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📖くぅとしぃ姉妹の、てしごと🌛            喫茶HIKARITOKAGE 物語


    ぼくは、ちーぼう。


    朝になると、
    窓のところが、きらきらする。

    ひかりが入ってくる。

    すうっと入って、
    床に落ちて、
    テーブルの上を、ゆっくり歩く。

    あったかい。

    カーテンが、ふわっと動く。
    コーヒーの匂いがする。
    木の匂いもする。
    少しだけ、花の匂いもする。

    ぼくは、窓辺に座る。

    ここは、
    ひかりがいちばんよく見える場所。

    そして、
    くぅちゃんと、しぃちゃんがいる場所。

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    店主 ちーぼう🐾


    くぅちゃんは、おねえちゃん。


    黒と茶色の毛が、
    朝のひかりに当たると、
    ぱちぱち、ちいさな火みたいに光る。

    目は、みどり。
    森の中にある、
    ふしぎな石みたいな色。

    くぅちゃんは、
    サンキャッチャーを作る。

    小さなガラス。
    まるいもの。
    しずくみたいなもの。
    ひかりを待っているもの。

    くぅちゃんは、それを、
    そっとつなげる。

    ひとつ。
    また、ひとつ。

    カラン、と音がする。

    ぼくは、その音が好き。

    くぅちゃんが作ったものに、
    朝のひかりが当たると、
    部屋の中に、虹が出る。

    壁に、ちいさな虹。
    床に、ちいさな虹。
    ぼくのしっぽにも、虹。

    くぅちゃんは、
    それを見て、
    少しだけ目を細める。

    「できた」

    たぶん、そう言ってる。

    くぅちゃんは、
    ひかりをつかまえるのが上手。

    でも、
    ひかりは、すぐ逃げる。

    だからくぅちゃんは、
    逃げる前のいっしゅんを、
    そっと、だいじにする。


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     くぅとしぃ姉妹🐾🐾

    つぎは、しぃちゃん。


    しぃちゃんは、いもうと。

    白い毛が、
    やわらかくて、
    朝のカーテンみたい。

    目は、はちみつの色。
    あたたかいお茶の色。

    しぃちゃんは、
    レースを編む。

    糸を持って、
    ゆっくり、ゆっくり。

    くるん。
    すう。
    また、くるん。

    ぼくには、
    なにをしているのか、
    ぜんぶはわからない。

    でも、
    しぃちゃんの手のそばにいると、
    時間が、ゆっくりになる。

    お湯がわく音も、
    雨の音も、
    ひとのためいきも、

    ぜんぶ、
    少しだけ、やさしくなる。

    糸は、まちがえることがある。

    からまることもある。
    ほどけることもある。

    しぃちゃんは、
    怒らない。

    ほどく。

    もういちど、編む。

    ほどいて、
    また、編む。

    そのたびに、
    レースは少しずつ、
    きれいになっていく。

    ぼくは思う。

    しぃちゃんは、
    時間を編んでいる。

    早く行ってしまう時間を、
    ちょっとだけ止めて、
    手の中で、
    まあるくしている。

    くぅちゃんは、ひかり。

    しぃちゃんは、時間。

    ふたりは、ちがう。

    でも、
    いつも、となりにいる。

    くぅちゃんの虹が、
    しぃちゃんのレースに落ちる。

    しぃちゃんのレースが、
    くぅちゃんのガラスを包む。

    きらきら。
    ふわふわ。

    ひかりと時間が、
    そこで、仲良くしている。


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    喫茶HIKARITOKAGE  手芸工房「くぅとしぃ」

    店先には、
    ふたりの作品がならんでいる。


    サンキャッチャー。
    レースの小さな敷物。
    窓辺にかけるもの。
    カップの下に置くもの。
    だれかの部屋で、
    そっと働くもの。

    お客さんは、
    それを手にとる。

    「きれいね」

    「なつかしいね」

    「これ、あの窓に合いそう」

    ぼくは、そばで聞いている。

    ひとは、
    ものを見ているようで、
    ほんとうは、
    どこかの時間を見ている。

    昔の窓。
    前に住んでいた部屋。
    だれかが座っていた椅子。
    もう使わなくなったカップ。

    そういうものが、
    ふっと、
    目の中に戻ってくる。

    くぅちゃんの虹は、
    その上に落ちる。

    しぃちゃんのレースは、
    その下で待っている。

    だいじにしていたもの。
    しまっていたもの。
    もう、ここには置けないもの。

    でも、
    おしまいじゃない。

    だれかの手にわたる。
    だれかの部屋に行く。
    だれかの朝を、少し明るくする。

    ぼくは、むずかしいことはわからない。

    でも、
    ひかりは、
    ひとつの窓だけにいるんじゃない。

    時間も、
    ひとりの手の中だけにいるんじゃない。

    くぅちゃんが、虹にする。
    しぃちゃんが、編みなおす。

    そして、
    また、
    だれかの暮らしに入っていく。

    カーテンがゆれる。

    サンキャッチャーが鳴る。

    レースの上で、
    ひかりが眠る。

    ぼくは、ちいさく鳴く。

    「だいじょうぶだよ」

    手放したものが、
    だれかの窓辺で、
    また光ることもあるから。




     
     
    猫3匹と暮らしながら、在宅ワークを目指す🏡 喫茶HIKARITOKAGE運営😊 店主は茶トラのちーぼう🐾 AI×終活 時々陶芸 面倒なこともクリエイティブもAIにお任せ🤖 日々の作業や楽しいアイデアをツール化販売しています❣️ 遊び心と冒険心を持ち続けたい50代です☺️

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