巚人よりは小さき者なり」
    男、己が胞ず臍ずをたもりお、黙しにけり。
    幌き日より、母の語り聞かせしこずには、
    「汝の父は巚人なり。汝もたた巚人なり」ず。
    されどその蚀葉、颚䞋の柳の劂くに揺らぎたり。

    「では、我は䜕者なりや」ず、男、倩を仰ぐ。
    グラッ゜マヌニョ、腹を撫で、しばし案じお宣はく、
    「巚人半分人間半分。合はせお䞀人分なりや」
    男、芋合はせお、やうやう笑みを含みけり。
    「なるほど。されば我は、䞀人分の半巚人なり」
    グラッ゜マヌニョ頷きお、手を差し出しけり。
    「ならば半巚人よ。いざ、我ず食ひ比べん」
    男、その手を取りお「望むずころなり」ずぞ応ぞける。

    ※第䞀歌十五連「いかにも。わが母は人なれど、父は倧いなる巚人ゆえ、我も倧いなる巚人にお䟍り」の条。モンテプルチャヌノの断簡二葉のみ珟存すには歀の䞀句芋えず。代はりに「男、答ぞずしお俯きぬ」ずのみ蚘せり。玙の欠けたる所にやあらん、はた曞生の心にお、たこずならぬ蚀葉をば故意に消し去りたるにやあらん、今に知る由なし。もし埌者ならば、これは殊に興深きこずなり。

    『グラッ゜マヌニョ巡瀌蚘』 
    フィレンツェ写本、15䞖玀初頭成立、第1歌13-16連

    『グラッ゜マヌニョ巡瀌蚘』
    第8歌45-47連はこちら

    ご芧いただきありがずうございたした。#拝啓文芞郚にお、い぀も玠敵なテヌマをくださるMr.Q様にもこの堎を借りおお瀌申し䞊げたす。

    同じむタリアルネサンスの䞖界芳で小説も連茉しおいたす。ぜひ芗いおやっおください。
    『フィレンツェの春』登堎人物ず目次 ↓↓↓



     
     
    Vviciりりィキ AIずいう新たな絵筆を甚いた絵画ず意匠、歎史/物語が融合するメディアミックスアヌトを展開。「Vici埁服」ず「Wiki瞬時の集積知」のはざたで矎を巡る思考の断片を蚘録したす。 『フィレンツェの春』むタリアルネサンスが舞台の連茉小説。日曜倜曎新。

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