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Photo bynikumori

スーパーは夫のテーマパーク

    散歩の帰り、夫とスーパーに寄りました。
    夫にとってスーパーは、ディズニーランドに行くかのような特別な場所です。
    興味のあることには一直線な人なので、
    スーパーでもその癖はしっかり出ます。
    野菜コーナーやお肉コーナーには目もくれず、
    まっすぐ魚コーナーへ。
    「あっ、天然のぶりカマがあるよ」
    「おいらんカレイって、どんな魚なんだろう?」
    私は夕食の準備があるので、早く帰りたいのですが、
    夫にはそんな事情は関係ありません。

    しばらくすると、夫が嬉しそうに戻ってきました。
    「殻付きウニ、半額だよ」
    これはもう、“報告”というより“提案”です。
    つまり、買いたいというサインです。
    ウニの殻の処理なんてしたことがありませんでしたが、
    まあ半額だし、ということで購入。

    家に帰ってから、YouTubeでウニの処理方法を見ながら挑戦しました。
    やってみると意外と簡単でしたが
    中身は、驚くほど少ない。
    笑ってしまうくらい、ほとんど入っていませんでした。

    食卓に出すと、夫が爆笑しました。
    「なにこれ(笑)ウニ(笑)身なさすぎ(笑)」
    私は心の中で思いました。
    (買うって言ったの、あなたでしょ)

    でも、目の前でその“少なすぎるウニ”を、
    一生懸命スプーンでかき出している夫を見ていたら、
    なんだかこちらまでおかしくなってきて、
    気づけば一緒に笑っていました。

    高いとか安いとか、
    上手くいったとか失敗したとか、
    そういうのを全部まとめて、
    「まあいいか」で笑える時間があるのは悪くないなと思います。

    今日のスーパーは、
    ちょっとした遠足でした。





    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    歯科衛生士として少し早めに臨床引退。夫婦で歯科医院を営み、夫もまもなく完全引退。子どもがいない私たちに訪れた新しいふたり時間。同じ毎日のはずがどこか違う。生活力ほぼゼロ、ビールと日本酒が大好きな夫と、アラ還で旅好きの私が戸惑いながらもふたり暮らしを再設計中の日々。

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