メインコンテンツへスキップ
見出し画像

朝日を浴びて朝ごはんを一緒に食べる人

    GW中に、国立ハンセン病資料館に行ってきた。
    場所は東京の東村山市で、国立のハンセン病療養所である多摩全生園の敷地内にある。実は、ここには何年も前から行こうと思っていた。その理由は2つある。
    1つ目は、会社の同期(今は、転職しちゃったけど)から紹介してもらった「あん」という映画を数年前に観たから。
    2つ目は、中学時代の社会の授業で扱ったハンセン病のことが強く記憶に残っているから。人に話す機会はほとんどないけど、15歳頃からずっと、漠然と、ハンセン病に興味があった。

    「あん」は、餡子の"あん"。

    「あん」という映画が好きと教えてくれた同期は、いつも自分の空気感を持っていて、ブレないところが好きだった。(最近、会えていない..)
    彼女に教えてもらった映画は大体私も好きになっていて、「あん」の他に「かもめ食堂」もお気に入り。
    「あん」は、なんといっても樹木希林さんの最後の主演映画。
    どら焼き屋さんで働くことになった、樹木希林さん演じる徳江さん。粒あんのおいしさが好評で店は繁盛するのだが、実は徳江さんが元ハンセン病患者だとわかり客足が減る。そして徳江さんは‥‥。そんな物語。この舞台がまさに東村山だった。都心から1時間程度で行けるエリアだけど博物館には行くタイミングがなくて、いったいどんなところなのか気になっていた。
    (ちなみに"もののけ姫"に出てくる包帯の方々も、ハンセン病患者さんがモデル)

    15歳のノートを預けた先生のこと

    もう1つの理由である、中学の記憶。
    それは、中3の公民の授業で先生が「ハンセン病」をテーマに多くの時間を使ってくれたことだ。たしか、中3ももう終わりの方。
    約2週間くらい、公民の授業でハンセン病を取り扱っていた。社会科が週3回あったとしても、6回分くらい連続でハンセン病について考えた。
    先生が毎回、ハンセン病にまつわる数枚の写真(症状や、裁判の内容だったと思う)を見せてくれて、私たちは感じたことや自分の意見をノートに書いて、グループのみんなと話し合って、最後にまた感想をノートに書いて、先生に提出する。その繰り返しだった。
    おそらく、1996年の「らい予防法廃止」は教科書に掲載があったんだと思う。(詳しく調べてないので憶測)もしかしたら授業の進みがスムーズで、時間的に余裕があったのかもしれない。それでも、子どもながらに「教科書に載ってないことめっちゃやってるよね?!」と不思議に感じていた。人が人を差別すること、人権を求めて裁判すること。その意味や思惑を考える、まるで道徳の授業だった。でも、その先生の本気さを私たちは感じていたのか、時間がもったいないだとか、面倒だと言う人はいなかった。
    そして、その先生の最後の授業の日。
    私は先生から声をかけられて、「●●さん(わたし)のノートをもらっても良いか」と聞かれた。特別感があって、すごく嬉しかった。今でもそのノートは私の手元にはない。先生、処分してないと良いけど。
    残念ながら、15歳だったこともあり大事なディスカッションの内容を全く覚えていないし、何をノートに書いたかも覚えていない。でも、「ハンセン病についてみんなでよく考えたこと」「そんな先生がいたこと」はずっと記憶していた。
    あれから15年以上経っているけど、今一度ハンセン病について考えたいと、「あん」を観てから考えていた。

    一度でいいから朝ごはんを食べたかった

    国立ハンセン病資料館は、とても勉強になる場所だった。
    古代から忌み嫌われていたという歴史、医療の発達により今は治る病気であること。そもそも、今の衛生環境ではほとんど発症しないこと。
    また、療養所内の生活が大変リアルに表現されていた。子どもは持てないけど、患者同士の結婚は認められていた時代があった。それでも、夫婦は夜の通い婚しか認められていない時期があり、「一度でいいから、夫と朝ごはんを食べてみたかった」という女性のコメントが大変印象的だった。人間らしく生きることって、いろんな要素があると思うけど、そのうちの1つが「家族と朝ごはんを一緒に食べること」なんだとふと思わされた。なんだか、私は飲み歩いてばかりだし、ひとりで朝ごはんを食べるし、なんなら朝は食べないこともしばしばだけど、明るい太陽の日差しのもと、一緒に朝ごはんを食べられる人を大事にしたいなぁと、そんな日常的なことを思わされた。
    今年はらい予防法廃止から30年。


    ちなみに先述した15歳のノートのエピソードを大学の教育基礎論か何かの授業で「なぜ教職免許を取ろうと思ったのか」といったレポートのネタに使ったら、周りよりもちょっとだけ高い評価をもらえたのを覚えている。先生ありがとう。田舎なので、どうにか人づてに会う機会を作れそうだな。今年の帰省時にチャレンジしてみようかなあ。

     
     
    擬態優等生を32年間継続中🤓親知らずがないのが自慢🦷 好きなものは映画、クラシック音楽、スピッツ、Jリーグ、歴史など。 『YOU』さんの映画レビュー | Filmarks https://filmarks.com/users/yuhinagahata

    あなたへのおすすめ